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黒を纏う聖堂騎士団員

作者:櫻木可憐
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23.マルチェロの依存

誰しもが息をのみました。
エイトは小さく息を吸い、話を進めてくれました。
こんな時に冷静なエイトがかなり優秀です。

「だとして、どうするの?
監禁でもするの!?死なないように!?
そんな真似僕らには出来ない」

「あの女を始末すればいいのよ!!
クロノスが不自由する理由なんてないわ」

「あぁ、そんな単純な話なのか?」

「バカか。宗教での団体行動は危ないから、あの女が単体で動いているだけだ。
まるごと捕まえるのが先だ」

クロノスは言いたい意見を言えないまま、その場が過ぎていきました。
けして軽々しく言える意見ではなかったのです。
結論が出ないまま話し合いは過ぎ、城の兵は戻り始めたため、マルチェロはトロデ王と部屋を共にするはめになりました。
トロデ王とマルチェロは散々嫌がりましたが、クロノスとゼシカとミーティア姫の圧力に負けました。

「極悪非道なマルチェロがクロノスを誘拐したと話題になっとおったわい!!」

「居るだけで役に立たない王が何をいう。
サザンピークと戦争になるかも知れない中で結婚を取り止めにするなどバカか!!」

「娘をあんな王子に渡してなるものか!!」

など、騒がしかったのですが何かで仲良しになれたのか、静かになりました。
実はトロデ王が巨大な本をマルチェロに投げ飛ばしたのですが、それは見なかったことにしましょう。
そんな時、エイトはクロノスに会いに行っていました。
ゼシカやミーティア姫はその場から離れてもらい、二人っきりという浮気やろう。

「あはは~クロノスは元気?
マルチェロはトロデ王と仲良しになった頃だよ」

「無理して笑わなくていい。
考えていたんだろ?神 エリスの殺し方を。」

「うん。そうだけど、君が死ぬのが条件になる。
マルチェロが言うように宗教まるごとおさえる手もあるけど・・・・・・
何の信者になろうが罪にはならない。
それに居場所もわからない。」

「・・・・・・だから私が魔法陣で死ねばいい。
エリスを倒せるなら。または私を殺し、ザオ系をかけなければいい」

それは確かに良いのでしょうか?
ダメでしょうね。ザオリクをかけずに再生不可能になるのは、絶対の死を間接的に意味する可能性があります。
この場はあまり深く考えるのはやめましょう。

「それよりマルチェロさんが気になるんだ」

「なんだ?あれがまさかククールに優しくしたか?
明日は槍が降るのかな」

「それが・・・君に依存しているみたいなんだ。
死の魔法陣の気にあてられて、その場にいた君を失いたくないと感じたらしい。
本人は自覚ないけど。」

意外な心配ごとにクロノスは目をぱちくりさせました。
依存ぐらい気にしなくていいのではないでしょうか?
いえ、もしエリスを倒すためにクロノスを殺すなら、マルチェロを敵に回すことになります。

「マルチェロが私に・・・依存・・・」

「普通だよ。死を感じたから失わないための、本能として生きているんじゃないかな。
わからないけど。
クロノスはマルチェロさんが・・・好き?」

「あぁ、好きだが」

「・・・・・・うん、意味が違うかな。
恋、したことある?」

「マイエラ修道院で恋なんてあるか!!
ハゲしかいないぞ。ククールはいらん。
それにマルチェロは兄って感じが強い。」

兄、妹、弟。
マイエラ三兄弟ですか。串刺しにはされていない兄弟。
キャラが濃いメンバーですね。
炎上演説で世界征服 M字頭は誰にも負けないマルチェロ。
君の瞳はオレのもの 若白髪もオレのものククール。
ムチを持ち男を踏み台に 女を捨てた肉食獣クロノス。

「変なもの作らなくていいよ、クロノス・・・・・・」

「エイトもほしいか。」

君のたねは僕のもの 僕のたねは僕のものエイト。

「ククールと変わらないじゃん。
それとリサイタルはしない主義だから。」

決まりだ!5008年のマダンテ女王ゼシカ!!

「それは似合う。」

「かわいいな。ゼシカはいつでも。
胸に男は惹かれるのか。
私にはあまりないからな、胸。」

貧乳の方が服が似合います。
巨乳はデカイ胸でギリギリシャツを着てみましょう。
その辺の男子が落ちます。
ククールが瞬殺で落ちます。いりませんが。

「エイト、とりあえず私は死ぬ気はある」

「そうならないようにするんだ、僕らは」

エイトは微笑んで部屋を去りました。
無理して笑い、クロノスの不安を取り除きたいのがよくわかります。
それはククールもマルチェロも同じでした。
あとから部屋を訪ねたのはマルチェロでした。
トロデ王の地獄から抜け出したようです。
兵に見つからないとはさすがです。

「マルチェロ・・・どうした?」

「いや・・・・・・」

さみしいなんて言えないマルチェロは、代わりに会いにきました。
依存に気づいたマルチェロは、クロノスをどう見ればいいかわからないようです。
機嫌が悪そうに近づくマルチェロを見てクロノスは、なんだか豆を投げつけたい気分でした。
鬼ですか、マルチェロは。

「クロノス、私はどうやら・・・・・・
フッ・・・本来ならゴルドの際に捕まえればよかったものを。
借りがあるな。
クロノスの傍に次にあの女が来たら始末する。
それと・・・いい加減男装をやめたらどうだ」

いい場面ですこしKYな気もしますが、マルチェロの精一杯ですので何も言いません。

「やはりマルチェロも胸か。私はないぞ。
ゼシカでも見ていればい・・・」

マルチェロはクロノスの話を半分も聞いていません。
それどころか抱き締めているという異様な光景でした。
クロノスの心音が聞こえる度にマルチェロに安心感を与えました。

「大丈夫だ。死なないよ。オディロ院長のあとは追わないから。
ククールと三人で老いていこう。
エイトやゼシカもいる。指名手配だろうが、私たちなら大丈夫だから。」 
 

 
後書き
やっと恋愛要素きた。 
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