おぢばにおかえり
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第二十六話 困った子ですその二
「一番上の妹より年上の弟を?」
「そうそう」
「何ならお婿さんにね」
「それは飛躍し過ぎでしょ、話が」
流石にそこまで言われると、でした。
「幾ら何でも」
「けれどちっち、あれよ」
「あれって?」
「人をそう邪険にするのはよくないわよ」
「ねえ」
「それはわかってるわよ」
幾ら私でも。けれど言われてみると。
「それでもね、あの子のいい加減さは」
「それを教えてあげるのがおみちでの女の人の役目でしょ」
「違うの?」
「それはそうだけれど」
皆どうしてここではこんなに正論なんでしょうか。
「ううん、それじゃあ」
「短気は損気」
「はらだちは抑えてね」
「わかったわ」
仕方なく頷きました。
「それじゃあ。そうするわよ」
「素直で宜しい」
「何だかんだ言ってそうするんじゃない」
「仕方なくよ」
腕を組んでむすっとした顔になっているのが自分でもわかります。
「それはね。けれど彼ねえ」
「どうしたの?」
「背高いのよ」
今度はこのことを皆に言いました。
「それも私より二十五センチ以上はね」
「じゃあ一七五超えてるんだ」
「大体一七七かしら」
ちょっと見たところそれ位です。
「もう見上げる位なのよ。背が高いのって羨ましいわ」
「何かちっちって特撮ものに出たら大変そうね」
「そうね」
また皆から言われました。
「それだけ小さいよね」
「あれじゃない?菊地美香さん」
戦隊ものに出てらした方です。この人はかなり小柄で私と同じ位の身長です。つまりかなり低いです。今観たら他の人との身長差がかなりでした。
「あの人みたいな感じになるわよ」
「絶対そうなると思う」
これは私の言葉です。
「自分でもそう思うわ」
「その一年の子はかなり高いしね」
「おぢばの女の人って皆かなり小さいからね」
「特にちっちは」
「特になの」
自覚していても言われるとやっぱりいい気はしません。
「私の小柄なのって」
「誰がどう見ても低いしねえ」
「小さいじゃない」
「それでもあまり言われたらいい気しないんだけれど」
「まあまあ」
すぐに宥められました。
「小柄でも女の子はそれがかえって人気出るから」
「男の人でも藤井フミヤさんなんか小柄じゃない」
そういえばあの人はかなり小柄です。昔の映像なんか観ていたらいつもセンターでかなり前に出ています。小柄なのを隠す為でしょうか。
「別に気にすることないわよ」
「ちっちはスタイルだっていいしね」
「胸ないわよ」
自分でも自覚していることです。
「言っとくけれど、それは」
「だから。スタイルは胸だけじゃないんだって」
「北乃きいちゃん見なさいよ」
最近よく見る女優さんですけれど見る限り背は高くないです。けれど全体的なスタイル、とりわけ足が凄く奇麗です。見ていて惚れ惚れする位に。
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