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オズのポリクローム

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第七幕その九

「一つの国だけれどその中に沢山の国があるの」
「ううんと、アメリカは州の一つ一つが国で」
 ジョージは自分のお国のことをお話に出しました。
「それでその州が集まってアメリカになっていますけれど」
「そうよね、けれどオズの国はね」
「そのアメリカとまた違うんですね」
「国のつくりがね」
「そうなんですね」
「そう、また違うから」
 アメリカとは、というのです。
「そこはね」
「アメリカともですね」
「国家連合と言っていいけれど」
 それでもというのです。
「アメリカとはね」
「また違った国家連合ですね」
「まず大統領じゃないでしょ」
「はい、オズマ姫が国家元首ですから」
「王女よ、国家元首は」
「女帝でも女王様でもなく」
「王女よ」
 ここがかなり違うのです、他の国と。オズマは国家元首ですが女帝でも女王でもなくです。王女なのです。
「そこが違うし」
「他の国も皇帝や王様がおられても」
「その上にオズマがいるから」
「オズマ姫を全ての君主とした、ですね」
「君主連合なのよ」
 それがオズの国だというのです。
「要するにね」
「そうした国もあるんですね」
「国家のあり方はそれぞれよ」
「ですか、わかりました」
「そういうことでね」
「ううん、外の世界のどの国とも違いますけれど」
 それでもとです、ジョージは言いました。
「とてもいい国ですね」
「だから私もずっとこの国に住んでいるのよ」
「何度かこの国に来られて」
「そうして定住したの」
 オズの国の王女になってです。
「そして皆とも会えているのよ」
「そういうことですね」
 こうしたことをです、ジョージはドロシーとお話しました。このオズの国の国家としてのあり方もです。そしてです。
 そうしたことをお話しながらです、皆は飛行船でオズの国のお空を飛んでいました。魔法使いは二時間位飛んだところで、でした。
 皆にです、穏やかな笑顔で言いました。
「こうしてお空を飛んでいるうちにね」
「そのうちにですね」
「雷玉もですね」
「見付かりますね」
「そうなりますね」
「うん、今雷の精霊さん達はお家に集まっているから」
 こおのことからお話する魔法使いでした。
「雷は精霊さん達のお家にある以外は雷玉にしかないよ」
「あっ、雷を動かす精霊さん達がお家にいるから」
「それ以外の雷は、ですよね」
「他にはですよね」
「雷玉しかですね」
「ありませんね」
 五人も気付きました。
「だからですね」
「こうして飛んでいれば」
「それで、ですね」
「何時かは雷を受けて」
「雷玉も引き寄せますね」
「そうだよ、多少時間はかかるかも知れないけれど」
 それでもというのです。
「必ず見付かって手に入れられるよ」
「そうですね、じゃあ」
「こうして飛んでいればいいですね、僕達は」
「そうしていればですね」
「何時かは完全に見付かって」
「それで雷玉を長さんにお渡し出来ますね」
「そうなるよ、では飛んでいる間はね」
 その間はとです、魔法使いは笑顔で言いました。
「お空を見たりお風呂に入ったり食べたりしてね」
「楽しめばですね」
「それでいいですね」
「そうしよう、じゃあもうそろそろ夜だよ」
 魔法使いは微笑んだまま皆に言いました。 
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