転生者の珍妙な冒険
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タルカスと戦ってるジョナサンの視界はきっとこんな感じ・決着
前書き
待たせてすみません。
ジョジョを6部の途中まで読んだので、敵などが使うスタンドも幅広くなると思います。
全てが止まった、灰色の世界。
4部以降「最強のスタンド」と呼ばれる「星の白金」が停止させた時間の中。
観客も司会者もタルタスも彼の武器も、全てが止まっている中でただ1人、夜集阿の他に動いている者がいた。
「やはり、奴も入ってこられたか、この時間停止に。」
心の中心に忍び込んでくるような凍りつく眼差し、黄金色の頭髪、透き通るような白い肌、男とは思えないような妖しい色気
そうとでも表現すれば、その男の容姿を表現出来るだろう。
傍らに己のスタンドを発現させたその男は、遥か上空から闘技場を見ていた。
「だが、しかしまだ弱い。我がスタンドの敵ではないな。」
そう呟くと、男は闘技場に背を向け、
「それに、『あの女』に勝てる保証すら、どこにもないのだ・・・・」
その言葉と共に、姿を消した。
『オラァ!!!』
星の白金に餓蛇を破壊させて包囲網から脱出。俺に出来たのは取り敢えずそこまでだった。
「ぐっ・・・・、はぁ・・・。」
息を吐いて膝をつく。予想は出来てたけど、やっぱりこっちの時間停止はキツい。
「成程・・・、明確に何秒と時間が決められてる訳じゃなく、俺の精神の続く限り任意、か・・・。作品とは少し違うが、それも俺なりの成長といったところかな。」
分析を終えたところで、呼吸を整えて立ち上がる。
まだ時間停止は続いてる。こうしてる間にもゴリゴリと精神力的なのが削られてるのが分かるからあと何秒もつかは分からんが・・・・。
「それでも、せめてこの一撃!!」
一蹴りでオッサンとの距離を詰める。そのままオッサンのガラ空きの胴に星の白金の全力の拳を打つ。
「っ、テメェ!!!」
拳が胴に触れたその瞬間、時間停止の限界が来た。途轍もない疲労感と共にオッサンの声が耳に届く。
「だが、もう遅いぜ!! ブチかませ星の白金!!!!」
『オラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオォラアァァァァァ!!!!!!!!!』
「ぐはあぁぁぁぁぁぁぁ!!!?」
『い、一体何が起こったのかー!!!! 我々は、一瞬たりとも目を離していなかった!! 全て目撃していた!! だがっ、今この瞬間に何があったのか、全く理解出来ない!!! 瞬間移動か何かのようにタルタス選手の眼前まで迫ったヨシュア選手の精霊が、猛烈な突きの連打でタルタス選手を吹き飛ばしたーーーーーー!!!!』
「今大会のダークホース、ヨシュア選手はまだこんな隠し玉を持っていたんですね~。あの速度もさる事ながら、あんなに強烈なラッシュを食らってはもう立ち上がるのは困難でしょう。」
実況と解説の声も、オッサンが倒れると同時に始まった審判のカウントも、全てが遠くに聞こえる。
解説者が立ち上がれないだろうと言っていたが、立ち上がられたら困るのは俺だ。全身を包む疲労感が半端ない。
(もう時間停止は不可能。出来て波紋の呼吸を1回程度。立ち上がってくれるなよオッサ・・・・ん!?)
「ゲッ、ハアァァァぁァァぁァァァあァァ!!!?」
審判のカウントが9まで行ったその瞬間、俺の体は起き上がるなり武器も鎧も脱ぎ捨てて突っ込んできたオッサンの拳によって場外ギリギリまでぶっ飛ばされた。
「ぐっ、おえぇぇぇぇぇぇぇ・・・・・。」
そのまま、胴にくらった一撃に耐え切れず嘔吐する。マジかよ、まだ起き上がれるのかよ!!!
「どうして起き上がれるのか、そんな感じの表情だなヨシュアよ。」
蹲る俺を愉快そうに眺めながら、オッサンが俺に語りかける。
「簡単な話だ、俺はお前が目の前に来た瞬間、全身に力を入れて筋肉を膨張させたのさ。まぁ、言わば肉の鎧だな。」
「な、何じゃそりゃ・・・・、無茶苦茶だな・・・オイ・・・・。」
「お前のあの瞬間移動にしか見えん攻撃の方が無茶苦茶だっつうの。で、どうする? 吐く程ダメージ負ってるんだったらもう降参するか?」
このジジイ・・・・。俺がそんなのする気がないって分かりきってるってのに・・・・・。
湧き上がる怒りや興奮を押さえ込み、何とか立ち上がる。
「ケッ、そんなことする訳ねぇだろうがオッサン。アンタこそ耐えはしたがさっきのラッシュでもうフラフラの筈だ。やられかけの相手を前に退けるっかってんだ。」
「上等、そのくらいしてもらわねぇとな。」
満足げなオッサンの呟きを聞き流し、最後のひと呼吸をする。
体はもう限界、肺が張り裂けそうな程に痛い。
だが、全身に波紋の力が漲り、オッサンにくらった攻撃の傷が徐々に癒えていく。
どうせ最後なら全力だ。そのくらいしねぇと目の前の『覇王』には勝てん。
「究極・深仙脈疾走!!」
『何だあぁぁぁ!? ヨシュア選手の体から山吹色のオーラが立ち上り、ヨシュア選手が輝いて見えます!!!』
「これまでの姑息な手から考えたらあまり似合わない色ですねぇ。」
解説者やかましいわ!
「さぁ、これで最後にしようぜオッサン。」
「・・・そうだな。」
呟いたオッサンが武器庫から巨大な棍棒を取り出す。
「お前に打ち込んで、敗れた技だ。あれから研鑽を重ねた。今度は敗れん!!」
そう言って構えるオッサンの闘気と気迫に、会場が静まり返る。
「そうかよ。なら今回も敗ってやるさ。」
「ほざけぇぇ!! 金剛棒・『豪風』!!!!!!」
轟音と共に迫ってくる巨大棍棒。
迫力も何もかも以前とは段違い、流石タルタス・フォードだな。
「そんなアンタだからこそ、俺は左腕を犠牲にしてでも勝利を掴む!! 波紋肘支疾走!!!!」
足を踏ん張り、左肘を棍棒にぶつける。
激痛と嫌な音と共に骨やら何やらが砕け散るが、そのまま体を捻り、棍棒を躱す。
関節を破壊されて千切れた俺の左腕と共に、オッサンの棍棒が目の前を通過して地面にめり込む。
「何っ!?」
「キャアァァァァァァァァァ!!!!!!!!!」
女性陣の甲高い悲鳴に紛れて、トラブルに困惑するアンタの声も聞いたぜオッサン!! その一瞬で十分!!!!!
「左腕は勝利の代金に置いてくぜ!!! 太陽の波紋!!!! 山吹色の波紋疾走ッ!!!!」
「おぐあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!!!!」
鳩尾にめり込ませた俺の右拳から流れ込んだありったけの波紋がオッサンの体内で暴れまわり、ズームパンチを利用して吹き飛ばされたオッサンの体が武舞台の石に投げ出される。もう、ピクリとも動いてねぇ。
『決まったあぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!!!! 今度こそタルタス選手、意識を失って立てません!! 決勝進出を勝ち取ったのは!! 前大会王者すら下したダークホース、セイト・ヨシュア選手だあぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!!』
「へへ・・・・・・、やった・・・・・・ぜ・・・・・・。」
この時、緊張の糸が切れて倒れ、気絶した夜集阿は勿論、他の誰も知らなかった事実がある。
試合を待合室で観戦していた聖騎士、ボブ・スミスは、結果を見届けるとホッと息を吐いた。
満足そうに、そして、少しの安堵も込めて。
決勝戦、ボブ・スミスVS夜集阿 聖斗
後書き
夜集阿 聖斗:『格闘家』『奇術師』:ランクA+
・波紋の呼吸法【レベル2】
波紋ズームパンチ
波紋疾走
波紋カッター
仙道・波紋疾走
銀色の波紋疾走
生命磁気の波紋疾走
山吹色の波紋疾走
稲妻十字空烈刃
クラッカーボレイ
波紋肘支疾走
我流・冷酷な怒りの波紋疾走
深仙脈疾走
・スタンド「タロット大アルカナ」【レベル2】【現在固定:星の白金】
0番『愚者』の暗示する「愚者」
1番『魔術師』の暗示する「魔術師の赤」
4番『皇帝』の暗示する「皇帝」
6番『恋人』の暗示する「恋人」
7番『戦車』の暗示する「銀の戦車」
8番『正義』の暗示する「正義」
9番『隠者』の暗示する「隠者の紫」
10番『運命の車輪』の暗示する「運命の車輪」
15番『悪魔』の暗示する「悪魔」
17番『星』の暗示する「星の白金」
21番『世界』の暗示する「世界」
レオパルド・ジーク(神風 零弥):『格闘家』:ランクS-
・神砂嵐の流法【レベルMAX】
真空竜巻
闘技・神砂嵐
・漢武夷流柔術【初期レベルMAX】
神砂の拳
セーナ・フォクス:『格闘家』:ランクB
・イヌ科の嗅覚【初期レベルMAX】
・イヌ科の聴覚【初期レベルMAX】
・波紋の呼吸法
ネーナ・チュミン:『アーチャー』『補助魔術師』:ランクA
・魔導弓【レベル2】
回復型
威力型
速度型
(上から順に使用頻度の高さ順)
・補助魔法
ヒール(極小回復)
ホイミヒール(小回復)
ケンロ(防御小アップ)
ムッキ(攻撃力小アップ)
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