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オズのポリクローム

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第五幕その十二

「確かに」
「そうだよね」
「お昼と夜でも違っていて」
「上から見るのとね」
「あの中にいるのとでね」
「また違うね」
「同じ場所を見ていても」
「見る時間、見る場所によって」
 ポリクロームも言います。
「同じものを見ていても」
「違う印象を受ける」
「全く別のものに見えるのね」
「いや、そのこともね」
「わかるわね」
 トトもドロシーもしみじみとして言うのでした。
「こうして時には別の方から見たら」
「そうしたらね」
「普段はお昼にその中で見るけれど」
「夜に上から見たらね」
「全く別のものにも見える」
「そうなんだね」
 ドロシーとトトは納得しました、そして。
 ジョージはこんなこともです、皆に言いました。
「学校もそうだね」
「あっ、お昼と夜で」
「全く違うね」
「そういえばそうね」
「夜の学校は全然違うわ」
「普段は何でもない楽しい場所なのに」
 ジョージはお昼の学校からお話しました。
「夜は凄く怖いよね」
「お化けが出て来てもね」
「全然おかしくなくて」
「ちょっとした物音だけで怖い」
「そうした場所になるわね」
「そうなんだよね、同じ場所なのに」
 お昼と夜では、というのです。
「それで校舎の外から見たらただ校舎の中にある一室なんだよね」
「うん、中に入れば馴染みの場所なのに」
「外から見たらね」
「本当に校舎の中の一つで」
「何でもない場所なのよね」
「教室もそうで」
 そしてというのです。
「他の場所もだね、いや本当に」
「私のお家も」
 ポリクロームも言うのでした。
「中にいるのと外から見るのとお昼と夜でそれぞれ違うわね」
「どうしてそんなに違うのかっていう位ね」
「そういえばエメラルドの都もね」
「そうだよね」
 臆病ライオンと腹ペコタイガーもお話します。
「お昼と夜でね」
「全然違うし」
「外から見ても奇麗だけれど」
「中から見るのとまた違う奇麗さで」
「あの都もそうで」
「同じ場所でも違うんだね」
 見るポイントと、です。そして見る時間によってです。皆このことがわかりました。そして魔法使いは皆に言いました。
「さて、ではね」
「はい、もう夜も遅いし」
「今日はもう休んで」
「それで、ですよね」
「もう寝るんですね」
「そうしよう、明日も早く起きて」 
 日の出の時にです。
「楽しい旅を続けよう」
「わかりました」
 皆は魔法使いに笑顔で頷いてでした、そして。
 それぞれのベッドに入ってぐっすりと寝ました。皆が朝に見た日の出はこの日もとても奇麗なものでした。 
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