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レインボークラウン

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第三百十話

            第三百十話  失敗を書いてみて
 これまで自分がしてきた錬金術で塩を造ることにおいての失敗の数々を思い出すままに書いてみてだった。
 亜美はその失敗の数々を見てだ、こう言った。
「多いだけちゃうな」
「はい、種類もです」
「多いですね」
「それにです」
「何回か書いているものもありますが」
「これ見るとな」
 あらためてわかったことがあった、それは何かというと。
「二回同じ失敗してないと思っててもな」
「実はですね」
「同じ失敗もですね」
「何度もですね」
「していますね」
「そやな」
 このことを言うのだった。
「それはうちの自信過剰やったな」
「同じ失敗は繰り返していないと」
「思われていたのですね」
「そやった、けどな」
 実際はというと。
「繰り返してたわ」
「そうですね、特に十回程です」
「最初の段階でのミスをしていますが」
「これをです」
「どうにかしていくべきですね」
「そやな」
 その通りだとだ、亜美はセレニティとアルテミスの言葉に頷いた。
「これは心に留めなな」
「さもないとです」
「同じ失敗を繰り返していますと」
「コツを掴んでいても」
「中々前に進めません」
「その通りや、もっと書いてこか」
 思い出す失敗をというのだ。
「思い出せる限りな」
「そしてそのうえで」
「その失敗を全て頭に入れ」
「そのうえで、ですね」
「実験の再開ですね」
 使い魔達も言う。
「ここは」
「そうされますね」
「そうしよな、じっくり書いてくで」
 自分がした失敗をあえてだ、強い意志で以て決意してだった。
 さらに書いていった、そしてその失敗達を。46
 読み返しつつだ、亜美は二日程過ごしてからあらためて言った。
「実験再開や」
「はい」
 使い魔達は同時に頷いた、亜美はノートを見つつ実際に実験を再開した。


第三百十話   完


                        2016・1・26 
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