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ロックマンX~5つの希望~

作者:setuna
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Another22 FM集積プラント

 
前書き
超フォースメタル入手したエックス達 

 
ボロックを撃破し、超フォースメタルを入手したエックス達はレジスタンスベースに戻り、解析準備をして待っていたアリア達に超フォースメタルを差し出す。

アル「超フォースメタルか…これがどんな物か解析出来れば、いよいよリベリオンの企みが明らかになるだろう。ありがとうエックス、みんな。ここまで来れたのは君達の働きがあればこそだ」

マリノ「それにしても何だよあのボロックって奴は…あんな簡単にお宝を落としていきやがった…何か企んでるのは見え見えだったけど…」

アクセル「でも、あのボロックっていう幹部面白かったね。あそこまでお間抜けな奴だとやる気が削がれて大変だったよ。でもあんな奴に限ってしつこかったりするんだよね…」

ゼロ「ボロック…ふざけた奴だったな…次に見つけたら叩き斬る」

シナモン「…………」

ルナ「どうした?シナモン?」

シナモン「あ、いえ…超フォースメタルのことなんです。私はフォースメタルの力で回復能力を持っているので、何となく分かるんです。超フォースメタルは危険だって、こんな物が悪い人達の手にあったら駄目です。」

ルナ「そう言や、シャドウもそうだったけど、超フォースメタルを装着した瞬間、あいつのエネルギーが飛躍的に増大したよな?あんなのを大量に造られたら、流石の俺達も苦しい戦いになるかもな…」

マッシモ「あんな小さな超フォースメタルであれほど強くなるとは思わなかったぜ。小さいのがあるということは大きいサイズの超フォースメタルもあるってことだよな…?」

ルイン「あ、あまりそういうの想像したくないな。僅かな量だったらしいシャドウでもあれほどパワーアップするなら、通常のフォースメタルサイズをリベリオン幹部クラスが装着するとなると…うん、そんなことないはず…あんな莫大なエネルギーに耐えられそうなレプリロイドがいるわけないし…」

シナモン「でも…どうしてリベリオンみたいに技術を悪い方に使おうとする人達がいるんでしょうか?きっと超フォースメタルだって、アリア博士のシステマ・アリアみたいな使い道があるはずなのに…」

エックス「シナモン…そうだな、超フォースメタルにも平和的な使い方があるはずなんだ。あんな小さな超フォースメタルであれほどのエネルギーがあるなら、正しい使い方をすればより地球を豊かに出来るはずだ。」

シナモン「エックスさん…はい、そうですね」

ルイン「とにかく、超フォースメタルの解析まで、まだまだ時間がかかるだろうし。メンテナンス受けておこうよ」

アリア「うん、そうして来て。何とか超フォースメタルの解析を明日までには終わらせとく。みんな、フォースメタルの調整もしとくから。さあ、ゆっくりシタマエ!!」

ゼロ「何だその口調は?」

エックス「凄く懐かしい感じがするな…」

アリアとガウディル博士に超フォースメタルの解析を任せ、エックス達はメンテナンスルームに向かう。








































全員がメンテナンスルームでメンテナンスを受け、ルナが今思い出したように口を開いた。

ルナ「そう言えば、エアシティでスパイダーを見かけた奴がいるって噂を聞いたんだけど」

ゼロ「スパイダーを見かけた?」

ギミアラ採掘場で死んだはずのスパイダーがエアシティで発見されたという噂があることにエックス達は目を見開く。

ルイン「ああ、あれ?私も気になってエアシティに行って聞いてみたんだけど、その噂はスパイダーに片思いしていた人が広めたんだって、スパイダーが死んでしまったって聞いて電子頭脳に異常が出たんだってさ」

マッシモ「そうか…その人はよっぽど好きだったんだな、スパイダーのことが……」

スパイダーの死によって電子頭脳に異常をきたし、妄想と現実の違いが分からなくなってしまった人物にマッシモは同情したように言う。

アクセル「それにしてもギガンティスのレプリロイドは不思議だよね。何か1人1人がエックスやルインやルナみたい。人間臭いって言うか…」

マリノ「そうかい?私らからすれば普通なんだけどね」

ルナ「まあ、最近技術も進歩してるから、エックスや元人間の俺らみたいな思考をする奴らも出てくるのかもな」

ルイン「いいことだよ。いずれ人間とレプリロイドが手を取り合って完全に平等に暮らせる世界が出来るよ」

エックス「ああ、ライト博士が望んだ世界がいつか…」









































翌日、超フォースメタルの解析が完了し、全員がモニタールームに集まる。

ガウディル「この超フォースメタルを解析した結果、こいつは通常のフォースメタルの1万倍違いエネルギーを持っておるグワ!!」

エックス「どういうことなんだ?」

ルナ「だから何だよ?浸食値とかが異様に高いとかか?」

アリア「うん。それもあるけど、こんな小さいサイズの超フォースメタルでも、通常のフォースメタルの1万倍のエネルギーがあるってことは、この超フォースメタルが爆発しようものなら、最低でもギガンティス全体を消し飛ばして塵にする程の破壊力を秘めてるってこと。」

マリノ「はあ!!?」

ルイン「ええ!!?」

アクセル「そんな小さいフォースメタルのエネルギー爆発でギガンティス全体があ!!?」

マッシモ「アリア博士!!そいつを絶対に落とさんで下さいよ!!」

全員が一斉に僅かに後退するが、アリアは豪快に笑いながら説明する。

アリア「あ~っはっはっは!!大丈夫大丈夫☆この超フォースメタルはかなり高性能なケースに収められていて、超フォースメタルのエネルギーは安定しているから大丈夫。強引にエネルギーの波長を狂わせたりすれば話は別だけどね」

ゼロ「脅かすな全く…」

アイリス「そ、それにしてもそれだけのフォースメタルを造れるなんて、リベリオンには本当に優れた技術力があるのね…」

溜め息を吐くゼロと苦笑しながらアリアの手にある超フォースメタルを見つめるアイリス。

ガウディル「とにかく、超フォースメタルを造るためには、膨大な量のフォースメタルが必要となるわけじゃな」

ルイン「ギガンティスで、超フォースメタルを造れそうな施設に心当たりはありませんか?ガウディル博士?」

ルインに尋ねられ、ガウディル博士は顎に手を遣りながら唸り始めた。

ガウディル「う~む、ギガンティスでそれだけ膨大な量のフォースメタルを扱える場所は…フォースメタル集積プラントのメルダ鉱石プラントグワ!!」

ゼロ「なら、そのメルダ鉱石プラントとやらに行ってみるか。これ以上、超フォースメタルを造らせないためにもな」

ルイン「そうだね、行こうよエックス」

エックス「ああ」

アリア「ほら、君達。フォースメタルだよ」

アリアがエックス達から預かっていた専用フォースメタルをエックス達に返す。

マッシモ「ありがとうアリア博士」

アリア「うん…実はね、超フォースメタルを使って君達のフォースメタルを強化してみたんだ。」

ルナ「は?」

アリア「これからの戦いはとても厳しい物になる。少しでも生存率を上げるために利用出来る物は何でも使う。みんな、生きて帰ってくるんだよ」

普段は明るいアリアの真剣な言葉と表情に、受け取ったフォースメタルがいつもより重く感じられた。

ゼロ「…俺達も死にたくはないからな。」

ルナ「大丈夫だって、全員で力を合わせりゃあどんな奴だって片付けられるさ」

ルイン「そうだよアリア博士」

アリア「あは、頼もしいね君達。頑張るんだよ」

エックス「それでは…出撃します」

アリア「ゼロ君、向こうに着いたら読んどいて」

ゼロ「ん?ああ」

ゼロはアリアからメモを受け取ると転送システムに乗り込み、メルダ鉱石プラントに向かうエックス達。











































暗闇の中に雄々しく聳え立つメルダ鉱石プラントに辿り着いたエックス達だが…。

ルナ「寒っ!!?」

ルイン「な、ななな何でこんなに…寒いの…」

シナモン「フォースメタルは精製時に凄い高熱を放ちますから、それを冷やすために、メルダ鉱石プラントは極低温になっているって博士が言ってました。」

アクセル「そういうのは事前に言って欲しいよね…アリア博士にフォースメタルを強化して貰っておいて良かったね。体感温度調節機を最大まで上げても全然エネルギーが減らないし。超フォースメタルのエネルギーって凄いよ…」

マッシモ「これならハイパーモードの持続時間も滅茶苦茶上がってるんだろうな。」

マリノ「いいねえ、思う存分暴れられるってもんさ」

ゼロ「さて」

折り畳まれているメモを開き、内容を読む。

マッシモ「今時、紙のメモなんて珍しいな」

全員がメモの内容を見る。
それは強化の際に解放されたハイパーモードのことに関してのことだ。
ハイパーモードのエックスフォームとプロトフォームのことだ。
エックスフォームはバスターショットとの相性を重視した形態らしい。
バスターショットの連射性能とチャージショットの威力が上がる形態で、一方のプロトフォームはパワーフォーム同様、攻撃に重点を置いた形態。
パワーフォームと違う点は純粋な攻撃力が通常時の2倍であるという点は変わらないのだが、防御力を犠牲にし、犠牲にした防御力を攻撃力に変換するために攻撃力はパワーフォームを遥かに上回るらしい。
その代わり防御力は通常時を遥かに下回るために、プロトフォームを使用する時は必ずシナモンと組むか、エナジーフォームかディフェンスフォームに切り換えるようにと書かれていた。

ルイン「エックスフォームはともかく、プロトフォームは使い辛そうだね」

ルナ「前のゼロが使っていた強化形態の強化版みたいなもんか。超火力紙装甲型の」

ゼロ「らしいな」

メモを折り畳み直す。

エックス「施設の中に入ってみよう」

扉が開き、エックスがハイパーモードの中で最も探索能力の高いサードアーマーを発動した。

ルイン「エックス、大丈夫?」

エックス「ああ、どうやら戦闘をしない限り、エネルギーはあまり減らないようだ。探索だけならこのままで行ける」

アクセル「よし、調査開始だよ!!」

施設内を突き進むエックス達。











































一方、エックス達との戦いで逃げ延び、メルダ鉱石プラントに来ていたボロックは、スカーフェイスからフェラムがメルダ鉱石プラントにあるメンテナンスルームにいる事情を聞いて、吹き出しそうになるのを堪えるので必死だった。

ボロック「では何です?フェラムは先走ったことをして、しくじった挙げ句、エックス達の仲間の…しかもたったの1人にあっさりと返り討ちに遭って、重傷を負い、メンテナンスルーム行きというわけですかスカーフェイス?」

スカーフェイスと呼ばれたレプリロイドはフェラムがいるメンテナンスルームを見つめながら頷く。

スカーフェイス「エックス達の仲間のアクセルにDNAデータを解析する度に基礎性能を向上させる能力があるとはフェラムも思わなかったのだろう。流石はかつては人類救済のために造り出された新世代型レプリロイドのプロトタイプと言うべきか…今回ばかりは相手が悪すぎたとしか言いようがない。フェラムは責められんよ」

ボロック「まあ、彼女のプライドは今頃ズタズタでしょうからね」

自分の力を過信していた分、返り討ちに遭い、敵前逃亡をしたという事実は彼女の傲慢なまでに高いプライドをさぞズタズタにしたことだろう。
日頃からフェラムに対していい感情を抱いていないボロックはもし目の前にアクセルがいたら感謝の言葉か拍手を送っていたかもしれない。

スカーフェイス「ボロック、私は総統の元に戻るが…フェラムと“アレ”のことは任せたぞ」

ボロック「分かっておりますとも。“アレ”の鍵はちゃんと持っています。後は時間まで逃げ延びればいいだけです」

スカーフェイス「うむ…全ては理想のためにだ…ボロック」

転送システムに向かうスカーフェイスの後ろを見遣りながら、ボロックは内心で歓喜していた。

ボロック「(やった!!やったぞ!!鬱陶しいスカーフェイスはこの場を去り、フェラムはアクセルとか言うプロトタイプとの戦いで戦闘不能!!“アレ”の中にある超フォースメタルは私の物だ!!!!)」

ボロックはスカーフェイスの反応がメルダ鉱石プラントから消えたのを見計らい、メンテナンスルームに入る。










































フェラム「くっ…畜生…あいつめ…」

メンテナンスベッドに横たわるフェラム。
アクセルから負わせられたダメージがまだ完全に癒えていないのだ。

ボロック「どうもフェラム。随分と手酷くやられたようですね?」

内心でフェラムを嘲笑いながら尋ねるボロック。

フェラム「ボロック!!ちぇっ、言っとくけどね。あの時は油断したけど今度はあいつには負けない…」

ボロック「リベンジしたい気持ちは分からなくはありませんがねフェラム。たった今から総統より緊急連絡でね。エックス達が我々の計画を嗅ぎ付け、このメルダ鉱石プラントにやってきているのですよ。それで、“アレ”の中にある超フォースメタルを回収して撤退することになったのだよ」

フェラム「撤退!!?」

ボロック「イプシロン様は超フォースメタルが奴らの手に渡るのだけは避けたいと。特にエックスには探索能力の高いアーマーがある。見つけられるのは時間の問題。だからフェラム…お前の鍵を渡してもらおう」

フェラム「待ってよ、鍵は私達のボディに埋め込まれていて、簡単には取り出せないようになっているでしょう!?スカーフェイスに確認を…」

満足に動かせない身体で、スカーフェイスに通信を繋ごうとするフェラムだが…。

ボロック「確認などいらん!!鍵を寄越せフェラム!!」

ボロックの腕が、鍵を埋め込まれているフェラムのボディを穿つ。

フェラム「がっ!!?う…ああああ…っ!!」

ボロック「さあ、鍵を貰うぞ!!!」

フェラムのボディから鍵を奪うと、気絶したフェラムを放置して、ボロックは超フォースメタルのある場所に向かうのだった。 
 

 
後書き
原作とは滅茶苦茶違います

プロトフォームは紅蓮剣装備ブラックゼロみたいなもんです。 
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