ガンダムビルドファイターズ ~try hope~ 外伝
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敗者の剣(つるぎ) 後編
ーーー--
「でっ………」
「「「「「「「出来たーーーーーっ!!!! 」」」」」」」
製作を手伝いして数十分たった後にトウイが戻ってきて、そのまま製作を続けて二時間以上。ようやく三機のガンプラが完成した。
「にしても凄い出来だ……」
「これはわいの中でも最高傑作や! 」
「自画自賛に値する! 」
「ふっ……」
「写メっておくッス」
「いやー。いざ完成すると、あっという間だったな~」
「お前は怪我して左手の人差し指が使えないっていうのに関わらず製作すんなよ…」
「まあトウイだし大丈夫よ」
「それよりも早速動かしてみようよ!僕早くバトルがしたい! 」
ユウがそう言うと他の皆もそれに同意し、俺、ユウ、ヨシナが完成したてのガンプラを手に取る。
「んで、相手は誰がするんだ? 」
「そうですね。なら、僕達全員とバトルしましょう」
「はっ?それってもしかして一度にか? 」
「はい。これぐらい相手に出来なければ、どのみちフレユールガンダムには勝てないと思いまして」
といっても、流石に無茶過ぎんだろ…。
「OK!じゃあ早速やろっか! 」
「そうだな。キハラの言うことも一理ある」
「………ああもうっ!やってやる!」
「そんじゃ、この人数でもあるし地下の方でバトルしようぜ」
「イチヨウさん。お願いするぜ」
「むっ?ようやくワシの出番か。長かったのぉ~」
イチヨウさんがカウンターから出てくると、右手を頭上に上げて指パッチンをする。まあこっからは説明がいらないと思うので、あえて飛ばさせてもらう。
「それではバトルをするか」
「よーし!思いっきりやってやんぜ」
「見せてもらいますわ。新しいガンプラの性能とやらを」
「大佐のセリフだね。まあともかくやろっか」
「トウイ君は怪我してるから駄目…」
『GUNPLA BATTLE combat mode』
『Startup』
『Model Damage level Set to C』
『Please Set Your GPベース』
『Beginning plavsky particle 』
『Dispersal』
『Field 1 スペース』
『Please Set Your GUNPLA』
『BATTLE START』
「サオトメ ヒロヤ!エルグライアガンダム!!出る!! 」
「ミヤモト ユウ!アルカナムプリスティン!!行くよ!! 」
「ヨシナ リンドウ。ランスロットガンダム!出陣する!! 」
ーーー--
「おいおい!なんだコレ!? 」
「どうするよリンヤ!? 」
「どうするも何も!僕にもわからないよ! 」
次々と放たれてくる剣を紙一重で回避するも、それでも少しずつ、けど確実に追い詰められていっている。
「ファンネル! 」
ダブルフィンファンネル装備のνガンダムからファンネルを全基射出してビームシールドを展開する。
「クオン!ジュンイチ!一旦後退して! 」
ジュンイチのガンダムAGE-2ダブルバレットと、クオンのガンプラがビームシールドの後ろに後退してきた。
「新しいガンプラの試運転ってのに、邪魔しやがって…」
「ついてねえ~」
「バトルも中断出来なくなってるし、もしかしてあれが噂の………」
クオンが新しいガンプラを完成させたいということで、バトルシステムのある店でテストをしようということになった。
それでバトルをしているとフィールドが突如宇宙空間から神殿へと変更され、どこからか機体が接近しているのに気づいて動きを止めると、その機体は攻撃してきたのであった。
「なあリンヤ。何か策はないのか?せめて一発喰らわせないと気が済まねえ」
「俺もクオンと同じ意見だぜ」
「……と言っても、多分特攻しか手がないし、この攻撃の中を掻い潜るのは無理があると思う。機体が壊れるのは必須だ。それでもやる? 」
「おうよ!」
「そんじゃあ、俺が突っ込む。援護は頼んだぜ。リンヤ、ジュンイチ」
クオンのガンプラ…パーティクルライザーが武器を構える。ダブルオーライザーをベースに、両翼のバインダーにGNソードピットを計四基取り付け、オーライザーの中央ブロックにはブースターを増設。オーライザーのバインダーの代わりにカレトヴルッフ型のGNソードⅥが二刀、大型刃のGNソードⅧが二刀の計四刀が装備されている。
本体の脛の部分には小刀が両足に装備されている。
右手に持つ刃が緑色のクリアーパーツで出来ている槍……GNソードⅦを主武装にしている。
「シールドはすぐにでも破られる……それと同時に飛び出して! 」
「「了解! 」」
ビームシールドはすぐに破られ、大量の剣がこちらに向かってきた。散開して攻撃をかわし、乱入してきた機体に接近していく。
しかし、散開しても無意味とでも言いたげな風に、剣が放たれる範囲が広がっていって三機を捉えていた。
「二人共!フォーメーション、ゲイボルグ! 」
νガンダムの前にガンダムAGE-2ダブルバレット、最後尾にパーティクルライザーという順に一直線に並び、乱入してきた機体に突っ込む。
フィンファンネル全基を射出してビームシールドを前に形成し、そこにパーティクルライザーのGNソードピットと本体のGNフィールドが展開される。
ガンダムAGE-2ダブルバレットは、バインダーからビームソードを発生させ高速回転する。
放たれる剣はガンダムAGE-2ダブルバレットのビームソードやビームシールド、GNフィールドにより弾きながら進んでいるものを、距離がある上に攻撃も激しいために、守りが徐々に削られていっている。
「持ってくれよ………! 」
「後少し…! 」
フィンファンネルで形成されたビームシールドは破られ、後はGNフィールド二枚だけになった。
「実剣は流石に防ぎきれねえかっ! 」
GNフィールド二枚を突き刺さっていき、糸が切れたかのようにGNフィールドを貫通していった。
「ぐっ…っ! 」
ガンダムAGE-2ダブルバレットに次々と剣が刺さっていきながらも動きを止めることなく突っ込むも、すぐに機体は剣に呑み込まれていった。
「後、少し……っ! 」
ガンダムAGE-ダブルバレットが地面に落ちた後、νガンダムがシールドを前に突き出して突っ込む。
「届い、た……」
乱入してきた機体……フレユールガンダムの目の前まで接近した。しかしνガンダムは既に戦える状態ではなく、すぐにガンダムAGE-ダブルバレットと同じように落ちていった。
「く、ら、えーーーー!! 」
パーティクルライザーがトランザムを発動し、GNソードⅧを二枚装備したGNソードⅦを右手に、GNソードⅥを左手に構える。
『ふん。まあここまで来れた褒美だ。特別に付き合ってるやろう』
フレユールガンダムは左手にリトリビュを構え、パーティクルライザーの攻撃に備える。
パーティクルライザーはGNソードⅥを、右肩から左腰にかけて斬り下ろす。フレユールガンダムはリトリビュでGNソードⅥを切断し、新しく装備した銃口の無いライフル……ヴァニタスライフルから粒子が噴出され、次第に剣へと形を変えた。
『切り裂け! 』
ヴァニタスライフルを左腰から右肩に振るい、パーティクルライザーの左腕、胴体、頭部を斬り裂いた。
「………このぉぉっ! 」
パーティクルライザーは倒れそうになるところを踏ん張り、フレユールガンダムに向けて大剣と化したGNソードⅦを突き出した。
フレユールガンダムはリトリビュで大剣と化したGNソードⅧの刃を切断するが、その直後にGNソードⅦからGNソードⅧの大型刃がパージされ、そのままGNソードⅦがフレユールガンダムの胴体に向かっていった。
『なにっ!? 』
フレユールガンダムはなんとか回避行動をするもかわしきれず、右腕の間接部に切り傷を付けた。
「傷一つ……付けたぜ」
『!………このガキがぁぁぁぁぁっ!! 』
リトリビュの刀身を巨大な斧に変更し、パーティクルライザーを斬りつける。パーティクルライザーは既に半壊状態だったため動くことすら出来ず、もろに攻撃を受けてしまった。
『貴様らぁ………思い上がるなよ!一片残らず破壊してやる! 』
フレユールガンダムが装甲から粒子を噴出し、フィールド上の粒子を吸収して剣へと化していった。
『散れ! 』
その声と共に剣が一斉放射をし、三機を呑み込む量で攻撃されてきた。剣が直撃するところで顔を伏せると、フレユールガンダムが放った剣と何かがぶつかる音がした。
『!? 』
乱入者が驚いたように声を上げ、それにつられて顔を上げる。その光景を見ると、大量の剣と剣がぶつかり合って攻撃を相殺し合っていた。
「遅れて悪かったな。後は任せてくれ」
「えっ? 」
隣に赤い機体が現れた。その機体はすぐにνガンダムを抱え、フィールドの外へとゆっくり落とされフィールドアウトにされた。他の二人を見ると、同じくフィールドアウトにされたようだ。
誰が操縦しているのかを確認すると、そこには見知った人物が立っていた。
「ヒロヤさん! 」
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