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オズのポリクローム

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第十二幕その九

「そうしているわ、けれど今はね」
「こうしてですね」
「ジョージ達と見ているけれど皆で見ているから」
 だからというのです。
「とても楽しいわ」
「そういうことですね、僕も一人だと」
 一人で今見ている景色を楽しんでもとです、ジョージも思うのでした。
「こんなに楽しくないですね」
「そうよね」
「はい、ここまでは」
「皆と一緒に楽しむよ」
「一人の時よりずっと楽しい」
「そういうものなのよ」
 こうジョージにお話するのでした。
「だから皆でね」
「わかりました」
 ジョージはにこりと笑ってポリクロームの言葉に頷きました。
 そしてです、皆でなのでした。
 お空から見るオズの国の景色を楽しんで。それからでした。
 緑のエメラルドの都に戻ってです、王宮のお庭に着陸してでした。
 皆で飛行船から出るとです、すぐに王宮の皆が迎えてくれて。
 先頭にいるオズマが笑顔で言葉をかけてくれました。
「今回の旅はどうだったかしら」
「今回も最高の旅だったわ」 
 ドロシーがオズマに笑顔でこう返しました。
「本当にね」
「そう、それは何よりよ」
「色々なことがあって」
「そうみたいね、お顔に書いているわよ」
「私の?」
「皆のね」
 ドロシーだけでなく、というのです。
「お顔に書いてるわよ」
「色々なことがあったって」
「楽しいことがね」
 こうドロシーに言うのです。
「そう書いてあるわよ」
「そうなのね」
「お空の旅もいいものなのね」
「うん、最高だったよ」
 今度は魔法使いがオズマに答えました。
「だから今度は皆でね」
「お空の旅をなのね」
「しようね」
 是非にというのです。
「時間がある時に」
「わかったわ、私も忙しいけれど」
 それでもと答えるオズマでした。
「旅の時間は作るものだから」
「そう、だからね」
「今度は皆で行きましょう」
「そうだね、では僕達も」
「その時は一緒に行こう」
 かかしと木樵も乗り気です。
「お空の旅も楽しそうだし」
「是非ね」
「何でもお空には天使君達がいるお城があるとか」
「そこにも行ってみたいしね」
「行って来たわよ」
 実際にとです、ポリクロームが二人に答えました。
「そこにも」
「おや、もう行って来たんだね」
「そのお城に」
「とても奇麗な場所だったわ。だからね」
「皆でお空に出た時は」
「その時はだね」
「そう、お城に行きましょう」
 その天使さん達のお城にというのです、
「皆でね」
「ではその時もね」
「楽しみにさせてもらうよ」
「それじゃあね」
「その時まで別のことを楽しませてもらうよ」
「まずは皆が無事に戻って来たから」
 オズマがまた言います。 
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