転生とらぶる
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機動戦艦ナデシコ
1294話
「……何だ?」
今、俺の目の前で起きた出来事が理解出来なかった。
ビームマシンガンから放たれたビーム弾は、間違いなく双胴艦へと向かって飛んでいった筈だ。
自慢じゃないが、俺の操縦技術は高い。それも一流や超一流と呼ばれているパイロットと比べても異常な程に。
PPやレベルアップによる各種ステータスの上昇、幾多もの戦場を潜り抜けてきた経験値といったものが組み合わさった結果、洒落にならないだけの実力をこの身に宿している。
それは、以前にハガネやヒリュウ改といった、それこそ超一流と表現すべきパイロットの集団を相手に幾度となく俺個人で渡り合ってきた実績が示している。
しかも、今の俺はあの時よりも更に強さを増している。
唯一の違いと言えば乗っている機体だろうが、ミロンガ改はグロウセイヴァーやニーズヘッグより性能は低い。けど、決して二線級の機体という訳ではない。
そもそも、シャドウミラーの技術班が改修したのだから、その辺は考えるまでもないだろう。
つまり、今ミロンガ改のビームマシンガンから放たれたビーム弾があらぬ方向へと強制的に曲げられたのは、双胴艦側が何かをしたという事。
ナデシコについての能力をある程度理解している俺は、それを知っていた。
そもそも、双胴艦がナデシコの武器でもあるグラビティブラストを使ったのだから、盾でもある装備を持っていないと考える方がおかしいだろう。
即ち……
「ディストーションフィールド、か」
そう、ナデシコの持つ万能の盾……と呼ぶには物理攻撃に対する弱点とかちょっと多いけど、それでもバリアとかがない連合軍に比べれば圧倒的な防御力を有するそれ。
「厄介な」
勿論ディストーションフィールドを張っていても、ミロンガ改なら……そして俺ならどうにかする事は出来る。
無難なところでは精神コマンドの直撃。……ただ、これはウリバタケとエリナに後で詳しく聞かれると誤魔化すのが難しくなる。コミュニケもあるしな。
または、これまで俺が戦ってきたバリア持ちの経験から考えると、バリアの想定以上の威力の攻撃であればバリアを破るのは難しくない。
だが、こっちも却下だな。ニーズヘッグやサラマンダーであればまだしも、ミロンガ改の武器はビームマシンガンだ。……いや、リミッター解除を使えばいけるか?
ただ、リミッター解除はその言葉通り、普段は押さえているスペックを限界を超えて酷使する事になる。
これが整備技能を得ている量産型Wや技術班の人員がいるのならともかく、ここには当然そんな奴はいない。
つまり、整備をするにはウリバタケの手を借りる必要がある。
ミロンガ改の深いところまでを奴に教えるというのは、今のところ考えていない。
かと言って、リミッター解除を使いながら整備をしないという選択肢は存在しない。
そうなると、残る手は……ビームでも重力波砲でも、リミッター解除でもない選択肢。
「エナジーウィング、か」
勿論、ディストーションフィールドがエナジーウィングから放たれる刃状のエネルギーをも防ぐという可能性は十分にある。
だが、もし上手くいけば、これからミロンガ改は木星蜥蜴に対して絶対的なアドバンテージを得る事が出来る。
試して見る価値はある、か。
ビームマシンガンでこっちに近づいてくるバッタを撃破しながら、一気に双胴艦との距離を詰める。
そうしてディストーションフィールドのすぐ近くまで到達すると、エナジーウィングから刃状のエネルギーを射出する。
放たれた刃状のエネルギーは真っ直ぐに飛んでいき……ディストーションフィールドに弾かれたり進行方向を曲げられたりせず、双胴艦の装甲へと命中する。
「効果あり、か。威力はまだ足りないが……それでもこの近距離で撃ち続ければいずれ装甲を貫いて内部にダメージが与えられる筈だな。他の双胴艦からの攻撃も止んだし」
ここまで双胴艦に近づけば、他の双胴艦も迂闊に俺へと向かって攻撃を仕掛ける事は出来ない筈。
寧ろ、双胴艦の攻撃力が高いからこそ……と、そんな事を思っていたのだが、次の瞬間近くにいた別の双胴艦からミサイルが発射される。
いや、ミサイルだけではない。ビームや重力波砲というだけではなく、どこか見覚えのある砲口が……って、レールガンか!?
この世界ではまだ研究途中の兵器であるレールガンだが、SEED世界では一般的だし、ギアス世界で使われている銃も原理は似たような物だ。
今双胴艦が俺の方へと向けている砲口は、それらに似ている印象があった。
ちっ、厄介な真似をする。
放たれたミサイルはジャマーでどうとでも出来るが、レールガンの方は受け止めるか回避するしかない。
勿論ミロンガ改はEフィールド、G・テリトリー、ブレイズ・ルミナスといった3つのバリアがある。
普通に考えればレールガン程度当たっても意味はないだろうが、それでもわざわざ攻撃に当たるような真似はしたくない。
そんな訳で、俺はエナジーウィングから放たれる刃状のエネルギーで双胴艦を攻撃しながらも、一ヶ所に留まる事はなく周囲を動き回る。
もっとも、同じ場所に攻撃を続けざるを得ない以上、それ程動き回れる範囲は広くないのだが。
レールガンやらミサイルやらレーザーやらを連続して発射してくる中、俺はひたすら攻撃を回避しながらエナジーウィングの刃状のエネルギーを撃ち込んでいき……やがて、限界が訪れる。
双胴艦の装甲を削りきり、その内部へと刃状のエネルギーが流れ込んでいったのだ。
ディストーションフィールドと厚い装甲による防御力は高い双胴艦だったが、それを抜かれてしまえばどうしようもなかったらしい。
内部隔壁とかがあれば、もしかしたら話は別だったかもしれない。
だが、そんなのはなかったらしく、また艦内部にあった可燃性の物質や動力炉辺りに被害でもあったのか、双胴艦は内部から破裂するようにして破壊されていく。
「次!」
双胴艦の爆発の衝撃を利用し、一番近くにいた双胴艦へと向かう。
爆発の衝撃を利用してはいるが、Eフィールドによって機体にダメージは受けていない。
……ただ、木星蜥蜴による攻撃よりも双胴艦の爆発の方がEフィールドに大きな負荷を与えているというのは、正直どうかと思うが。
『ナイスだアクセル! その調子で他の4隻も頼むぞ!』
次の双胴艦へと向かっていると、リョーコからの通信が入る。
その通信ついでに周囲の様子を確認すると、そこではエステバリス隊5機がバッタを相手に無双を行っていた。
リョーコがバッタに対して近接戦闘を挑み、バッタの攻撃がそのリョーコに集中したところでヒカルとイズミの機体による援護射撃でバッタを破壊していく。
やってる事は、ぶっちゃけサツキミドリ2号での模擬戦でヤマダを囮にした時とそう変わらないのだが、勿論大きく違う場所はある。
最も大きな違いは、やはり囮役をやっているリョーコが仲間との連携をきちんと考えている事だろう。
模擬戦の時のヤマダは、そんなのは関係ないと自分だけで突っ込んで味方との援護は丸っきり考えていなかったが、それと比べると今のリョーコ、ヒカル、イズミのコンビーネーションは阿吽の呼吸と言ってもいい。
また、ヤマダの方も以前とは違う。
こっちはテンカワとコンビを組んでバッタを倒している。
ヤマダがエステバリスの拳でバッタの群れを撃破しながら進んでいき、その援護としてテンカワがラピットライフルを使い弾丸を放つ。
やっているのはリョーコ達とそう変わらないのだが、やっぱり連携の拙さは幾らか出るらしく、どこか危なっかしいようにも見える。
……にしても、エステバリス程の小型機で肉弾戦をやっても平気なんだな。
いや、今までも同じような場面は見ているんだけど、つくづく思う。
同じような小型機のKMFは殴り合いとか出来ないんだが。
こっちでは拳にナックルガードみたいなのが付けられており、普通にバッタを殴って撃破している。
何だか、色々な意味で物凄い戦い方をしているな。
それでもそれぞれ連携が上手い具合に噛み合っている辺り、何だかんだで強くなっているんだろう。
実際、サツキミドリ2号を出発してからここまで約2週間、エステバリス隊の連中はシミュレータを使って訓練をしてたしな。
エステバリス専用のシミュレータである以上、ミロンガ改のデータは当然入ってないので俺は何も出来なかったが、その間にもエステバリス隊の面々は訓練を重ねていた訳だ。
まるでこの2週間の成果を見せるかのように戦っているエステバリス隊を眺めつつ、俺は次の双胴艦への攻撃を開始する。
こちらに向かって飛んでくるレーザーやレールガンの砲弾を回避しながら、エナジーウィングから放たれる刃状のエネルギーを同一ヶ所へと向けて命中させ続ける。
双胴艦のAIが、このままでは自分達も先程同様にやられると判断したのだろう。今までと比べても更に強力な一撃をミロンガ改へと向けて放ってくる。
「っと!」
だが、その攻撃を回避するのは難しい話じゃない。
それこそ、無人機故に一定以下の技量の相手には無双出来るのだろうが、それは逆に言えば一定以上の技量の持ち主に対してはそれ程効果的な攻撃を行えない事を意味している。
この辺はメギロートとかのAIと大して変わらないよな。
勿論AIとしての性能差というのはある。
特にシャドウミラーで使用している無人機のAIは、ゼ・バルマリィ帝国が何十年、何百年といった戦闘経験を蓄積させてきたAIだ。
木星蜥蜴のAIは、残念ながらそこまで優秀という訳ではない。
……まぁ、スペック的にはメギロートよりも双胴艦の方が攻撃力が強いとかはあるけど。
出来れば、メギロートやイルメヤなんかにもグラビティブラスト……とまではいかないが、もう少し強力な武器を付けたい。
ただ、生産プラントの方の問題で大きな改造は出来ないんだよな。
マクロス世界から戻ってきてから、一時期メギロートに重粒子ビーム砲を付けられないかと見当したけど、結局技術班に却下されたし。
いや、それはそれで当然だと思うんだけどな。俺だってそのくらいは分かる。
「っと、2隻目!」
2隻目の双胴艦が内部から火を噴きつつ爆破したのを確認し、すぐさま次へと向かう。
残り3隻。こうして見る限りだと、俺が双胴艦を全滅させるのとエステバリス隊がバッタやカトンボ、チューリップといった双胴艦以外のどっちを撃破するのかは……競争といったところか。
そんな風に考えつつ、俺は3隻目の双胴艦へと向けて牽制の意味を込めてミサイルを発射するのだった。
……結局その後、残り3隻の双胴艦を纏めて撃破した後で、まだチューリップが何隻かとカトンボが7隻程残っていたのをエステバリス隊と協力して撃破し、ナデシコへと戻るのだった。
「お疲れさん。……あの双胴艦はどうだった?」
コンテナから格納庫へと戻ってきた俺へと、リョーコが声を掛けて俺の方へと何かを放り投げてくる。
ナデシコはそのまま格納庫に入る事が出来るから、どうしても俺よりも早く機体から降りられるんだよな。
まぁ、そんなに差がある訳じゃないけど。
リョーコから渡されたのは、飲み物の入っているペットボトル。……ただ、ここが格納庫だというのを考えてかストローで吸うようになっている奴だ。
「悪いな」
受け取り、ストローに口を付けると、口の中にスポーツ飲料特有の甘みが広がる。
「で?」
双胴艦についての事を促され、少し考える。
「そうだな……エステバリスで直接ディストーションフィールドを破るってのは、無理とは言わないけど、かなり難しいと思う」
「ちっ、やっぱりか。お前の機体でもビームマシンガンは全く効果がなかったからな」
「ビームサーベルも、な」
一応ビームマシンガン以外にビームサーベルも試してみた。
だが、ディストーションフィールドに触れると、当然のようにビームサーベルの刀身も曲がってしまう。
どうしてもビームサーベルで攻撃をしたければ、ディストーションフィールドの内側に入り込む必要がある。
それこそ、システムXNとかを使って。
「そっかぁ。……そうなると、暫くあの双胴艦が出て来たらアクセルに任せるしかないのかぁ……」
「自分で自分のやるべき事をやれば、それは即ち生への道筋よ」
「……まだハードボイルドぶりっこしてるんだ」
ヒカルとイズミのやり取りを聞きつつ、テンカワとヤマダもこっちへと近づいてくる。
武器の攻撃力が高ければ、一気にフィールドを貫通したりも出来るんだけどな。
そんな風に考えていると、不意に艦内放送が聞こえてきた。
『ナデシコはこれより、火星へ降下します。地上で待ち構えているだろう後詰めを撃破する為にグラビティブラストを使用するので少し揺れますが、問題ありません』
「メグミ!」
恋人の声に、ヤマダが嬉しそうに叫ぶ声が聞こえてくる。
それを聞きながら、コミュニケを使ってナデシコの外の映像を映し出す。
「キラキラ光ってるけど……あれって何?」
「ああ、あれはナノマシンだよ。あのナノマシンのおかげで火星に移住出来るようになったんだ」
「へぇ、詳しいねぇ」
ヒカルとテンカワのやり取りを聞きながら、微妙に嫌な気分になる。
……どうしてもナノマシンってあまり好きになれないんだよな。
俺のそんな思いとは裏腹に、ナデシコは火星にグラビティブラストを撃ってから降下に成功するのだった。
後書き
アクセル・アルマー
LV:43
PP:405
格闘:305
射撃:325
技量:315
防御:315
回避:345
命中:365
SP:1415
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
努力 消費SP8
集中 消費SP16
直撃 消費SP30
覚醒 消費SP32
愛 消費SP48
スキル:EXPアップ
SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
念動力 LV.10
アタッカー
ガンファイト LV.9
インファイト LV.9
気力限界突破
魔法(炎)
魔法(影)
魔法(召喚)
闇の魔法
混沌精霊
鬼眼
気配遮断A+
撃墜数:1188
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