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執筆手記

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没ネタその8 【まどかマギカ劇場版のネタバレ注意】 見滝原に放り込まれました

 目が覚めたら星の海だった。

 足元には地球と月っぽいものが遠くに見える。

 ………………幽体離脱? 俺死んだ?

 しかし、太陽の明るさってこんなモンだっけ? 何か直視してもあんまり眩しくないんだけど?


「それは、わたしが抑えているから」


 後ろから声が聞こえて振り返ると、ドレス姿の少女が居た。

 太陽の光が眩しくないのは女神パワーか何かって事?


「…………えーっと、俺に何か用ですかね?」

「はい、何て言ったら良いか、お願いを聞いて欲しいんです」


 少女は申し訳なさそうに少し目を逸らしつつ、五本の指をくっ付けたり広げたりとモジモジしている。

 暫く少女を眺めていたが、俺が返事をしなければ話が進まない様だ。


「俺に出来る事なら出来る範囲で手伝いますけど?」

「そう言って貰えると助かります」


 何か無理やり笑ってる。そういえば素の笑い声がコレだったな。


「わたしの事はご存知ですよね?」

「まぁ、一応は」

「…………色々あって、ちょっとおかしな世界が出来てしまいまして、その…………」

「――――その?」

「…………そこは、わたしが干渉できない世界で、魔女は存在するのにキュゥべえが居ない世界で…………」


 どんどん声が小さくなってきているが、それよりも気になる事を言わなかったか?


「『魔女』が居るのに干渉できない? それって『願い』が矛盾してない?」

「…………多分と言うか、間違いなくアレのせい…………なんだと思います」


 アレか、劇場版のラスか、アレのせいで変な世界が発生して干渉しようにも変なバグが起きてると。


「それで俺に出来る事って?」

「――――キュゥべえの代わりにみんなを導いて、わたしの所まで案内して欲しいんです!」


 わたしの所って、円環の理って呼ばれている――――――――つまり此処だよな?

 俺魔法少女でも魔女でもないのに、そもそも男だっつーの…………ん?


「………………みんなって魔女も?」

「はい! わたしの変わりに迎えに行って下さい」

「パーッと、世界中に散らばったり過去に遡る真似なんて出来ないんだけど?」


 流石にアレは無理だわー。


「あ、マミさんを魔法少女にして貰ってからの分で大丈夫です、ホムラちゃんが関わってない部分は何とかなりました」


 つまり、あの街周辺はホムラが何度も時間を巻き戻したせいでバグってると。


「――――って、今、マミを魔法少女にするって言ったか!? 俺がマミを魔法少女にして来いと!?」

「はい、キュゥべえの代わりにみんなを魔法少女にして欲しいかな、そうしないと魔女に負けちゃうから」

「……………………あの、まどかさん?」

「はい?」

「俺の役目って、キュゥべえの代わりにマミ達を魔法少女にして、ワルプルギスの夜を倒して此処に連れて来るって事?」

「ご名答!!」


 満面の笑みとあの笑い声で拍手が送られる。


「………………俺、記憶持ちのホムラに殺されないかな? もしも、ぶっ殺されても身体のスペアあるの?」

「――――――だ、大丈夫、いくらホムラちゃんでも、そこまでは………………」

「その世界が出来ちゃった原因はホムラだよね? ね? 俺死ぬの? ねぇ?」

「あ、時間切れかな、後は、その――――がんばって!」


 オイ、人と話をする時は目を合わせて話をしろや!


「ふざけんなッ!」


 自分でも思ってた以上に大声が出て、ハッとして目が覚めた。

 目に映ったのは高架橋と、耳に聞こえたのは車の喧騒だった。


「何処だよ此処?」


 身体を起こすと、真っ白な手とマシュマロの様な身体が目に入った。


「……………………おい」


 左から音がして、コンビニの自動ドアが開いて人が出てくる。

 自動で閉まったガラスに映った俺の姿は――――――何処からどう見ても『キュゥべえ』だった。







――――――――――――没ネタ此処まで。
 
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