転生とらぶる
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機動戦艦ナデシコ
1252話
目の前にはナデシコがあるというのに、ミロンガ改ではその大きさの為に艦の中に入る事が出来ない。
考えてみれば、ミロンガ改とエステバリスは3倍以上も大きさに差があるんだから、こうなる事は必然だったんだろうけど。
シロガネみたいに、最初から特機も含めて運用されるように作られているとか、アークエンジェルみたいにミロンガ改と同じような大きさの機体を運用する為に設計された艦なら問題はなかったんだが……
どうしたものかと頭を悩ませながらも、プロスペクターが連合軍に対して言っていた、ミロンガ改はネルガルが独自に設計した兵器って言い訳は意味がないんじゃないか? と、ふと思う。
ナデシコに入る事が出来ない機動兵器ってのは、ちょっと色々どうよって訳で。
いや、それともナデシコで運用するのはあくまでもエステバリスだけであって、ミロンガ改がここにいるのはある種の偶然の結果とか?
……まぁ、その辺は向こうで辻褄合わせをしてくれるだろう。
色々と怪しそうな男だったが、それだけに有能そうではあったし。
『どうしたんです? 艦の外で止まって』
俺とテンカワが一向にナデシコの中に入らなかったのを不思議に思ったのだろう。再びプロスペクターが通信に姿を現す。
「見て分からないか? 俺の機体とエステバリスでは大きさが違い過ぎてな。艦の中に入る事が出来ないんだよ」
その言葉は予想外だったのか、プロスペクターの表情は一瞬だけ唖然としたものになる。
まぁ、ここまで予想外の展開になるとは思いもしなかったんだろう。
というか、図書館で調べた限りでは人型の兵器ってのはデルフィニウムくらいしかないし、ナデシコではエステバリスを開発した以上デルフィニウムを使う予定がなかったんだろうから、この辺はしょうがないか。
そもそもデルフィニウムって地球上での運用は考慮されていない、完全な宇宙専用機っぽいし。
『ふむ、そうですね。ではナデシコの荷物搬入口の方からお願いします。そちらからなら、その機体……名前は何と仰るのですかな?』
こんな時でも、少しでもいいから情報を得ようとする辺り、色々と抜け目ないな。
もっとも、機体名を教えたところでこの世界……ナデシコ世界とでも言うべきこの世界でミロンガ改の情報を得られる訳がないだろうが。
「ミロンガ改、だ」
『そうですか。そのミロンガ改という機体も入ると思いますので、よろしくお願いします。機体が格納庫に入ったらすぐに案内を向かわせますので、動かずにお待ち下さい』
「分かった」
『テンカワさんは、アクセルさんに荷物搬入口の場所を教えてあげて下さい。艦内を見回っている時にどこにあるのかは見てますよね?』
『あ、はい』
そうだよな。この状況で俺に独自行動をさせる気はないか。
今のところ、俺はアンノウンのままなんだし。
「じゃ、案内を頼む」
『分かった、付いてきてくれ』
テンカワに案内され、展開していたエナジーウィングを停止し、そのままナデシコの胴体部分にある荷物搬入口から艦の中へと入っていく。
そうしてミロンガ改でも取りあえず天井に頭をぶつけなくてもいい高さを持つ格納庫に到着すると……
『何だ、何だ、何だ、何だこの機体はーっ! こんなの見た事ないぞ! 本当にこれはネルガルで開発されたって訳じゃねえんだろうな!』
何だか整備員らしき男が、ミロンガ改を見ながら騒いでいた。
あー、これはちょっと。ロイドと同じタイプの男だな、こりゃ。
他の整備員達も、揃ってミロンガ改の方へと視線を向けている。
まさしく注目の的としか言えない。
『じゃあ、俺はこれで』
「ああ」
テンカワと短く言葉を交わすと、そのままエステバリスは離れて行く。
それで、俺はミロンガ改をどこに置けばいいんだ?
そんな風に迷っていると、やがて格納庫の入り口から1人の男が姿を現す。
俺よりも大分年上――実年齢はともかく――に見える男で、厳つい顔付きをしており、体格もいい。身体の動かし方を見る限り、かなり鍛えられている。軍人の臭いもする。
『こっちに来てくれ。その機体を置く場所に案内する』
短く用件だけを告げて移動するその男の後を追うように、ミロンガ改を歩かせる。
今更だけど、ミロンガ改が歩くのって基本的に格納庫だけだよな。他は大抵飛んでるし。
そうして男が移動したのは、格納庫の端。
まぁ、真ん中とかは移動の邪魔になるし、エステバリスの場所は整備の邪魔になるし、何よりメンテナンスをする為の装置はエステバリス専用の物だ。
勿論多少の余裕はあるのかもしれないが、エステバリスの3倍近い大きさのミロンガ改はどうしようもないだろう。
……それに、格納庫の端という事でミロンガ改の姿を出来るだけ多くの者に見せたくないというのもあるんだろうし。
ともあれ壁際にミロンガ改を停めると、コックピットから地上へと降りる。
ここはホワイトスターであったり、シャドウミラーの存在が知られている世界であれば、混沌精霊としての力で空を飛んでもいいんだが……まさか、今の状況でそんな真似は出来ないだろう。
ただでさえ、俺はアンノウンって事で所属不明機という扱いなんだし。
そんな訳で、乗降ワイヤーを使ってコックピットから降りる。
「器用なものだな」
乗降ワイヤーの三角の部分に足を引っ掛けて降りてきた俺を見て、ここまで案内した男が感心したように呟く。
「そうか? 言われる程のものじゃないと思うけど」
「……ふむ、そうかもしれんな。さて、それではこれから会議室に案内するが、武器があったら渡して貰おう」
「残念ながら手持ちの武器はないな」
正確には空間倉庫の中には大量の武器が存在してるが、わざわざそれを言う必要もない。
それに、俺の場合は身体全身が武器のようなものだし。
「武器がない? ……悪いが、ボディチェックをさせて貰っても?」
当然男は俺を怪しんだのか、目を細めてそう告げてくる。
それに頷き、簡単なボディチェックを終えると、男は不思議そうな表情を浮かべて口を開く。
「ここがお前に取っても危険な場所だというのは分かっていた筈だ。なのに、何故武器を何も用意していない? このまま捕らえられるとは思わなかったのか?」
「俺を捕らえる? 誰が? 言っておくが、お前では何があっても俺を止める事はできない。それこそ、懐に後生大事にしまいこんでいる代物を使ってもな。それに……」
チラリ、と格納庫の中へと視線を向ける。
自分達の仕事をしているように見えるが、殆どの者が俺の方へと視線を向けていた。
自分で言うのもなんだけど、自分達も知らなかった機体に乗って、更にはバッタとジョロを俺だけで片付けたんだ。どうあっても注目してしまうのは間違いない。
「ああやって興味津々に俺を見ている奴の前で、俺にお前を殺させるような真似は……するなよ?」
一瞬の殺気。
それこそ、一定以上の力を持っている奴でなければ理解出来ない程度の殺気を放つ。
「ぐっ!」
案の定、この男はそれなりの腕は持っていたらしい。額に大量の汗を拭きだし、数歩後退る。
……まぁ、普通の人間ならこんなものか。
純粋に人間としての能力という面で見れば、ネギま世界は勿論の事、同じように地球外の存在に侵略されているマブラヴ世界の住人にも及ばない。
もっとも、マブラヴ世界の住人とこのナデシコ世界の住人では抱いている危機感が違う。
地球の半分以上を実際に占領されて、地球人口の何割かを殺したBETAと戦っているマブラヴ世界に比べれば、こっちはかなりお気楽と言ってもいい。
何しろ俺がこの世界にやって来た時、近くでバッタとの戦闘があったというのに民間人は全くそれを気にした様子もなかったのだから。
「お互いの力の差ってのが分かっただろ?」
笑みを浮かべて、男の方へと近づいていく。
だが、そのまま逃げるのかと思いきや、それでも踏み止まっている点は褒めてもいい。
そうだな。これから交渉を始めるんだし、シャドウミラーお得意の砲艦外交って訳じゃないけど、こっちの実力を見せておく必要はあるか。
俺の力がミロンガ改に乗っている時だけ……つまり操縦技術だけだと思われて、妙な真似をされるのも面白くない。
それなら、こっちの力を多少ではあるが見せつけて、迂闊な真似を出来ないようにしておくのが最善だろう。
そのまま男のすぐ近くに到着すると、そっと背広の中へと手を伸ばす。
勿論この手の騒動にはあまり関わってきた事がないだろう整備員には見えないようにしてだ。
そうして取り出したのは、拳銃。
自分の武器を奪われているというのに、男は俺の殺気により動く事は出来ずにいる。
「一応言っておくけど、俺はこういう事が出来る人間だ。迂闊な真似をしないようにした方がいいと思うぞ?」
笑みを浮かべつつ、拳銃を握る手へと力を入れていく。
その手は動きが止まる事がないまま、バキバキといった音を立てて拳銃を砕いていく。
……ん? この拳銃金属製じゃなくて樹脂素材か何かだな。
確かに樹脂素材もそれなりの硬度はあるが、金属を握り潰すといったパフォーマンスには向いていない。
「さて、じゃあこれは返すから、交渉の場に案内して貰おうか。それと、言っておくがこの機体に手を触れないようにな。もし勝手に手を出したりしたら……さて、どうなるだろうな?」
「……うむ」
俺の言葉に受け取った拳銃の残骸へと一瞬視線を向けるものの、次の瞬間にはその残骸をポケットの中にへとしまいこむ。
取りあえず俺が生身でも簡単にどうにか出来るような相手ではないというのは、これで理解出来た筈だ。
男はそのままさっきミロンガ改を見た時に思いきり騒いでいた男の下へと向かい、何かを言い聞かせる。
今の話の流れから考えると、あの男が整備員を纏めているんだろう。
言動を考えると、色々と調子に乗りやすい奴に見えるけど。
実際、男が何かを言い聞かせているのに対して、酷く興奮して言い返している声が聞こえてくる。
典型的な技術馬鹿って奴か。
それでも最終的には男の迫力に押されるように強引に納得させられ、渋々とではあるが男の要望――ミロンガ改に手を出すな――に納得していた。
そうして整備の者達に言い聞かせると、戻ってきた男は改めて俺の方へと視線を向けて口を開く。
「こっちだ」
「ちょっと待った」
俺の呼び掛けた言葉に、男の顔は再び強張る。
また何かするとでも思ったのか?
いやまぁ、ここまでやらかしておいたんだから、それはしょうがないけど。
「まだ何か?」
「名前くらいは教えてくれてもいいんじゃないか? お前がここに来たって事は、多分俺の世話係や案内係みたいなもんなんだろ? 知っての通り、俺はアクセル・アルマーだ」
「ゴート・ホーリーだ。よろしく頼む。では、そろそろ会談をする場所に案内したいのだが、構わないか?」
「頼む」
なるほど、ゴート・ホーリーか。
ここは日本だし、テンカワも日本風の名前だった。
テンカワにユリカとか呼ばれていた女も、響き的に日本語だろう。
だが、この男の名前は日本風のものではない。
それだけ有能で、日本人以外でも採用されているのか、それとも実はゴート・ホーリーじゃなくて、豪人・堀井とかだったりするのか?
何だか意外にありそうな名前なような気はするな。
ともあれ、ゴートに案内されてナデシコの中を進んでいく。
俺にこの艦の情報をあまり与えたくないのだろう。特に説明の類もないままに通路を進む。
いや、それは単純にさっき脅し過ぎたせいか?
ともあれ、そのまま進み続けて最終的に到着したのは特にこれといって特徴のない部屋だった。
まぁ、ここで奇をてらった部屋を用意されても、それはそれで驚くのだが。
「ここだ。……ゴートです。彼をお連れしました」
「いやいやいやいや、よくぞおいで下さいました。いや、本当に今回は助かりました。いや、本当に。連合軍の基地が破壊されたことに対してのお見舞い金も支払わなければならないのですが、アクセルさんのおかげで死亡者0! 重傷者も数人で、軽傷者はそれなりに多いのですが……いや本当に助かりました」
プロスペクターが、俺の顔を見るなり笑顔でそう告げてくる。
それにしても、連合軍との通信でも言っていたが、いやいやってのが多いな。
口癖か何かか?
プロスペスターの護衛なのだろう。ゴートが少し離れた位置へと移動するのを眺めながら、口を開く。
「こっちとしても色々と下心があってやった事だから、気にしなくてもいい」
「そうですか、そうですか。それにしてもアクセルさんの乗っていた機体は素晴らしい性能ですな。うちのエステバリスも自信のあった機体なんですが……」
そう告げ、探るような視線を向けてくるプロスペクター。
ここまで完全に身元不明の存在なんだから、それは当然だろう。
寧ろ、さっきの連合軍のように強引にこっちを拘束してこようとしてこないだけ好印象だ。
俺も自分自身がどれだけ怪しいのかは、きちんと理解しているし。
「だろうな。あの機体は俺が知っている機体の中でも、それなりに高性能な機体だし」
「それなり、ですか。正直、私共ネルガルとしては、非常に興味深いのですがね。あのような機体が開発されているなどという情報は今まで全く察知出来ませんでしたし。あれだけの機体であれば、多かれ少なかれ情報が入ってきてもおかしくないというのに」
眼鏡をクイッと直し、プロスペクターは俺の方へと意味ありげな視線を送りながらその言葉を口にする。
「アクセルさん、もしかして貴方……別の世界からやって来たんじゃないですか?」
後書き
アクセル・アルマー
LV:43
PP:405
格闘:305
射撃:325
技量:315
防御:315
回避:345
命中:365
SP:1415
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
努力 消費SP8
集中 消費SP16
直撃 消費SP30
覚醒 消費SP32
愛 消費SP48
スキル:EXPアップ
SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
念動力 LV.10
アタッカー
ガンファイト LV.9
インファイト LV.9
気力限界突破
魔法(炎)
魔法(影)
魔法(召喚)
闇の魔法
混沌精霊
鬼眼
気配遮断A+
撃墜数:1188
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