役職?召喚魔術師ですがなにか?
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小学生は最ry
結論を言うと言い負かされた。
あの後ギルドへ直行し、受付へと赴いたのだが、担当したエイナとか言うエルフの女性にコテンパンに言い負かされたのだ。
曰く「規則ですから」と言われ、「死ななければ良いだろう」と言っても「そう言って死んだ人は過去何百といました」と返される。
最終的には「昨日貴方に似た容姿の男がダンジョンにいたと報告が来ていましたが?」
と眼鏡を持ち上げ、冷たい目を向けてきやがった。
「覚えてろよ阿呆女ー!」
と言い残して走り去ることしかできなかった。
「くっそ…何でファミリアに入らにゃならんのだ…」
そもそもファミリア入団の基準と言うのがわからん。
身体的な面を見るのか、能力を見るのか、そもそも門前払いってどう言うことなのだろうか?
「おのれぇ…」
結局分からないままに道を行く俺は、曲がり角の処でふと声が聞こえた。
「よぉよぉアーデ」
「…こんにちわ、カヌゥさん」
大柄な男が対照的に小柄な少女へと、汚ならしい目を向けながら絡んでいた。
「俺達は今月のノルマクリア出来てなくてよぉ、俺たちに施してくれよ」
施し。この男のファミリアは月々にファミリアに金を納めなくてはならない事になっている。
各々に納めた者達は、ファミリアの神からソーマと呼ばれる神酒を貰えることになっている。
神酒は神にとっては極上となる酒だが、人が飲めばたちまち麻薬となり、狂ってしまう。
この男もまた、その酒に酔った者の一人である。
「申し訳ありませんが、私もまだ達成できておりませんので…」
「おいおい、嘘はいけねぇぜ?俺達はお前が余裕でクリアしてる事知ってんだよ」
「っ…リリには、わかりません…」
「隠してんしゃねぇぞ糞サポーターが!」
「あぐっ!」
殴られた少女は狭い壁に打ち付けられる。
取り巻きの一人がそのまま胸ぐらを捕み、カヌゥと呼ばれた男の正面に掲げられた。。
「ほら、リリルカ・アーデ…これ以上隠すってんなら、どうなるかわかんねぇぞ?」
少女は思う。何故自分ばかりがこんな目に遭うのか、と。
少女は思う。何故自分には抗う力が無いのだろうと。
少女は願う。誰か、助けてください―――!
「罠、マジックアーム・シールド」
不意に、そんな声が聞こえた直後、少女の体は柔らかい何かに掴まり、引っ張られた。
そして何かに受け止められた、と顔をあげたとき、少女の目には一人の男性の顔が目に入った。
「何だテメェ…」
何か柄の悪い奴等がいるけど、カツアゲって何処にでもあるもんなんだな。
「通りすがりの決闘者」
「何言ってやがんだクソガキぃ!」
声にドスを聞かせて凄んでくるマッチョさん。
正直言えば臭そう。風呂とか入ってないのかな?
つーかyesロリータnoタッチを知らんのだろうか?
「カヌゥさん、コイツだ!アストレアの連中を助けたやつ!」
「はぁ?こんなひょろくせえガキに何ができるってんだよ」
「ホントなんですって!」
何か言い合い始めたけど、余裕こきすぎじゃね?
「魔法、ミストボディ」
この魔法は戦闘によって破壊されない効果を持つのだが、実体ともなれば、物理攻撃が効かなくなるだけで魔法は受ける。
魔法を使いそうにないこいつらだから使えるってだけの見かけ倒しだ。
そしてもう一つ。
「お、おい!アイツ等何処行きやがった!?」
「いねぇ!」
「さがせ!」
このように、装備者とその近くにいる者の姿を見えなくするのだ。
「(暫く静かにな?」
「(は、はい…」
バタバタと辺りを走り回り、カヌゥ達は俺がいる場所から遠ざかっていった。
それを確認できた後、ゆっくりとミストボディを解除して立ち上がる。
「助けていただいて、ありがとうございました」
「いやいや、極々普通とのことをしたまでだよ」
まぁあのまま見てるのも後味悪いし、助けるほうが良いに決まってる。
「ところで冒険者様は魔法が使えるのですね?」
「へ?あーうん。まぁな(冒険者じゃないんだけどね」
「凄いですね。私にはまだ発現すらしてないのに…」
「これは俺の故郷の物でな。まぁスキルとかじゃないんだ」
「そう、なのですか?」
何かどんどん土坪に填まっていく気がする。
「いかがでしょう、お礼にご飯を奢っちゃいますよ?」
「ああ」
……ん?やべぇ、話聞いてないのに頷いちゃった。
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