助け方
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第二章
だからだ、彼も橋口本人に言うのだ。
「だからな」
「理系もだね」
「自衛官になれなくてもな」
「道はあるっていうんだ」
「それだけ勉強が出来たらな」
橋口程、というのだ。
「だったらな」
「官僚とか科学者とか」
「はっきり言ってな」
彼はあえてだ、橋口に言った。
「自衛隊だけじゃないだろ」
「道は」
「ああ、そうだろ」
「うん、言われてみればね」
橋口もだ、彼の言葉にこう返した。
「そうだよ」
「だろ?だったらな」
「けれどね、どうして僕が自衛隊に入りたいか」
その理由をだ、彼は友人それもそこにいる全員に話した。
「誰かを助けたいからだよ」
「ああ、自衛官はな」
ここでだ、周りもわかった。
「災害救助が仕事だからな」
「そして国防もな」」
「どっちも人を守る」
「そうした仕事だよな」
「うん、誰かを守られたら」
切実にだ、彼は友人達に話した。
「それは凄く嬉しいことだよね」
「確かにな、誰かを傷つけるよりもな」
「助けられた方がいいよな」
「やっぱりな」
「それが第一だよな」
「そうだよね、だからね」
それでとだ、彼はまた言った。
「僕は自衛官になりたいんだ」
「災害救助、国防」
「そうしたことの為に働いて」
「そうしてか」
「それを仕事にしたいんだな」
「そう思うんだ、これを言うとね」
ここでだ、また言った橋口だった。
「警察や消防署もだけれど」
「どっちも人を助ける仕事だな」
「そっちもな」
「けれどやっぱりな」
「誰かを助ける仕事っていったら」
災害や国防、それを助けると考えればだ。
「やっぱり自衛隊か」
「あそこが一番か」
「何ていってもな」
「まず言うけれど目立つつもりもないよ」
橋口はこのことは断った。
「別にね」
「ヒーローみたいにか」
「そうするつもりもないんだな」
「ただ誰かを助けたい」
「それだけか」
「そうだよ」
こう言うのだった、友人達にも。
「何かでね」
「いい心がけだけれどな」
「けれど自衛官になりたくてもな」
「運動神経がないと」
「本当に辛いからな」
「どうしたものかな」
本気で困っている言葉だった。
「やっぱり警察官か科学者かな」
「法学部か工学部に行って」
「そしてな」
「それかお医者さんか」
ある学友がこうも言った。
「そうするか?」
「医学部に行って」
「ああ、だから御前理系もいいからな」
とかく勉強は出来るからだというのだ。
「そっちもいいだろ」
「お医者さんになったら」
「ああ、人を助けられるな」
「確かにね」
その通りだとだ、橋口も答えた。
「お医者さんなら」
「ならどうだ?御前だったらいい大学の医学部に入ることが出来てな」
そして、というのだ。
「お医者さんになれるぜ」
「それじゃあ」
「お医者さん目指すか?」
「それがいいかな」
「じゃあそっちに行こうかな」
「そうすればどうだ?」
こう彼に言うのだった、そしてだった。
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