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ポケットモンスター 急がば回れ

作者:おうーん
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2 1番道路〜トキワシティ

店員「お! きみはマサラタウンから来たんだね?」

グリーン「何だ?」

店員「オーキド博士を知ってるね?」

グリーン「当たり前だろ。俺のじーさんだぜ」

店員「ああグリーンくんか。
最後に会ったのはこんな小さいときだったから気づかなかったよ」

グリーン「俺はあんたなんか覚えてないけどな。
で、俺に何の用だ?」

店員「これ頼まれてるんだけど渡してくれるかい?」

グリーン「嫌だね。
俺はこれからポケモンマスターを目指して旅に出なきゃいけないんだ」

店員「そうか、もうグリーンくんもそんな歳になるのか」

グリーン「年寄りくさい台詞はやめろ!」

店員「ごめんごめん。
でも毎年こうして新人トレーナーを見送ってると、有望な新人を探すくらいしか楽しみがなくてね」

グリーン「おい、赤い帽子をかぶった奴はここに来たか?」

店員「ああ来たよ。無口な少年だったなあ」

グリーン「何だと!? こうしちゃいられん!」

店員「待った! これ持ってってよ」

グリーン「知るかそんなの」

店員「でも君は必ずマサラに戻ることになるよ」

グリーン「どういうことだ?」

店員「だって君、ポケモン図鑑持ってないじゃないか」

グリーン「しまった! じーさんからもらうの忘れてた!」

店員「ついでに頼むよ。
じゃ! オーキド博士によろしく!」

グリーン「仕方ない。頼まれてやる」

グリーンはお届け物を預かってショップを出た。

グリーン「しかしあいつ、何で俺が図鑑持ってないの知ってたんだ?」



ポケモンセンターでフシギダネを休ませたグリーンはマサラタウンに引き返すためトキワシティを出ようとした。
しかしその時、1番道路を抜けてきたブルーとイエローがやってきた。

グリーン「そうだ。あいつらの邪魔をしてやろう。
そうだな〜どうしてくれようかな〜
よし、あれで通せんぼしてやろう」

グリーンはそこら辺にいた老人を連れてきた。

グリーン「おいじじい。酒をやるからトキワに入ろうとする奴を通せんぼしろ」

老人「ちっ、ワンカップか。まあいいだろう」

老人は酒を飲み干すとその場に寝転んでしまった。

ブルー「あっグリーン! そんなとこで何してるのよ」

グリーン「はっはっはー!
お前らはこの先へは進めんぞ。残念だがお前らの旅はここで終わりだ!」

ブルー「どういうこと?」

グリーン「こっちに来てみろよ。そうすればわかるぜ」

ブルー「何よあいつ! 頭おかしいんじゃないの?」

呆れた様子で通り過ぎようとするが……

老人「うぃーっ! ひっく……待ちやがれ! わしの話を聞け!
こら! 行くなと言っとろーが!」

ブルー「何よこれ……進めないじゃない!」

なぜか後退してしまうのだった。

イエロー「移動スクリプトだよ。
このおじいさんの周りに敷いてあるんだ」

ブルー「移動……? 何よそれ」

イエロー「イベントが済むまで先に進めないようにするためのアレだよ」

グリーン「そのとおり!
そしてイベントはこの先にある。
つまりお前らは永遠にここから先には進めないのだ!」

イエロー「もしかしてそのイベントってポケモン図鑑と関係あること?」

グリーン「何が言いたい?」

イエロー「だって僕たちまだポケモン図鑑もらってないからさ。
オーキド博士の研究所にあったよ。
もしかしてグリーンくんはこれから図鑑をもらいに行くところなんじゃないかな?」

ブルー「そういえば肝心のポケモン図鑑を忘れてたわね」

グリーン「……そうか! 俺が図鑑をもらったらスクリプトが解除されてこいつらはここを通れるようになる。
だが待てよ……レッドはもう図鑑をもらったのか?
既にお届け物は持っていった。まだ届けてないとすればじじいが通せんぼし続けているのも頷ける。
だが図鑑を手に入れた者だけが通れるという可能性も……」

イエロー「レッドくんならとっくに図鑑もらって行っちゃったよ」

グリーン「何だと!? この俺を出し抜きやがって! 許さん!
図鑑などもうどうでもいいわ!」

そしてグリーンは次の街へと向かった。 
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