SAO‐戦士達の物語《番外編、コラボ集》
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コラボ・クロス作品
戦士達×RoH
Roh×戦士達 《執筆後記(あとがき)》
はい、いかがだったでしょうか?
ここまで読んでくださった皆様に、まずは読了、心からお礼申し上げます。
書いてゆくうち、いつの間にか八万文字を超える作品になってしまった今回のコラボ、制作そのものの長さも、大分長大なものになってしまいました(笑)
大体半年近くなんですが……ま、そんな事は読者の方にとってはどうでもいいと思うので、お礼の言葉と今回のお話のちょっとした小話をば。
このお話を綴ろうと最初に思い立ったのは、実はまだRohを木野下先生が連載してらっしゃった頃でした。
僕はよく、好きな小説をよんでいてこういうシーンにこいつがいたらどうなるだろう、こんな奴が居たらどうだろうなどという事を考えている人間です。今の二次創作を始めた根底にある理由も、完全にそれでした。
それが爆発するのが、僕がほかの作者さんにコラボを申し込むことを思いつくときです。何とも贅沢、というより傲慢な話ですが……こうなるとどうしても一度話してみないと止まりません。
今回の場合は、オープニングのあのシーンこそが、僕にとっての妄想の爆発の瞬間であり、自制がぶっ壊れた時でした。
誰一人として助けるものが居ない世界、その世界が彼を壊したというのなら、もし誰か一人でも手を伸ばす人がいたのなら、彼はいったいどんな物語を歩んでいたのだろう?それを想像し始めて止まらなくなった結果、木野下先生に「せ、先生!コラボ、コラボをやらせてください!(ハァハァ)」と、なっていたわけです。変態ですね。
ですがそんな変態のお願いを木野下先生が快く受け入れてくださり、そして今、あなたがそれらを読み終わりこのあとがきを読んでいるのです。
改めまして、木野下先生、僕の我儘含め、大切なキャラを快く貸していただいたこと、忙しい中文章全体のチェックと調整に付き合っていただいたこと、本当にありがとうございました(土下座)
さて、そんな作品である今作ですが、例によって例のごとく、今回のコラボも登場キャラクターをごく少数に限らせていただきました。
メインで登場するのはリョウコウとユミル、この二人だけです。
そしてサブとして、リズベット・エギル・ハーライン・キリト・サチに登場してもらいました。
同時に三人以上のキャラが場面に絶対に登場しないように調整して描いたので、一人一人を描いていくという意味ではかなりゆとりをもって書いたつもりでおります。
まずはサブキャラクターたちから、今回のお話での役割をふれていきましょう。
まず、キリト。
最後の最後にちょこっと出てきただけの我らが原作主人公殿でしたが、せりふ回しや言葉選びには意外と慎重になったキャラクターの一人でもありました。
というのも、キリトとユミルはこちらではあの時があくまでも初対面でしたので、下手なことを言わせてしまうとユミルを怖がらせたり、キリトに無用な警戒心をあおる羽目になってしまうからです。
そう言う展開も考えはしたんですが、何しろもともとのRohではユミルの“王子様”として存分に「キリトさんカッケエエエエエエエエエェェェェェェ!!!!」をしてくれた彼ですし、何より相手は小動物的な可愛さたっぷりの女の子(?)。そんな子に彼が初対面できつく当たるなんてあり得ない!と思ったため、少しソフトな言い回しで、うまくその後のユミルの本音を聞き出してもらいました。さすが攻略組()
次は、エギル。
彼の今回の役目は全体を円滑に進めるための情報と資材の提供ですねw
実はユミルとあのダンジョンに挑むことが決まった時一番初めにどうするか困ったのは、そのままにしておくわけにもいかないユミルの装備をどうやって整えるかでした。
何しろユミルは低層域のプレイヤー。上層域のダンジョンに挑むだけの装備をそろえるには何もかもが足りません。リョウのストレージから出すことも考えましたが、そうそう都合よく都合のいい装備が入っているってのもおかしい。そこで商人であるエギルの出番。というわけです。
彼のような商人キャラというのは、良くも悪くもリソースが重要な意味合い持つMMORPGというSAO特有の世界観において、それらを手っ取り早く管理する理由としてはとても便利な存在だなと改めて認識したりしました。
因みにですが、エギルの「誘拐云々」の言い回し、あれはチェックの時に木野下先生から提案していただいた言い回しです。明らかにボロボロな子供を連れたそりゃそうとしか見えませんよね(笑)
次に……ハーライン。
彼はもう……あれですwギャグ要因ですw
ってのは冗談で……いやまぁギャグ要因でもあるんですが、それだけではなく、今回は割と優秀な彫金師という部分にもスポットを当ててみました。
最近のRPGには、アクセサリーという要素が不可欠になってますよね?ステータスに、手っ取り早くピンポイントな要素を付加できる必須アイテム。もし自分がSAOの中にいたら、ハーラインのような職種の人には相当お世話になってしまうんだろうなと思います。今回もそうですが、特定の条件下でダンジョンを攻略したりするとき、ハーラインのように即座にそれに対する対応策を作ってくれるキャラクターは、とても便利なんです。
特に今回は“チョイムズ攻略”がテーマでしたし、そういう意味で木野下先生側にいたこのハーラインというキャラクターは、とても便利でした。
次は……リズベットこと、リズ。
今回も全力で姉御っぷりを発揮してくれました。戦士達だといまいち脇役の域を出ないリズも、Rohだとユミルに大切なことを教えてくれた重要なキャラクターの一人です。
今回はそれに倣い、ユミルの初めての人間のフレンドという、重要な役割を担ってもらいました。
およそ気分の暗さが目立っていたユミルにあって、リズとのコミュニケーションは少しずつ雰囲気や話し方を変えていくきっかけにもなっています。姉御肌は偉大なのですよ。
サブキャラ最後として、サチさんを。
彼女は今回、要所で大事なきっかけを作ってくれるキャラとして扱いました。サンドウィッチで最初のユミルに歩き出す力をくれたり、ユミルが量を信用する最初のきっかけを作ってくれたり、リョウへのメッセージで彼に考えるきっかけをくれたりと、小さいですが物語として大事なサポートをしてくれていました。
さて、次は、メイン二人と参りましょう。
お先にリョウ。
こいつは今回、まだ未熟な時代の彼として全体的に描きました。普段彼が力技で圧されるシーンを描くということはそんなにないのですが、今回は時間制限に冷裂無しという制限もつけて、大分レベルも低い状態での戦い。全体的にピンチも多めで、ボス戦では押しつつ押されつつなちょっといつもほど余裕の無い戦闘にしてみました。
彼がパ二クってる時は演技か本気かの二種類があるのですが、今回は結構本気で焦ってました(笑)
今回のリョウはユミルの先生的な役割も担っています。が、これが問題なのは、彼は実は案外こういう時不器用といいますか……自分の言いたいことを言葉にするのにやや苦労しています。ユミルの印象では色々なことができる器用な人のようになっていますが、実はまったくそんなことはないのです。器用ぶってるだけです(笑)
そして今回の主人公兼メインヒロイン(?)、ユミル。
まだ無垢だったことの彼を書くのは以前書いたドライユミルを書くよりも大分勝手が違ったのですが、それでも根幹にある部分が同じであったり、むしろそのあたりを素直に書くことが出来たので、楽しかったです。
情にもろく、感情の起伏が大きいこのユミルは原作のほうでもたくさん出てきていましたが、その多くが死神ユミルだったので、今回はやや明るい方面の起伏メインで描かせていただきました。
物語上の保護対象としてもヒロインとしても、申し分ない子でしたね(笑)
全体を通してこの物語の中で彼は原作のRohで学んだことと同じようで違うことを一気に学んでいくことになったわけですが、最終的に行き着く結論は大きく言えば同じ場所に行き着きます。
というのも実は今回の物語、コンセプトとしてはRohの原作のほうに近いものがあります。Rohは全体として、一人の少年(少女?)の成長を描くことを根幹に据えた物語ですよね?これもそうなんです。
たとえ初めから結果が変わるとわかっている此方の物語の中でも、原作にあった成長を無碍にすることはしたくありませんでしたし、それはユミルという人物がこの先もSAOの中で生きていくことを(描写はされませんが)見据えたとき、必須条件だと思いました。
なので基本的なコンセプトとしては「ユミルの成長物語」となります。
唯一違うことがあるとすれば、それは学ぶ期間やタイミングが早いか、遅いか。最後のユミルは、Rohで描かれていなかったその後のユミルの鱗片を少しだけ描いたつもりです
きっとあのまま物語が進めば、あの世界のSAOは原作とは違った動きを見せてくれることでしょう。グリームアイズと戦うユミル、なんてシーンも、あるのかもしれないですね(笑)
ちなみに、ユミルを書くときは基本的にはほとんどを木野下先生のチェックの元で書き直したりしつつ行っていたのですが、その時先生に言明されたのは「あざとくしないように!」でした。
あざとくない、けれど可愛い!!そんな彼を書きたくて、あざとい物とそうでない物の境目。新たなる表現の境界線を探すことになったキャラクターでもありました(笑)
最終的には結論に行き着くまでを一つの流れとして楽しくかけたなと思っています。
皆さんには、楽しく読んでいただけたでしょうか?もしそうであったら幸いですw
さて……
見ず知らずの人に優しくする人間というのは、この世界には決して多くはありません。傷つけられる、助けてもらえない、自分で何とかしろ、そんなことは人生の中では冗談抜きに日常で、それが当然であることを最近になってようやく鳩麦も本当の意味出来はじめました。
同時に、それを乗り越えられるのがきっと、カッコいい大人なんだとも思い始めています。
それでもせめて、子供に位は、少しくらい優しくても、甘くてもいいんじゃないかな?そんな鳩麦の妄想に付き合ってくれたこのキャラクターたちと、木野下先生、そしてここまでたどり着いてくれたすべての方々に、改めまして万感の感謝を送りまして、この物語を締めとさせていただきます。
今回は、本当に……
リョ「ありがとうございましたぁ!!!」
ユ「あ、ありがとござい……」
リョ「おらユミル、声小せぇぞ!」
ユ「え、えぇっと……」
……てめぇらそこになおれぇ!!!!
END(あとがきに小ネタがありますw)
2015年5月4日 鳩麦
後書き
小話ネタ
「犬も歩けば棒に当たる」
実はこの言葉は「でしゃばるとひどい目にあう」なんて意味と同時に「思いがけない幸運にめぐり合う」という意味もあります。
リョウがことの木ユミルにこれを言ったのは、暗に「お前は運がいいほうだ」という意味を含んでいます。実にわかりにくいですね(笑)
タイトル。
五話ある今回のサブタイトルは、全てRohにあったサブタイトルを元にして考えましたw
どれがどれだか、わかるかな?
実は今回ずっと、木野下先生のポリシーに倣って自分の中で一曲、テーマソングを決めて全体の話を考えました。
曲は《ideal white》。たぶん知っている人もいるとおもうので、ぜひ一度聞いていただけると。
ほかにもどこかにネタがあるかも?
ではっ!
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