テイルズオブザワールド レディアントマイソロジー3 【灰村 諸葉が進む道】
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SCENE2
第11話
前書き
星晶採掘地跡へ。
それから一週間後の朝。
モロハ「……。」
-この一週間、特訓ばかりやってたせいかハードだったなぁ。腰が痛いし肩も痛いし……。-
 ̄起きた俺は依頼に出るのを禁止されてたこの一週間の事を思い出した。医務室から出して貰えた次の日から、俺は色んな人達から術の指導を受けてた。
サレとの一件以来、俺は術も使えるようにはなったが、戦闘時以外じゃ発動出来なかったのが理由。
本来ならリタさんが指導してくれると思っていたけど、本人は研究に没頭してて相手にしてくれなかったから、仕方なくウィルさんに講義をして貰い、更にカノンノやグリューネさん(グリューネさんから指導して貰うのは嫌だったが、迫られて断われなかった。)からも指導を受けてやっと平時でも発動出来るようになり、カノンノに教わって回復術も使えるようになった。
けど、俺が普通の術以外にこの世界には無い術まで使うらしいから、リタさんとハロルドさんから実験やら解剖やらと言われて逃げ回ったりとハードな一週間だった。 ̄
 ̄一方のユーリさん達、特にエステルさんはギルドのみんなとすっかり打ち解け、仲良く会話としたりと楽しそうだった。 ̄
モロハ「だけど、今日からまた依頼に出られるんだし、こんなのでへこたれてられないか。よし、行くか!」
 ̄とはいえ、そんな事で挫ける訳には行かない。第一、今日からまた依頼に出られるのだからまた頑張らなければならない。そう思った俺はカノンノから貰った新しい服に着替えて部屋を出た。(今まで着てた服はロックスが修繕している。) ̄
ーーーーーーーーーーーーーーーーーー
 ̄ホールにて…、 ̄
モロハ「アンジュさん、依頼を受けたいんですけど……。」
アンジュ「いいわよ、どれか好きな依頼を受けてね。」
 ̄依頼を受ける為にアンジュさんに声をかけ、目の前に出された依頼の紙に目を通す。 ̄
モロハ「……。」
-“星晶採掘地跡の調査”。やっぱ受けるとしたらこれだろな、同行者に俺の名があるし。-
 ̄“やっぱり”と思っていたが、星晶採掘地跡の調査の依頼に目が止まる。まあ、エステルさんからも“調査に同行して欲しい。”とか言われてる以上は受ける他無い。 ̄
-いずれにしても受けることになるんだし、受ける他無いっか……。-
モロハ「じゃあ、これを受けます。」
 ̄調査の依頼は前々から決まっていたことだから仕方ない。そう思いながら“星晶採掘地跡の調査”の紙をアンジュさんに渡す。 ̄
アンジュ「これを受けるのね。ま、登録する前に決まってた事だからね。じゃあ、依頼の内容を説明するね。今回の依頼は、ガルパンゾ国の星晶採掘地跡の調査よ。同行者はモロハ以外、エステルにフィリアにリッドにクンツァイトよ。それじゃあ、みんなを呼んで来るわね。」
 ̄と言ってアンジュさんはみんなを呼びにホールから出て行った。 ̄
ーーーー
 ̄それからすぐ…、 ̄
エステル「やっぱりこの依頼を受けて頂けるのですね、モロハさん。」
クンツァイト「協力に感謝する。」
リッド「まっ、当然だろうな。」
フィリア「サレが出て来ては大変ですものね。」
モロハ「確かに。」
-また出て来るかもしれないけど、この間叩きのめされた復讐で出て来るかもわかんないし。当然か。-
 ̄すぐにみんなが集まった。サレの事は大丈夫だと思ったものの、復讐しに来るかもしれないから当然の事かと呟いた俺。 ̄
アンジュ「それじゃあ、依頼の内容を説明するね。今回の依頼は、コンフェイト大森林にあるガルパンゾ国の星晶採掘地跡の調査よ。」
モロハ「調査はいいんですけど、どう調査したらいいんですか?」
アンジュ「それに関しては、フィリアとクンツァイトに任せればいいわ。
そして、モロハはリッドと一緒に護衛すれば大丈夫よ。」
モロハ「わかりました。」
リッド「任せとけって。」
 ̄メンバーが揃ったと同時にアンジュさんが依頼の内容を説明。けど調査と言ってもどうしたらいいのかわからない。そのことを聞くとフィリアさんとクンツァイトに任せればいいとの事だった。 ̄
アンジュ「それじゃあ、気をつけてね。」
モロハ「はい。」
 ̄メンバーも揃い説明が終わった俺達は、アンジュさんに見送られて船を出た。 ̄
____________________
モロハ「……。」
-久しぶりに来たな。いつ来ても清々しい気分になれる。-
 ̄およそ9日ぶりに訪れるコンフェイト大森林。いつ来ても清々しい気分になれる所だ。だが…、 ̄
リッド「うわぁっ、この辺りも凍ってるのかよ。足下が滑りやすくて困るぜ。」
モロハ「ごめん、俺のせいで。」
リッド「いや、別にモロハのせいじゃないし。気にすんな。」
モロハ「うん……。」
-気にするなとか言われてもなぁ、罪悪感は拭いきれないのが現状なんだけど……。-
 ̄森の中はサレとの一件で起こした氷は今だ溶けていない。しかも森の入り口も凍り付いている。
オマケに足下が滑りやすくて、エステルさんはともかくリッドは転びそうになった。
凍らせた事は今だ後悔してるが、リッドから気にするなと言われて元気にはなれるが、凍らせた罪悪感は捨てきれない。 ̄
クンツァイト「それにしても意外だな、この氷は。」
エステル「えっ、どういうことです、それは?」
クンツァイト「この氷は、この世界に無い物質で形成されている。解析は出来ないが、おそらくその物質が、この氷が溶けない理由だろう。」
リッド「この世界に無い物質?本当なのか?
てか、そんな事どうやってわかるんだ?」
クンツァイト「自分は皮膚から物質を取り込んで解析する事が出来るのだ。
機械人ならこのくらいは出来る。
だが、解析出来ないのは残念だがな。」
リッド「へぇー、すげぇなぁ〜。」
モロハ「全くだね。」
-機械人って、凄いんだな。アンジュさんが指名するだけある。-
 ̄するとクンツァイト、氷に手を当て何をすると思えばいきなり俺が発生させた氷について解説し始めた。機械人ならではの機能らしく改めて驚く。 ̄
クンツァイト「それにこの氷…表面からマナを放出させているな。」
『‼︎』
 ̄更にクンツァイト、氷の表面からマナが放出されてるとか言い出して俺を含めてみんなが驚きを隠せなくなった。 ̄
フィリア「それは間違いないのですか⁉︎」
クンツァイト「うむ、間違いない。この様子だと、欠片でもサンプルとして持ち帰っても、損は無いだろう。」
フィリア「それでは、急いでサンプルを採取しましょう!」
 ̄フィリアさんが確認のためか本人に聞くと、クンツァイトは間違いないと言い、フィリアさんはサンプルの採取の為にすぐ準備に取り掛かる。 ̄
エステル「氷の表面からマナを放出するなんて、そんな氷は文献でも見たことがありませんね。」
リッド「俺も聞いた憶えが無いなぁ。そんな氷をつくるなんて、本当すげぇなモロハ。」
モロハ「……。」
-褒められるのはいいけど…何だろ…この違和感……。-
 ̄氷のことを聞いて驚くエステルさんとリッド。直後にリッドから褒められたものの、何故か違和感が募る。 ̄
フィリア「はい、サンプルの採取完了しました。」
リッド「おっ、早かったな。」
クンツァイト「氷は大量にあるからな、どれを持って帰っても損が無いのだ。」
エステル「そうです?それは良かったですね。」
クンツァイト「うむ、モロハのおかけで面白いものが見れたな。」
モロハ「それは…どうも……。」
 ̄そうこうしてるうちに氷のサンプルの採取が終わり、フィリアさんとクンツァイトが戻って来た。感謝されるのはいいけど、どうしても嬉しくなれない。 ̄
モロハ「だったら早く行きませんか?目的地はこの森の奥ですよ。」
フィリア「そうでしたね、急ぎましょう。」
エステル「そうですね。」
リッド「早く終わらせて、早く帰ろうぜ。」
クンツァイト「自分もリッドの意見に賛成だな。」
 ̄サンプルの採取はいいけど、船を出る前にエステルさんから聞いた話によると、問題の星晶採掘地跡は奥の方らしい。今は入り口付近だから、先はまだ長い。
サンプル採取が終わったことを聞いた直後に急かすように皆にこう言い、俺達は目的地に向け歩き出した。 ̄
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
 ̄のは良かったけど…、 ̄
『……。』
リッド「なんで今日に限って、魔物がこんなに沢山いるんだよ……。」
クンツァイト「おそらく、氷から放出されるマナに引き寄せられたのだろう。魔物はマナが放出される所に集まる習性があるからな。」
エステル「でも困りましたね。星晶採掘地跡はこの先だというのに。」
 ̄森に入ってすぐに魔物に出会した。しかもこの前とは違い、見ただけで100は超える。 ̄
モロハ「仕方ない、倒して行くしかないか。≪ギラリッ‼︎≫」
フィリア「その様ですね。では、行きましょう!≪ギラリッ‼︎≫」
リッド「よしっ、クンツァイト!用意は出来てるか?≪ギラリッ‼︎≫」
クンツァイト「論ずるまでもない。全員行くぞ!≪ギラリッ‼︎≫」
エステル「はいっ、気をつけて行きましょう!」
 ̄目的地は魔物の大群の先にあるから魔物を片付けなきゃならない。剣を手に取った俺達は戦闘に突入。 ̄
ーーーーーーーーーー
 ̄俺達に対峙する魔物は、この間も倒した〔マンドロテン〕と〔プチプリ〕がそれぞれ1体、そして小鳥の姿をした〔チュンチュン〕が2体。
皆の武器は、リッドが俺の<サラティガ>と同様に剣、クンツァイトはいきなり腕が4本になり、その4本腕に取り付けられた短剣のような刃物、フィリアさんはカノンノと同じく両手剣、エステルさんは杖と盾。
俺とクンツァイトとリッドが前衛で、フィリアさんとエステルさんは後方から術で支援することになった。 ̄
≪ブンッ、ブンッ、ブンッ‼︎≫
モロハ「このっ、このっ、このっ!」
 ̄〔チュンチュン〕に狙いを定めて剣を振りかざして攻撃するが、動きが速くて当たらない。しかも同じ奴がもう1体いるから、各個撃破するのも面倒だ。 ̄
-ならば!-
モロハ「……。」
≪パアァ〜〜……≫
その足下に、黒く染まる炎のマークが散りばめられた赤い魔法陣が浮き出て来た。
モロハ「……。」
 ̄詠唱の最中に〔チュンチュン〕は移動を続けるが、一瞬たりとも見逃すつもりはない。 ̄
モロハ「現れよ黒き焰、悪しき者を地獄に墜とせ!"黒縄地獄(ブラックゲヘナ)"‼︎」
≪ボッ…ゴオォオオ〜〜……‼︎≫
 ̄どす黒い色の炎が〔チュンチュン〕に襲いかかった。 ̄
≪パシュッ‼︎≫
 ̄これで〔チュンチュン〕は消滅、撃破に成功。 ̄
ーーーー
リッド「本当強えぇなぁ、モロハは……。」
クンツァイト「うむっ、我々も負けてはいられないな。」
リッド「そうだな、俺達もやるぞ!」
一方のリッドとクンツァイトは、モロハに負けてはいられないと〔プチプリ〕と〔マンドロテン〕に攻撃。
リッド「"魔神連牙斬"‼︎」
剣から放たれた多数の衝撃波が〔プチプリ〕に直撃。
一方のクンツァイトは…、
クンツァイト「……。」
足下に紫色の魔法陣が浮き出て…、
クンツァイト「"シャドウエッジ"‼︎」
地面から闇の刃が現れて〔マンドロテン〕に命中。
ーーーー
モロハ「あっちはあっちで任せておくか。
さて、もう1体は……。」
 ̄〔プチプリ〕と〔マンドロテン〕はリッドとクンツァイトに任せておくとして、俺はもう1体の〔チュンチュン〕を片付けることにするため辺りを見回すと…、 ̄
『……。』
フィリア「"ツインボム"‼︎」
エステル「"エアディバイド"‼︎」
 ̄エステルさんとフィリアさんのすぐ近くにいて、2人がかりで相手をしてる状態だったが、攻撃は当たっていない感じだった。 ̄
モロハ「苦戦してそうだな、助太刀するか。」
 ̄幾ら2人がかりで相手をしてるとはいえ、怪我をさせたら元も子もない。
早速俺は手助けに入る。 ̄
モロハ「……。」
剣を構えると足下に橙色の魔法陣が浮き出て…、
モロハ「"エアプレッシャー"‼︎」
消えたと同時に重力場が起きて〔チュンチュン〕に命中。
≪パシュッ‼︎≫
 ̄これでもう1体の〔チュンチュン〕も消滅。エステルさんとフィリアさんには怪我はなかった。 ̄
エステル「モロハ、あなたですね?魔物を倒してくれたのは。」
フィリア「わざわざありがとうございます。」
モロハ「いやいや、これが役目ですから。」
 ̄〔チュンチュン〕を倒した直後に、俺はエステルさんとフィリアさんから感謝の言葉をうけたが、2人を護衛するのが俺とリッドの役目。このくらい当然のことだ。 ̄
ーーーー
 ̄その後、残りの魔物はリッドとクンツァイトが撃破してくれた。 ̄
ーーーーーーーーーー
リッド「まっ、こんなもんだろ。」
モロハ「リッド、魔物はまだまだいるんだよ。」
クンツァイト「モロハの言うとおりだ。このくらいで安心は出来ん。」
フィリア「早く目的地に着くためにも、ペースを上げなければなりませんね。」
 ̄魔物を倒し終えたリッドは余裕そうだが、肝心の魔物は沢山いるから安心は出来ない。 ̄
エステル「そうですね。皆さん、回復はわたしに任せて頑張ってくださいね。」
モロハ「ありがとうございます、エステルさん。
けど、俺もカノンノから回復術を教わったので、よければ手伝いますよ。」
エステル「そうですか?それは心強いです。」
リッド「そっか、モロハなら信用出来るな。」
クンツァイト「うむっ、護衛を兼ねての支援か。それなら心配の必要はないな。」
フィリア「そうですね。モロハさん、大勢の方から特訓を受けましたからね。」
 ̄回復は任せてくれとは言うが、エステルさんだけでは不安がある。俺はカノンノ達から術について色々学んだから回復術も使えるようになったから護衛を兼ねて補助することに決めた。
みんなは俺が特訓をしてたとこを知ってる(フィリアさんからも特訓を受けたから。)から安心してくれてる。 ̄
リッド「なら、後方はエステルとモロハに任せて、俺達はさっさと魔物を倒すとすっか。」
クンツァイト「同感だ。では行くぞ!」
リッド「おう!」
フィリア「私も感張ります!」
残りの魔物を倒すため、リッドとクンツァイトは前に出た。
ーーーー
 ̄それからおよそ1時間くらい過ぎた頃には、最後の1体を倒すのみとなったが…、 ̄
ーーーーーーーーーーーーーーー
『……。』
 ̄最後の魔物はカノンノに出会った場所で倒した〔オタオタ〕だったが、今回はその時とは違い、俺達の背丈を裕に越す大きさだった。 ̄
モロハ「でか……。」
-〔オタオタ〕って、こんなデカくなるもんなんだ。てか、どうやったらこんなデカくなるんだよ?-
 ̄あまりの光景に俺は驚くしかない。 ̄
リッド「げっ、〔デカオタ〕じゃあねぇかよ。」
クンツァイト「こいつもマナを放出する氷にひかれて来たのだろうな。」
 ̄リッドは俺同様に驚いているが、クンツァイトは機械人の特性なのか至って冷静。 ̄
エステル「道を開けてくれそうにありませんし、こちらから仕掛けるしかありませんね。」
フィリア「そのようですね。みなさん、行きましょう!」
モロハ「はい!」
リッド「しゃあねぇか!」
クンツァイト「同感だ。キツイ連戦だがやむを得ん、行くぞ!」
エステル「そうですね。わたしもまだまだ頑張ります!」
 ̄〔デカオタ〕の巨体が邪魔で先に行けそうにない。撃破する以外に他はない。
ここまでの連戦で疲れてきてはいるが休むわけにはいかないから、仕方なく戦闘に突入。 ̄
ーーーーーーーーーー
 ̄相手は〔デカオタ〕1体だけ。
俺達はリッドとクンツァイトが前衛で、エステルさんとフィリアさんは後衛、そして俺はエステルさんとフィリアさんの護衛のためリッド達とエステルさん達の間に立つ組み合わせで挑むことになった。 ̄
リッド「"裂空斬"‼︎」
クンツァイト「"空破穿命弾"‼︎」
 ̄リッドとクンツァイトが攻撃を叩き込んだが…、 ̄
『……。』
 ̄〔デカオタ〕はビクともしない。それどころか…、 ̄
≪ドガッ‼︎≫
リッド「うわっ!」
クンツァイト「なっ、なんと!」
 ̄踏み潰すかのようにリッド達の上にのし掛かる始末。 ̄
ーーーー
エステル「リッドとクンツァイトが!」
フィリア「お2人共、大丈夫ですか⁉︎」
 ̄エステルさん達の問いに対して…、 ̄
リッド「俺等は…平気だ……。」
クンツァイト「早く…この魔物を退かしてくれ……。」
 ̄リッド達は呻く感じで答えを返した。 ̄
ーーーー
モロハ「……。」
-まずいなぁ、このままじゃ2人が危ない。けど、下手に攻撃すればかえって厄介になるだけだ。さて…どうするか……。-
 ̄とはいえ、遅かれ早かれ2人が危険だ。しかし、攻撃をしようにも下手をすれば2人に当たるかもしれない。 ̄
モロハ「仕方ないか。」
 ̄悩んでも時間の無駄だから、やむを得ず攻撃を開始する。 ̄
モロハ「"散沙雨"‼︎」
連続の突き攻撃。そして…、
モロハ「"秋沙雨"‼︎」
連続突きの後の切り上げ。更に…、
モロハ「"真空千裂破"‼︎」
連続突きからの空中回転斬り。
ーーーー
エステル「モロハ凄いです、あそこまで繋げるなんて!」
フィリア「ですがあれでは……!」
連続攻撃でコンボを決めたモロハに驚くエステルだが、それだけでは流石に〔デカオタ〕を倒すにはまだ足りない。
だが…、
モロハ「まだまだ行くぞ!」
『⁉︎』
そして…、
ーーーー
モロハ「うおおおっ!これでとどめだ!"冥空斬翔剣"‼︎」
〔デカオタ〕を2度斬りつけた直後の、真上にジャンプしながらの斬り上げ。
≪パシュッ‼︎≫
 ̄今の攻撃で〔デカオタ〕は消滅。なんとか撃破に成功した。 ̄
ーーーーーーーーーー
モロハ「はあっ…はあっ…はあっ……。」
-随分疲れたなぁ。けど、このくらいでへこたれてはいられるか。-
 ̄戦闘は終わったが、足下がふらつく。けど、ここで倒れたらみんなに迷惑をかけるわけにはいかないと踏ん張って、なんとか持ち堪えた。 ̄
エステル「モロハ、大丈夫ですか?」
モロハ「だ…大丈夫…です……。」
フィリア「そう言ってるわりには顔色が悪いですよ。」
クンツァイト「力を使い過ぎたのだな。特訓を受けたとはいえ、また無理をしてくれたものだな。」
リッド「そんなこと言うなよ。そのおかげで、俺とお前は助けられたんだからな。」
クンツァイト「確かに、それは否定出来ない。」
 ̄俺のことをしてみんなが駆け寄って来て心配する。俺は大丈夫と言ったが、みんなにはお見通しだった。 ̄
エステル「待って下さいね。今すぐ回復させますから。」
モロハ「いやいや、このくらいなんとも……」
エステル「駄目です!“無理をさせるな”とアンジュさんに言われてますからいけません!
しっかり回復させますから大人しくしてください!わかりましたね?」
モロハ「はい……。」
 ̄エステルさんが俺を回復させようと近寄って来たが、回復くらい俺1人でも出来る。
それで断ろうとしたが、説教されて大人しく従う他はなかった。 ̄
リッド「モロハって大変だな。カノンノ達から奪い合いの対象になるし、依頼に出るのを禁止されるし。」
クンツァイト「女難の想の持ち主だな。」
モロハ「俺だって好きでんなことしてんじゃねぇよ。」
フィリア「その割には、楽しんでるような感じでしたが……。」
モロハ「……。」
-誰が楽しんでるんですか?んな訳無いでしょ!-
 ̄リッド達にこんな事を言われて、心の中でこう叫んだ俺だった。 ̄
ーーーー
 ̄そんなことはありながらも目的地はまだ先の方、回復が済んだ俺達は足早に先を急いだ。 ̄
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
 ̄道無き道を歩いて行くと、この前サレとだからぶつかった場所に着いた。 ̄
クンツァイト「目的地は更に先だな。」
リッド「けどよ、肝心の道が無いぞ。」
モロハ「確かに。」
 ̄クンツァイトはこの先とか言うけど、道らしき道は見当たらない。すると…、 ̄
エステル「みなさん、こちらです。」
モロハ「えっ?」
 ̄するとエステルさん、草が生い茂った所の前に立ち止まって声を発した。けどそこは草が邪魔して通れそうにない。 ̄
エステル「ユーリが、サレからの追跡から逃れるために、ここの道を隠したのですよ。」
モロハ「え〜と…、どうやって?」
エステル「こうしてです。」
≪ガサゴソゴソ……≫
 ̄エステルさんは淡々と説明するけど、俺にはさっぱりわからない。その事を聞くと、エステルさんは草を退した。するとエステルさんが言った通り、道が姿を現した。 ̄
モロハ「え…えっと……ユーリさんが…こう道を隠してたんですか?」
エステル「ええっ、そうですよ。」
リッド「すげ〜なぁ。オレにはわからなかったぜ。」
クンツァイト「自分でさえ、全く見破れないとは…ユーリとやら、恐るべしだな。」
フィリア「全くですね。」
 ̄あまりの出来事に俺は目を疑った。サレと戦った時もそこは行き止まりだと思っていたのに、草を退かしただけで道が姿を現したのだから、驚くのは当然だった。エステルさんを除いたリッド達もそうだった。 ̄
エステル「さっ、先を急ぎましょう。」
モロハ「はい……。」
クンツァイト「……。」
リッド「そうだな……。」
フィリア「ええ……。」
 ̄さっきの驚きが冷め切らないままだったが、俺達は更に奥へと歩いて行った。 ̄
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
 ̄その奥へ進んで行くと…、 ̄
リッド「この辺りもかよ……。」
クンツァイト「どうやら、相当強力な術だったようだな。」
エステル「本当に凄いですね、モロハは……。」
フィリア「そうですね……。」
 ̄目的地に近い所まで来たが、そこも凍りついていた。 ̄
モロハ「はは……。」
-本当に複雑だ……-
 ̄皆から称賛されるのはいいが、拭い切れない罪悪感で一杯の俺。
複雑な気分だ。 ̄
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
 ̄それから皆の後について歩いて行くと、目的地の“星晶採掘地跡”に到着。そこには信じられない光景が広がっていた。
辺りは凍りついて、採掘地跡は閉鎖されているんだが、それ以外は白く変貌し、草や木も石のような感じと化していた。 ̄
リッド「なっ…何なんだよ、一体…こんなの見たことねぇよ。」
フィリア「無機物化してますね。クンツァイト、何かわかりませんか?」
クンツァイト「どれ…うーむ、フィリアの言う通りだな。それに氷の時と同様に、この世界に無い物質で出来ているな。
解析も出来ない。」
 ̄リッドは驚き、フィリアさんはクンツァイトに頼むがわからないとの事。
すると…、 ̄
ーーーーーーーーーーーーーーー
「そこのお前達は、<アドリビトム>の者達だな?」
『!』
 ̄後ろの方から声が聞こえたが、明らかにサレじゃない。年配の男の人の声だ。
その方向を向いてみると…、 ̄
「「……。」」
 ̄2人の男性がいた。一方は俺達とそう変わらない年齢の緑色の男と、さっきの声の主だと思う2本足で立つ獣(?)だった。 ̄
リッド「あっ、あんたらは前にヘーゼル村で会った……」
「ユージーン・ガラルドだ、ユージーンと呼んでくれ。」
「俺はティトレイ・クロスだ、宜しくな。」
 ̄リッドは2人を知ってるみたいで向こうから自己紹介して来た。緑色の男がティトレイで、獣らしき男はユージーンって名前らしい。 ̄
ーーーー
ユージーン「む……。」
モロハ「……。」
-あれっ、なんでこの人俺の顔ばっか見てるの?顔になんかついてる?-
 ̄ユージーンって人が俺の事を凝視するから、心の中でこう呟く俺だった。 ̄
ユージーン「お前…もしや〈剣帝〉モロハだな?」
モロハ「……。」
-なんだ、そのことか。てかその呼び名嫌なんだけど……。-
 ̄途端に俺を〈剣帝〉と呼ぶからついつい不機嫌になる俺。
もっと別の名で呼ばれたい。 ̄
ユージーン「なんだお前、その目は……?」
リッド「実はモロハは、〈剣帝〉で呼ばれるのが嫌なんだ。せめて名前で呼んでやってくれ。」
ユージーン「そうか、すまない。」
モロハ「いや…いいんですけど……。」
 ̄状況を察したリッドが説明して、ユージーンさんは謝って来たが、なんかやるせない気持ちで仕方ない。 ̄
ーーーー
ティトレイ「モロハって…サレが言ってたあのモロハか?」
ユージーン「ああっ、間違い無いな。」
モロハ「やっぱ知れ渡ってるんですね、それ。」
ユージーン「まぁな。“お前に負けた”と随分怒っていたぞ。オマケに氷の事も奴を更にカッとさせたからな。」
リッド「氷って…辺りのこの氷か?」
ティトレイ「ああっ、まさにそれさ。幾らやっても、溶けるどころか砕けもしないから。
サレが嵐の力でどうにかしようにも、結果は剣が折れる始末だったから、星晶採掘は中断となって、あいつら帝国からの帰還命令を受けて帰って行ったよ。」
フィリア「えっ、それでは…サレはヘーゼル村には居ないんですか?」
ティトレイ「まぁな。」
 ̄今度はティトレイが俺について話し始めた。なんでもサレとの戦闘で作り出した氷がもとで、サレは帝国へと戻って行ったらしい。 ̄
ユージーン「だが、星晶は殆ど無くなって、食料調達もマトモに出来ないから。
村を出て<アドリビトム>に接触しようとしたんだが、こいつは好都合だ。」
ティトレイ「ああっ、そうだな。」
 ̄でも村には居られないらしくて来たとの事。 ̄
リッド「そんじゃ、船に案内しようぜ。
詳しい話はその後だ。」
クンツァイト「そうだな。
では、船に戻るとしよう。」
フィリア「そうですね。」
エステル「はい。」
モロハ「……。」
 ̄と言う訳で俺達はユージーンさん達と一緒に船に戻ることにした。 ̄
後書き
これ以上書くとキリが無いのでここまでにします。
そして次回作は早ければ今週中に公開します。
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