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能力者たちが事件を起こしたり解決したりするようです

作者:平社員
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第五話 眼前には瓦礫の山、次に来たるは始末書の山

病室の扉を開き、外へ出る、先程まで降っていた雨は既に止んでおり
雲の隙間から陽の光が射し込み瓦礫の山となった警察署を照らす

「これどうしよう...」

ボソリとつぶやくと、瓦礫の山を退かしながら中から吹河が出てきた
襟元まである茶髪の髪の毛がグシャグシャになっておりいつも着ているスーツは泥だらけだ
大方今まで気絶していたのだろう

「あ、吹河さん!!大丈夫ですか...?」

「ああ、幸い中央区の事件で殆ど人が居なくて助かったな...」

「そうですか...なら良かった」

と、胸をなで下ろす

「後ろから不意打ちを食らってな、そういえばやった奴は何処だ?」

「倒しましたけど、起きたらいなくなってました...成美も」

「これは始末書が大変そうですね...」

「考えるな...星雅...頼むやめてくれ」

お互いに事後報告をしていると聞き慣れた犬の鳴き声と
そしてもう一人、少女の声もする

「せんぱーい!」

そう言いながらリードを付けた柴犬に引っぱられながら黒い長髪の男を振り回して走ってくる

「はぁ...はぁ...せ、先輩、と班長...はぁ...これ、どうしたんですか...」

一度咳き込むと深呼吸をして息を整える、着ている中学校の制服も着崩れている
胸元の名札に2年と自分の学年と姫月(ひめつき) 琴葉(ことは)と名前が書いてある

「ああ、これか、まあいろいろあったんだ...あとで話す」

そう言って吹河に向き直る

「班長、そういえば風真はどうしたんですか」

「ん、ああ、速水なら中央地区に向かわせた、何やら異能絡みの事件が発生したそうだ」

まあ、やつなら大丈夫だろうと考え、まずは瓦礫の山をどうするか考える
突然先程まで大人しかった、アルビノの柴犬、マルチが鳴き出す

「マルチちゃんによると、中央地区の煉瓦街の時計塔広場で異変が発生したそうです。
なにやら時計塔が全壊だそうです」

煉瓦街とは西洋風の街並みで、観光地としても有名な場所だ

「ふむ、星雅この件は速水1人では手に余りそうだ、行けるか?」

「最初からそのつもりです」

そう言うと無人のサイドカー付きの白バイがひとりでに星雅の前に止まる

「免許は持ってるな、それに乗っていけ」

「詳しい場所はマルチちゃんが教えてくれるそうです」

任せろと言わんばかりにワンとマルチが吠える

「あ、勿論私も行きますよ!私以外マルチちゃんとお話出来ませんもんね」

マルチと一緒にサイドカーに乗り込む

星雅がバイクに跨りヘルメットをかぶる、もう一つのヘルメットを姫月に渡す

「しっかり捕まってろよ、道路交通法とか無視でとばすからな」

サイレンを鳴らし、アクセルを踏みしめる

「ここは東南地区ですから、取り敢えず高速に乗れば中央まで直通で行けますよぉ~」

「分かってる!」

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数十分ほどして中央地区の煉瓦街に着く...目の前に広がっているのは、また瓦礫の山だった
 
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