ソードアート・オンラインーもしもあの時、サチが死ななかったらー
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GGO
第52話
前書き
死銃事件について話し合うところを書きます。
死銃事件の始まりからおよそ2ヶ月後の2025年の12月上旬、場所は東京某所のオフィス街。
『『……。』』
和人と智代は、紅葉が散る街道を歩いていた。
智代『一体何だろう?急に私達を呼ぶなんて。』
和人『さぁな、菊岡さんに聞いたらわかるだろう。とにかく急ごうぜ。』
智代『うん。』
2人がそこにいる理由は、先日菊岡から届いたメールにあった。
「この間起きた事件について話したい事あるから、こちらの指定する場所に来て欲しい。菊岡より。」
詳細は言っていなかったが、待ち合わせ場所は丁寧にメールに記載してあった。
今2人は、そのメールに記載されていた場所へと急いでいた。
ーーーーーーーーーー
それから数分後、2人は待ち合わせ場所の喫茶店に辿り着いた。
智代『ここ?』
和人『ああっ、間違いない。ここだ。』
待ち合わせ場所の喫茶店前に着いた2人は、ゆっくりと店中に入って行った。
店内に入ると…、
菊岡『和人くんに智代さん、こっちこっち〜〜‼︎』
店の奥の席に腰掛ける菊岡が2人を見つけるとその場で手を振った。
その姿を確認した2人は、菊岡の座る場所の席に腰掛けた。
ーーーー
和人『用件は何ですか?』
菊岡『君等を呼んだのは他でもない。つい2ヶ月前に起きた事件の事を、2人は知ってるかな?』
和人『2ヶ月前?』
智代『もしかして、“死銃事件”の事ですか?』
菊岡『正解。』
和人『えっ、あの話の事か?』
智代『間違いないよ。』
和人は呼ばれた理由を菊岡に聞くと、本人は2ヶ月前の事件の事を知ってるか聞き返した。これに和人は首を傾げたが、智代には憶えがあった。そう、“死銃事件”の事である。
菊岡『そう、僕が君等を呼んだ理由は、その話さ。』
和人『けれど、大まかなところはそちらでわかるのでは?』
菊岡『普通ならね。しかし、あれから2ヶ月経っても、今だ証拠おろか容疑者も浮上しない。オマケに被害者の茂村 保(しげむら たもつ)の遺体を解剖しても、得られた情報は何ひとつ無かった。なにしろ、遺体が発見されたのは、事故発生から1ヶ月後のことだから、遺体は腐食していてわからなかったそうだ。
そのせいで、こちら側の捜査は息詰まっているところなんだよ。』
菊岡が2人を呼んだ理由は、言うまでもなく死銃事件の事である。本来なら警察等による捜査でわかるものだが、実際のところは証拠の1つも掴めておらず、息詰まっているとの事。
智代『そういえば、この事件の被害者って、もう1人いましたよね?』
菊岡『その通り、名は薄塩 たらこ(うすしお たらこ)。彼が率いるスコードロンの集会中に乱入してきた“死銃”に殺されたそうだ。こちらも茂村 保と同様で、得られたものは何も無い。』
更にこの事件にはもう一人の犠牲者がいた。名は薄塩 たらこ。言うまでもなく男性である。彼も茂村 保同様、得られたものは何も無かった。
和人『成る程。それで、その事件の捜査に協力してくれと?』
菊岡『早い話がそう。』
そして2人が呼ばれたのは、事件捜査の協力の事だった。
菊岡『とはいえ、タダでとは言わない。報酬もちゃんと払うよ。』
智代『一つ聞いても……?』
菊岡『何かな?』
智代『その報酬って……?』
菊岡『ああそれか、それなんだが……。』
智代『はい……。』
菊岡『2人に20万ずつ出そうと思ってるんだよ。≪ボソッ≫』
『『⁉︎』』
すると智代が報酬について気になった。それに対して菊岡は小声で2人に20万出すと言い、2人は驚いた。
和人『お…おいおい……なんで…そこまでして……?』
菊岡『実は、上の方が知りたがっているんだよ。この事件の真相について。』
和人『それで大金を出してでも解決しようってか?』
菊岡『まぁ、そういうことだね。』
あまりの額に驚き、和人が聞き返すと、お偉方が真相を知りたがっているとの事だった。
智代『ですが、被害者はナーヴギアに近いVRマシーンを頭に着けてましたよね?』
菊岡『確かに、ナーヴギアの後継機種“アミュスフィア”を着けてたよ。』
智代『なら、ナーヴギアと同じ様に大電流を頭に流されて、脳がやられたという見解も出来るのでは?』
その時智代は、被害者が頭に着けてたVRマシーンについて気になった。和人等が巻き込まれたSAO事件では、ナーヴギアより発せられた大電流で脳が破壊されて死ぬと言う恐ろしい事件があった。それ故に、VRマシーンに目をつけるのは当然の事だ。
菊岡『それは僕も1番に考えたよ。上層部も、それが原因だと見ていた。
だがメーカーに問い合わせたところ、アミュスフィアはナーヴギア程容量が無い上に、出力も脳を破壊する程度じゃない事が分かったんだ。念の為に実験もやってみたが、結果はほんの一時的な刺激のみで破壊に至るものではなかった。』
とはいえ、流石の菊岡もそこは目をつけて上に、そのお偉方もそこは疑っていたしい。
しかし、結果はナーヴギア同様、脳破壊に至る物ではなかったため、これはまず除外される。
和人『となると…後は自力で犯人を見つけ、捕らえるしか無いな。』
智代『けど手掛かりが無い以上、GGOにダイブして捕まえる他無いんじゃない?
GGOは外国企業で作られたから、確認と特定に時間がかかるし。』
菊岡『うむ、その通りだ。
だが我々にはそれを頼める者はこの国に、ましてはこの世界に2人しかいない。』
和人『俺達…ですか?』
菊岡『その通りだ。』
和人『成る程。』
菊岡『かと言って、別に強制する気は無いからね。あくまで人に責任を押し付けるなんてことは、流石にマズイし。』
残る手段は一つ、それは自力で犯人を捕まえること。だが手掛かりが無い以上、智代の言う通りGGOにダイブしなければならない。とはいえ、菊岡にとってはそれを頼めるのは和人と智代の2人だけだった。
和人『うーん……。』
少し考えて…、
和人『聞いてもいいですか?』
菊岡『何かな?』
和人『ダイブするとなりますと“コンバート”することになりますから、最悪…ALOでのアカウントが消える可能性があるのですが……?』
菊岡『大丈夫、そんな事が無いようにするよ。後、ダイブするに関してはこちらで指定した場所でしてもらうよ。何が起こるかわからないから、一応護衛はつけるよ。』
ダイブするに至っての件を聞いた。コンバートの件は菊岡の方でなんとかするらしく、ダイブする場所は菊岡が指定された所で行い、念の為護衛をつけるとの事だ。
和人『智代、お前はどうする?』
和人が智代はどうするかと聞くと…、
智代『和人が行くって言うなら、私も行くよ。』
本人は和人が行くなら行くと答え、和人の返事次第だそうだ。
和人『わかりました。その依頼、受けましょう。』
菊岡『そうこなくては。それじゃあ、後は任せてくれ。』
和人は受けることにし、菊岡は後は任せて欲しいとの事で決まり、その後解散した。
後書き
今回はここまでにします。
次回、GGO内での戦闘。シノン登場。
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