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『夢の中の現実』

作者:零那
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『嫉妬』



相変わらずの支払いと、異様な3人暮らしが続いた。
此は他人には理解されん関係やろな...。
でも、零那にとっては、毎日が幸せの積み重ねだった。

父さんは少し無邪気になった。
亀井サンと飲みに出ることも増えた。
それでも、週末は今迄と同様、零那と同伴で飲みに出る。
亀井サンと遊ぶのは悪く無い。
ただ、少し淋しく想う...。
父さんは、父さんとしてではなく、単なる男として生きてる気がしたから。
そんなこと責めれるワケない。
淋しいなんか零那の勝手なワガママって承知してる。

それでも、それでもやっぱり...父さんとして、親子として、もっともっと一緒の時間を過ごしたいと思ってしまう。
最低やなって自覚もある。

どんな関係で在っても、嫉妬は醜いものだと改めて解った。

やっぱり零那は父さんのことを父さんと思ってないのか...自分の気持ちを疑うようになった。
本当は男として父さんを愛してる気持ちが在るんじゃないかな...
正直、また此の悩みの壁にぶち当たるとは思って無かった。

父さんは父さん。
娘は娘。
其れが事実で現実。

此の溢れる愛しさは、再び出逢う迄の道のりが長過ぎたせいやと...家族愛やと信じてきた。

壊したくない。
絶対。

男として父さんを愛することは間違いだと解ってる。
チャント解ってる。
せやから絶対違うっ!!

たぶん、父さんを亀井サンに取られると思って...
子供の様な気持ちになってるだけやと思いたい...
焦る必要は無い。
大丈夫。
だって...父さんに、性的な意味で抱かれたいとか考えた事は無い。
其れが答えだと信じたい。
そんな汚い感情じゃ無い。

亀井サンに嫉妬しても仕方ない。
過ごした年月が違う。
家族としての絆なんか微妙。
勝てる要素が無い。

つまらん嫉妬はヤメよ。


 
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