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オズのポリクローム

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第十二幕その三

「それに反応があるから」
「あそこにあるよ」
「それじゃあ」
「あの雲に行けば」
 それで、というのです。
「雷玉があるよ」
「そうなんですね」
「じゃあ行こう」
 その雲までというのです。
「これから」
「わかりました」
「それじゃあ今からですね」
「あそこまで、ですね」
「雲を渡っていって行きましょう」
「あの、ポリクロームさん」
 ナターシャはポリクロームに尋ねました。
「これからですね」
「そうよ、私が雲と雲の間に虹をかけるから」
「それじゃあ雲と雲の間も」
「安心してね」
「わかりました」
「ううん、何か凄いですよね」
 ジョージも唸る様にして言うのでした。
「雲と虹を渡って進めるなんて」
「うん、オズの国でもね」
「そうそう出来ないことだよね」
 臆病ライオンと腹ペコタイガーが応えます。
「この国でも」
「そうそうはね」
「そうだよね、それが出来るなんて」
 それこそと言うジョージでした。
「夢みたいだよ」
「けれど夢じゃないから」
「現実のことだから」
 二匹でジョージに言います。
「行こうね」
「これから」
「わかったよ、じゃあこれからね」
 ジョージも笑顔です、そしてです。
 その足で先に進もうというのでした、ですが。
 雲の端から下を見下ろしてでした、ドロシーが言いました。
「気をつけましょう」
「ここから落ちたらね」
「ええ、オズの国では誰も死なないけれど」 
 トトにも答えます。
「それでもね」
「よくないから」
「そう、痛いわよ」
「それも凄くね」
「それにこの下は海だから」
「泳いでオズの国まで着けたらいいけれど」
「外の世界に行ってしまうかも知れないわ」
 その危険もあるというのです。
「だからね」
「ここは気をつけてね」
「雲と雲の間を渡っていきましょう」
 トトだけでなく皆にも言うのでした、そしてです。
 皆はポリクロームが作って雲と雲の間にかけた虹を渡りました、その虹の橋を渡ってみてです、臆病ライオンが言いました。
「何かね」
「うん、橋だけれどね」
「やっぱり普通の橋じゃないね」
「何か不思議な橋だね」
 腹ペコタイガーも言うのでした。
「硬いけれどきらきらとしてて」
「これが虹の橋なんだね」
「不思議な橋だよ」
「本当にね」
「そうかしら。私にしてみれば」
 橋を作ったポリクロームの言葉です。 
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