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とある3人のデート・ア・ライブ

作者:火雪
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第5話 これが全ての始まりだった。

 
前書き
今週は忙しくて1話しか書けなかった…… 

 



その日から、三人は研究に打ち込んだ。



特にアレイスターは僅か数日で新たな文字や数式を生み出し、今の魔法式を根本から書き換えていった。

しかし、それはかなり膨大な量になる。

魔法には沢山の種類があり、それは十万冊にも及ぶと言われている。

三人は毎日図書館に篭っては片っ端から本を取り出し、そこに掲載されている魔法を別の紙に書き換えていく。

アレイスターとソフィは天才ゆえの努力家だったのでペースも速く効率がいい。

しかし、

私は才能のみでここまで上がってきた人物。

本も一回見ただけで覚えてるし、他人から教わった魔法も本物同然のように使えるし、数式も十桁×十桁の計算も暗算で出来てしまう。

″努力する必要が無かった″彼女にとってこれは苦痛でしか無かった。

柑果「ハァ、疲れた……」

ソフィ「……って、まだ私の半分もやってないじゃない」

柑果「いつもこんなのしないよ私……」

ソフィ「なになに?才能の塊の貴方は努力する必要が無いって言いたいの?」

柑果「…………………………まぁ」

ソフィ「酷っ!?ちょっとちょっと!アレイスターは何か思わないの?」

アレイ「僕はそうは思わない」

ソフィ「むむ……」

どうやらソフィに味方はいないようだった。

アレイ「…………?」

と、アレイスターが何かに気づいたようだ。

ソフィ「なになに、アレイスターどうしたの?」

アレイ「もしかしてこれは……」

柑果「どうしたの?」

アレイ「…………………いや、何でもない」

柑果「???」

ソフィ「……」

アレイスターの言葉に柑果は首を傾げるしか無かった。


ーーーー
ーーー
ーー



だけど偶には息抜きは必要だ。

私とソフィは学園内の噴水広場で自動販売機で買ったお茶を飲みながら座っていた。

ソフィ「……意外と疲れるわね」

柑果「……本当にね。アレイスターはよく休憩無しでやれるな」

ソフィ「まあまあ、それが彼の凄い所よ。惜しまない努力によってここまで乗り詰めて来たと言っても過言ではないわ」

柑果「……そうなんだ」

ソフィ「柑果が才能だけで来たなら、彼は努力だけで来た。私はその間くらいかな。才能を開花させるために努力した。柑果には分からないでしょうけど」

柑果「……そうだね」

ソフィの言葉に何とも言えない気持ちが込み上げてくる。

自分にこの才能が無かったら今頃近くの学校でダラダラ過ごしていただろう。

それをこの才能は変えてくれた。

それを喜ぶべきか、悲しむべきなのかは私にはよく分からない。

それでも、今の時間は大切にしていいんじゃないかなと思う。

授業の大半は理解出来ないし、だけど暗記と計算だけは簡単に出来てしまう。

友達も少ないし、将来こんな風になりたいとかも無い。

だけど、もう変えられないから。

あの日から私は運命のレールに乗ってしまったのだ。

脱線してしまえば私はもう取り返しのつかないことになるかもしれない。

どこかで道を間違えれば奈落の底へ突き落とされるかもしれない。

だから。





この時間を大切にしたい。






私はそう思った。



ーーーー
ーーー
ーー



ソフィ「さてさて、そろそろ教えた方がいいかもね」

柑果「……ん?」

と、ソフィが笑みを浮かべながらこちらを向いた。

ソフィ「柑果は魔法を創るのが苦手だろう?」

柑果「うん。殆どの魔法は理解せず使ってるからね」

ソフィ「そこで」

柑果「うん?」

ソフィ「君に私の魔法を一つ教えてあげようと思ってね」

何をどうしたらその結論に至ったのだろう。

柑果「……どゆこと?」

軽く聞くと、ソフィは反して表情が固くなり、目線が鋭くなった。

ソフィ「……私たちは新たな魔法のりろんを組み立てた。大体彼がやったけど、それでも私たちが手伝ったことには変わりないの。それだけでかなりの功績物なのに、彼は『もう一つの法則』を見つけてしまった」

柑果「え!本当!?」

ソフィ「恐らくね。これも完成させてしまえば反乱が起きるかもしれない。 だって、もしかしたらアレは……」

柑果「……アレは?」

と、私が問うとソフィは口を閉ざした。何か言いにくいのだろうか……。

そう思っていたが、彼女は覚悟を決めたように私の方を向いた。

ソフィ「この世に『科学』があるのは知ってるわよね?」

柑果「……うん。この世の魔法学校以外の殆どの建物は『魔法』じゃなくて『科学的』に建てられているし、エレベーターや冷凍食品も元を辿れば『科学』なんだよね?」

ソフィ「そうそう。そしてそれは魔法とは対を成す物で、基本的には対立関係にある」

柑果「そうだね。『魔法』を専攻している人は『科学』を手伝うことすら許されないもんね」

ソフィ「だけど彼はそれに手を出そうとしている」

柑果「……え!?」

ソフィ「きっと政府はこう思うでしょうね。『アレイスターは科学に手を出して、柑果とソフィはそれを手伝ったと』」

柑果「そんな……」

本当に科学に手を出していれば十中八九そうなるだろう。理解力が無い柑果でも簡単に想像がつくのだ。アレイスターならこんな事も当然分かっているはず……

柑果「アレイスターは私たちを利用したの?」

ソフィ「……可能性としては否定できないわ。もしかしたら研究に没頭し過ぎてそこまで頭が回っていないだけかもしれないし……」

柑果「……」

ソフィ「そこで私たちは冤罪を掛けられるわけだけど、最悪聞いて貰えなかった場合に備えて君にある魔法を教えてあげる」

柑果「それがさっき言ってた魔法……?」

ソフィ「そうそう。それはねーー」




その魔法のせいで。


後に*****と呼ばれる、この世界の元凶になろうとは。

私も。ソフィも。

思っていなかっただろう。







 
 

 
後書き
そろそろ誰か分かってきたかも……? 
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