ソードアート・オンライン~共鳴の宴舞台~
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SAO:アインクラッド〜共鳴しあう絆の中で〜
雪山探索編 その二
前書き
一行でわかる前回のあらすじ
囮にしたはずのフォルテが突撃してきて落ちた。∑(゚Д゚)チガウヨウナアッテルヨウナ
「うあぁぁあああ!!データ消えたあぁぁぁ……」
「メタい!?」
はい。まぁ、そんなわけです。
それはさておき。
「うあぁぁあああぁぁぁぁあああああ!?」
「わーなんかサイレンみたいですねー」
「現実を見なさいフォルテぇぇぇええ!!」
「まぁ、大丈夫です」
龍の巣穴に落っこちた二人。
このまま地面に突撃すれば確実にHPは0に到達する。
が、
「出番です。いけっ!モ⚪︎スターボール!」
「ねぇそれセーフ!?」
フォルテがコートの内ポケットから青と白の小さなボールのようなものを下に向かって投擲した。
くるくると回転しながら落ちていくボールは、それなりに距離が開いたところで一気に膨らんだ。
まるで風船、バルーンのように。
「よし……大丈夫ですか?リズさん」
「あわわわわ……」
「……リズさーん?」
「あはははは……」
「壊れた……ッ!」
閑話休題(←この頃これにハマってます)
なんとか落ち着いたリズベットは、自分の座っている下、足元を指差して恐る恐る口を開く。
「これ、バルーンホエール……よね?ここに出現するなんて聞いてないし、まず攻撃してこないし……ねぇフォルテ、ちょと、ちょっとこっちおいで」
「…………ハイ」
「説明しろ?」
「いい笑顔で拳握らないでください怖いです!」
説明中……
説明中……
説明中……
おわり。(このネタわかる人いるかな)
「ま、事情はわかったわよ。秘密にしといたげる」
「ありがとうございます」
「あんたもつくづく運がいいわね。ビーストテイマーなんてあたしも一人か二人しか知らないし」
「それについては本当に同意しますね。……っと、着いたみたいですよ。くじら、ありがとう」
「そういえばこの子どこにいたの?飛んでたの?」
「あ、空気出してちっちゃくさせて、内ポケットに入れてました」
「ふんっ」
「ストップ!ここ!圏外!暴力!反対!」
わーぎゃー騒ぎながらなんとか目的地到着。
そこまで苦労もせずクリスタライトインゴットは見つけることができたのだが。
「……リズさん? ほら、これですよね? 見つけましたよ?」
「うん、あの、ほら、私ちょっとアイテムいっぱいになっちゃってさ、あんたが持っててくれないかなぁ……?」
「上にアイテム化させたロープ置きっぱなしじゃないですか」
「え、あれフラグだったの!?」
「まぁいいですけど……」
「なんて意味のない伏線……」
二人ともなんとなーく腑に落ちない感じではあるがなんとかクエスト目標は達成することができた。
あとはここから戻ればいいだけの簡単なオシゴ(ry
なのだが。
「リズさん、これどうやって戻るんです?」
「あんたのくじらじゃ無理なの?」
「くじらは落下ダメージは無効にさせてくれますけど、浮遊や飛行はできませんよ」
「まじかぁ……またあれやんのかな……」
「あれ、とは?」
「その前に一つ質問。あんたさ、これ走って登れる?」
「無理です」
「デスヨネー」
「僕はどちらかというと筋力値に重きを置いてるんでやるとしたらこうですね」
言うとフォルテは壁に向かい、一気に走り始めた。
壁に当たる少し前にジャンプして着壁。そのまま壁を足場に逆側の壁、だと少し遠いので斜めあたりの壁へとジャンプする。
いわゆる三角飛びというやつだ。
「……攻略組ってだいたいなにかしらネジ飛んでんのかしら……」
それには作者も同意する。
フォルテはそのまま三角飛びでそれなりの高さまで行って、コケた。
「……ぁぁぁあああああ!!!!」
「おかえりー」
真っ逆さまに落ちてくるフォルテ。
それを冷めた目で迎えるリズ。
多分今の一瞬で一番頑張ったくじら。
まともに膨らみもしないでフォルテを受け止めて……くじら、お前凄いよ……!
「いてて……流石に無理がありましたか……」
「まぁ、最初から出来ると思ってなかったけどね」
「リズさん前に来たことあるんですよね?その時はどうやったんです?」
「あれ?言ったっけ?」
「言動の節々が表していました。合ってますよね」
「まぁ、正解。来たことあるよ。ただ、その時の方法は朝になるまでできないのよ」
「そうですか……そうなると、それが正規ルートなのかは怪しいですね……」
「正規ルートがあると思ってるの?」
「思いますよそりゃあ。あのドラゴン、改めて考えてみるとプレイヤーから見てこの巣穴と対称の位置に優先的に動いていたんです。僕がドラゴンの側面から攻撃しようとした途端に飛んでましたし、僕が動きづらい時にはわざわざ正面からブレスを放ってきました。そのブレスに吹き飛ばされてこうなったんですけどね」
「即死トラップってことはないの?」
「クエストのクリア報酬がここにあるっていうなら、ここから出るための道はあるでしょう」
「色々考えてんのねー」
「そうでもしないと生きていけませんから。それで、前回はどうやって上がったんです?」
「ドラゴンに乗って」
「……はい?」
「あのドラゴン、朝になると戻ってくるから、背中にしがみついて外に出た」
「…………」
「まぁ、言いたいことはわかる」
今の時間は、まだ夕方。朝になるのは当分先だし、その方法をとるのはリスクが高い。
勿論それが正規ルートとして設定されている可能性もなきにしもあらずだが、そんなこと思いつくのは奇人変人ぐらいだ。
キリト好きな方、ごめんなさい。
「本当どうするの?ドラゴンに乗るしかないかなぁ?」
「……いや、そうと決めるのは少し早いですよ」
「?」
「クエスト受ける時のおじいさんの話、覚えてますか?」
「全部聞き流してた」
「……そうですか。あのおじいさん、話のうちに何度も『若い者がいない』とか、『昔はもっと』とか言っていたんですよ」
「え、そうだったの?ていうかちゃんと聞いてたの!?」
「まぁ、念のためです。それで、その言葉から察するに、昔はよくここに来ていたっていう隠し設定があるはずです」
「そうね。でもそれがどうしたの?」
「この巣穴に入るにはどう頑張ってもドラゴンに見つかります。それに落ちて入るのも生きるか死ぬか。いくら希少なものだとはいえ、毎回そんなことをして採りに来ると思いますか?」
「……別の道があるってこと?」
「ご名答。ドラゴンが巣にいない時間に、気づかれないように採りに来る。そのための道が、ここにはあるはずなんです」
「でも、そんなのどこにもないじゃないの」
「そりゃ、せっかく作った道をドラゴンに潰されたら元も子もないですし、隠したんでしょうね。……ここだけ、音の響きが違います」
「え?」
–––ガンッ。
リズへの返事は棍で壁を殴ったその音と、ガラガラと崩れ落ちた氷の壁の先の道が示していた。
決して綺麗な道とは言えないが、そこには確かに穴が開いていた。
「うそ……」
「謎解きはここまでです。声もかけずに家から出るのは少し気が引けますが、勝手に叩き込んだのは向こうですし、行ってしまいましょう」
「私をここに叩き込んだのはフォルテだけど」
「……行ってしまいましょう」
地味に得意げな表情を浮かべるフォルテの揚げ足をとりつつ、二人揃って穴に足を踏み入れる。
暗いはずの洞窟の中は、氷たちが光を反射して薄く輝いていた。
その狭い道の中は、少し滑る程度でモンスターが出るわけでもなく、ものの五分程度で通り抜けることができた。
山の中途に出てきた頃には、もう空は暗く染まっていた。
見慣れたわけでもない街の輝きを遠目に見つけ、二人揃って息を吐き、二人揃って笑いあう。
煌びやかな光ではないけれど、控えめに輝くその景色は、綺麗だった。
「次からはショートカット、と思っていましたが、そういうわけでもないみたいですね」
二人が出てきた道は、最後に柔らかい雪を突き抜ける形になっていた。
抜けた後に雪をかき分けても、今さっきまで通ってきた道は見つからない。
「一方通行ってわけですか」
「そんな甘くないわよね」
仕方ないか、と小さく呟くリズにフォルテが問いかける。
「なんでそんなに嬉しそうなんですか?」
「んー?まぁ、いいもの見れたから、かな?」
「いいもの?」
「ふふ、なんでもないっ」
あの時、空高くから見下ろした世界と比べれば、こんな夜景なんてちっぽけなものだけど。
この夜景も、綺麗なことに変わりはなかった。
「街に着くまで競争だー!負けたらなんか奢ってよね!ってなわけでおっ先ぃ!」
「え、ちょ、リズさん!?……はぁ、まったく」
笑いながら、二人は駆ける。
ちょっとだけ子供に戻って、笑いあう。
控えめな街の輝きは、二人の小さな子供を迎え、しだいに眠りについていく。
また一つ、今日が終わった。
後書き
流石フォルテ。頭脳派な面を出したね。
フ「原作にこんな設定はないんですけどね」
はい、おっしゃる通り。この話の、古い道を通って出てくる。というのは完全に自分のオリジナルです。気を悪くされた方がいましたらごめんなさい。
フ「この小説はできるだけ原作に忠実にしようと思うのですが、話の都合上、原作と時系列の狂いやオリジナルの設定が出てくることがあります」
原作とこのお話と、差別化を図るためこうなってしまいました。ご了承ください。
それと、話を変えます。
ここ数日連続で投稿していましたが、ここで一旦ストップとさせていただきます。
読んでくださっているみなさん、またそのうち投稿された時、見てくださると幸いです。
それでは次回のお話も!
フ「耳を傾けていってくださいね」
ばいばい〜
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