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がっこうぐらし!The world in confusion

作者:ウィング
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chapter9

あのテレビのあと俺達は意気消沈で静まり返りあっという間に夜になっており俺は部屋の寝袋の中で今回のことを考えていた。

といっても行動にうつさなくては意味がないのだが…

雄也「俺はどうすればいいんだ…」

優柔不断になる…決断をすることができない。

コンコン

悠里「ゆうくん…起きてる?」

ノックして入ってきたのは悠里であったがその後ろには音姉、由紀などここにいる全員が集まっていた。

雄也「どうしたんだよ…みんな揃って」

胡桃「いや、一緒に寝ようと思ってな」

雄也「え?」

いや今なんとおっしゃいました?

悠里「というわけでお邪魔します」

そういった悠里達は部屋に入ってきて持ってきていた寝袋を広げていく

雄也「待て待て待て!いきなりそんなこと言われて…」

佐倉「今日のことがあったから…」

きょうのことがあってみんな恐怖したんだ、だからみんな一緒の場所で寝ようと…

由紀「それに…何でかな?ゆうくんが何処か遠いところに行っちゃうような気がして」

雄也「…由紀」

遠くにか…由紀は何か嫌なことを感じたのだろうだからそんな予感がしたと推測する。

雄也「安心しろ何処にも遠くになんか行ったりしないよ」

おれは優しく由紀の頭を撫でる。

由紀「うん」

由紀をみているとるーちゃんと重ねてしまう…るーちゃん大丈夫かな?

そうしているうちに寝袋の準備が終わった悠里達…なのだか…

雄也「あの~悠里、音姉…どうして抱きついてくるの?」

俺の両サイドを悠里と音姉が占領し俺の腕に絡み付いてくる。

悠里「今日は昔みたいに甘えさせて…ね?」

音姫「お姉ちゃんもこっちの方が落ち着くから、いいよね?」

この二人絶対いやといってもやめないだろうな。

佐倉「あらあら、月宮くん、幸せね」

胡桃「これぞ、両手に花だな」

雄也「悠長なことを」

ため息をつくがそこまで嫌だというわけではない…まあ今日一日な訳だから…な

そして明かりを消して今日はいつもより早めに眠ることになった。

翌日、いつもの通り見回り、昼頃佐倉先生に呼び出され生徒会室に集まった。

佐倉「実はね、若狭さんと話し合って決めたの部活を始めようって」

雄也「部活?」

佐倉「ええ、学園生活部」

雄也「つまり、この籠城状態を部活の一環ということにするってことですか?」

佐倉「ええ、そうよ」

確かにそれなら気も晴れるだろうしいいかも

雄也「いいんじゃないですか?音姉は?」

音姫「私も賛成だよ」

胡桃「なら決まりだな」

佐倉「そう、それじゃあ…」

だが現実は甘くはない。

雄也「っ!?」

俺は奇妙な感覚にとらわれて窓から外を見渡す。

佐倉「月宮さん?」

胡桃「どうしたんだよ、雄也?」

雄也「…いや…何か変な感じがして」

胡桃「変な?そんなの何処にも…っ!?奴等がいなくなってる!」

雄也「っ!!確かに…この時間帯ならまだいるはずだそれが影ひとつないなんて…」

異常だ…これは何かあると思った矢先校門前に俺には見慣れた武装をしたものたちが目に入った。

雄也「伏せろ」

胡桃「え?ええ!?」

とっさに視界に入らないように体をしゃがませごっそり外を伺う。

相手は二人、接近戦タイプと遠距離タイプの二人で武器は槍と杖か…

胡桃「あいつら何者だ?まさか救助しに来てくれたのか?」

雄也「まさか、恐らく目的は生存者の始末…つまり俺達だろう」

佐倉「そんな…どうして…」

雄也「昨日の一件で操ってた組織が動き出したといったところだろう」

悠里「…本当に助けてもらえないのかしら?」

…もしかしたら、無くはないかもしれない、あれは武装隊の一員のようだし交渉することもできるかもしれない

雄也「なんとか、やってみよう…」

佐倉「それじゃあみんなでいきましょう」

そういって俺達は部屋を出て階段を下りグラウンドへと出ると奴等もこちらに気づいた。

武装局員A「やっぱり生存者だな」

佐倉「あの、あなた方に保護をしてもらいたいのですが…」

武装局員B「保護だと?」

雄也「そうです、こちらは民間人です、ならば黒幕であろうと善意があるなら保護をお願いしたい」

武装局員A「なるほどな…生き残るためにはなりふり構わないってわけだ…」

佐倉「はい、お願いします」

武装局員B「残念だが答えはNOだ」

そして武器を構えて俺と胡桃も悠里達を後ろに下がらせて構える。

悠里「どうしてですか!?」

武装局員A「上はこの案の俺達以外の関係者は全て抹殺しろと言われていてな…悪いが死んでもらう」

武装局員B「要するに野蛮人に手を貸す義理なんてねえんだよ!」

胡桃「野蛮人って…同じ人だろ!」

武装局員B「人間にはな二つ人種があるんだよ、1つは俺達のようなエリート…もう1つは管理する価値もない、野蛮人さ!」

音姫「どうしてそんなひどいこと…」

武装局員B「それが法なのさ!」

聞いてるうちにイライラしてきた。

雄也「つまり、はじめから交渉の余地はなかったってわけだ」

武装局員B「ああ、だから潔く…」

覚悟は決めた、俺は決断する、その先に待っているのは戦場であると確信しながら前へと進もうとする。

雄也「じゃあ…戦うか」

その道は棘のみち、血の道にして裏切りの道そして孤高の道そんなのは既にわかってる。

雄也「胡桃…みんなを頼む、これからみんなを守るのはお前だ…それと俺みたいには絶対になるなよ」

胡桃「雄也?」

後ろにいる悠里たちも戸惑うその声には覚悟の覇気が見られるからだ。

雄也「由紀…ごめんな…昨日の約束守れそうにない」

由紀「やだよ…ゆうくん」

雄也「佐倉先生…悠里たちをお願いします、先生がみんなにとって心の支えなんですから」

佐倉「月宮くん…いったい何を…」

雄也「悠里、またあえて本当によかった…それと突然のことには冷静に対処するんだぞ」

悠里「ゆうくん!」

雄也「音姉、短い間だったけど初音島での生活は忘れないよ…ありがとう、それとさくらさんや義之達にごめんって謝っておいてくれ…それと帰る手立てなんだけど…海鳴市に住んでいるハラオウン家にいけ…リンディさんやクロノならもとの世界への手がかりも見つかるだろうしな」

音姫「やだよ…こんなのやだよ…雄也くん!」

みんなには最後の言葉を言ったもうやり残したことはない…

雄也「さてと、行こうか…アーク…」

アーク[よろしいんですね?]

雄也「ああ…腹はくくった!俺はもう一度殺戮者に戻る!」

アーク[マスターのお心のままにスタンバイレディ?セットアップ]

決意した俺は魔法陣を展開しアークを起動させるそして黒を強調した軽装のバリアジャケットに切り替わり右手には白銀で輝く剣ルミナスアークを装備する。

雄也「さてと…」

セットアップ完了して視線を驚いている局員達に向けてアークを構える。

雄也「俺は殺しにかかるから…覚悟を決めろよ?」

俺は再び剣をとる、殺戮者にして反逆者となった俺に迷いはない。

時間はかけられない一気に討つ。

俺は一気に踏み込み槍使いの右脇を狙うようにアークを振り上げる。

武装局員B「っ!!」

気づいた局員は槍で防いできてぶつかり合いで火花が散る。

武装局員B「こいつ!」

一旦距離をとって再び飛び込み連続で切りかかる。

武装局員も焦りはしているがなんとか防いでくる。

武装局員B「調子に乗るなぁ!!」

防戦一方だった相手が我慢の限界からか反撃に出てくるが

雄也「ダークスラッシュ」

反撃しようとしたときの隙をつきアークの刀身が黒いオーラを纏い斬りかかり局員の右腕を切り裂き大量の出血をする。

武装局員B「あぁぁぁぉぁ!!!!」

雄也「止めだ」

止めを刺そうとしたとき後方にいた局員が砲撃を放ってきた。

雄也「闇よ」

先に砲撃魔導士を片付けようと俺はまた闇の力をアークに纏わせて上段の構えで構える。

雄也「デス…ブリンガー」

一気に振り落とし闇の力が纏った斬撃が砲撃を押し消し局員を飲み込んだ。

煙がまい晴れてくるとそこにはなにもおらず、跡形もなく消滅させられたのだろう。

武装局員B「なんだ…なんなんだ!一体」

雄也「答える筋合いはない、お前も消えろ 」

生かしておくと後々の災いにもなるかもしれない。

だから今殺す

音姫「やめて!雄也くん!」

そんな織りだ、音姉が俺の間に割って入ってきた。

雄也「音姉、そこを退いてくれ」

音姫「駄目だよ!こんなの間違ってるよ!」

雄也「今ここでこいつを討たなきゃ確実に大勢の敵に襲撃される!そうなればどうなるかわかるだろ!?」

いや、もしかしたら交渉に望んだ時点でアウトだったかもしれない…

音姫「お願い…いつもの優しい雄也くんに戻ってよ」

音姉の瞳からは涙がこぼれ落ちていた。

……覚悟したというのに俺も甘いな

雄也「…おい、さっさとここから去れ、今回は免じて見逃すだが…次はないぞ」

武装局員B「く、くそ!」

武装局員はそういって転移魔法で何処かへと転移していった。

雄也「……」

もう後戻りもできない…そしてここにいる資格もなくなった。

俺は校門を出ようと歩き出す。

胡桃「おい!どこにいくつもりだよ!まさか、あいつを追いかけて」

雄也「無理だ、正直どこにいったかは知らない……だけど、俺がこの世界に戻ってきた理由が何となくわかった気がする」

胡桃「それってなんだよ…」

胡桃は恐る恐る訪ねる。

雄也「これが俺の…運命だった…それだけだ」

あの日から局員の道に入った日から俺の運命は決まっていた。逃げても結局運命は代わらなかった殺戮者は殺戮者でしかなかった…平穏など望めなかったのだ。

雄也「…俺は平穏なんかを求めちゃいけなかったんだ…だからお別れだ…最後に1つだけ…生きてくれ」

そういい残した瞬間俺は駆け出した悠里たちから逃げるかのように…

後ろからみんなの声が聞こえてくる…振り向くな俺に差し伸べる手を取るわけにはいけない。

そんな屋根を飛びうつりながら移動しているとポツリと雨が振りだしてきた。

そんなことをきにすることなく俺は学校から離れていった。

 
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