オズのポリクローム
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第七幕その五
「少しね」
「はい」
精霊さんは事情がよくわかりませんでした、ですが。
助っ人を申し出てくれた魔法使いさんのお願いだからです、すぐに頷いて答えました。
「それじゃあ」
「ではね」
魔法使いは鞄から小さな針みたいな避雷針を出して雷玉に近付けました、するとです。
雷玉の周りを飛んで音を鳴らしていた雷が避雷針に向かっていってそして吸い込まれる様に受け止められました。その様子を見てです。
魔法使いは微笑んでこう言いました。
「これで見付けられるよ」
「雷玉があってもなの」
「うん、避雷針を出していればね」
魔法使いはポリクロームにも答えました。
「こうしてね」
「雷を受けるから」
「その反応を見ればね」
それでというのです。
「わかるよ」
「それじゃあ飛行船に避雷針を付けて飛べば、いえもう付けてるわね」
「そう、だからね」
「このまま飛べばいいのね」
「そうして避雷針の反応を見ればいいよ」
「何処に避雷針があるかわかるのね」
「そうだよ、ただ雷玉の反応は小さいから」
ここでこうも言った魔法使いでした。
「大きい避雷針にして小さな反応でもね」
「それでもなのね」
「自分から吸い込める様なね」
「そうした避雷針を飛行船に付けるのね」
「そうするよ、それと」
さらに言う魔法使いでした。
「磁石みたいに魔法のものを吸い寄せるものにしようかな」
「ただ見付けるだけじゃなくて」
「そうしたらさらに楽だからね」
お空の雷玉を見付けることがというのです。
「そうしよう」
「それじゃあ」
「じゃあ早速飛行船に避雷針を付けよう」
「そしてお空に出て」
「それで探そう」
こうしてでした、魔法使いはです。
一旦お外に出て飛行船に大きな避雷針を付けました、その避雷針に魔法の品を吸い寄せる磁石みたいな力も加えて。
それが終わってからです、皆のところに戻って言いました。
「これでいいよ」
「それではですね」
「はい、今から言って来ます」
「そうですか、ではお願いします」
「見付けて手に入れたら持って来ますので」
「宜しくお願いします」
長からもお願いするのでした、そしてです。
一行は雷の精霊さん達と一旦お別れしてでした、そのうえで。
飛行船に入って再びお空に出ました、そのうえで長の雷玉を探すのでした。
お空での旅が冒険になったところで、です。ジョージは飛行船の中からお空を観ながらこんなことを言いました。三百六十度見渡せる様になっているその中で。
「僕達お空に出る前にボームさんとお会いしたれど」
「それがどうかしたの?」
「うん、何かはじめてお会いした様な感じだったけれど」
こう神宝に答えます。
「前にも一回お会いしてたね」
「あっ、そうだったね」
「そういえばそうだったね」
神宝だけでなくカルロスもジョージに応えました。
「僕達前にね」
「ボームさんとお会いしてたね」
「そうだったね、前にもお会いしていたよ」
このことを言うのでした。
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