魔法少女リリカルなのはStrikerS~青年と機動六課物語~
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第11話『レリックと仮面の少女』
sideグリフィス・ロウラン
アルト「問題の貨物車両、速度70を維持、依然進行中」
ルキノ「重要貨物室の突破はまだされていないようですが…」
グリフィス「時間の問題か……」
このまま、何も無ければいいが……と、思っていた矢先警報のブザーが鳴る。
シャーリー「アルト、ルキノ!広域スキャン!サーチャー空へ!」
新たに映し出されたモニターには無数の飛行型のガジェット。
アルト「ガジェット反応!空から!?」
ルキノ「航空型、現地観測隊を捕捉!」
くっ、こんな時に!……もしかして、これも狙いの一つなのか?
フェイト『こちら、フェイト。グリフィス』
グリフィス「あ、はい」
フェイトさんから通信が入ったので慌てて返事をする。
はやて部隊長がいない今、私が取り乱している時ではない、こいう時ほど冷静に対応しなくては…。
フェイト『パーキングに着いた。車を止めて現場に向かうから飛行許可をお願い』
グリフィス「了解。市街地個人飛行、承認します」
魔法少女リリカルなのはStrikerS~青年と機動六課物語~
第11話『レリックと仮面の少女』
sideカズマ・キサラギ
なのは「ヴァイスくん。フェイト隊長と一緒に空を抑える」
ヴァイス「ウッス、なのはさん。お願いします」
グッと親指を立てて答えるヴァイスさん。って事は、なのはさんと一緒に戦えないのか……なんか、がっかりだな。
そうこう思っているとメインハッチが開く、あれ?なんでバリアジャケットに着替えてないの?
なのは「じゃ、ちょっと出てくるけどみんなも頑張ってズバッとやっつけちゃおう!」
4人「はい!」
キャロ「は、はい!」
キャロが少し遅れて返事をする。ふむ、まだ緊張が解けてないのか……。
なのは「キャロ。そんなに緊張しなくても大丈夫」
キャロ「あ……」
なのはさんがキャロに歩み寄りそっと両手で顔を包む……羨ましいな。
なのは「離れてても通信で繋がってる。一人じゃないから、ピンチの時は助け合えるしキャロの魔法はみんなを守ってあげられる、優しくて強い力なんだから…ね」
そう言って、なのはさんはハッチから…………って、うぇぇぇぇ!?バリアジャケットにならずに飛び降りましたよ!?
飛び降りたなのはさんが光を放ち消えるとバリアジャケットになっていた。よくもまあ、空中でセットアップできるよな、俺には怖くて出来ません。
リイン「任務は二つまずは、ガジェットを逃走させずに全機破壊すること、そしてレリックを安全に確保すること。ですからスターズ分隊とライトニング分隊それぞれに分かれてガジェットを破壊しながら車両の前後から中央に向かいます。ちなみに、レリックはここ、7両目の重要貨物室。スターズかライトニング、先に到達した方がレリックを確保するですよ」
F全員「はい!」
リインさんが「で――」と言って体に白銀の光を纏いながら華麗に一回転して騎士甲冑に変身する。
おお!ゲームと同じでかわいいな。思わずひぐらしの鳴いている所の女の子みたいに「お持ち帰りぃぃぃぃぃっ!」と言いながら持って帰りたい!!
ティア「(黙ってなさい!)」
カズマ「(いたたたたっ!足を踏むな!足を!)」
リイン「私も現場に降りて、官制を担当するです。……って、どうしたですか?カズマ」
カズマ「いえ、気にしないでください……」
足を抑えて蹲っている間もヘリはリニアレールの後部の上に到着ここから俺たちが降下する。
足の痛みを堪えながらハッチの前にティア、スバルと共に立つ。
ヴァイス「さーて新人ども、隊長さん達が空を抑えてくれてるお陰で安全に降下ポイントに到着だ。準備はいいか!」
三人「はい!」
この流れだと空中でセットアップか?まあ、今の俺にはそれしかないだろうな……はは、嫌だな~……。
スバル「スターズ03、スバル・ナカジマ」
ティア「スターズ04、ティアナ・ランスター」
カズマ「スターズ05、カズマ・キサラギ」
くそっ、ここまできたら覚悟を決めろ、俺!
3人「行きます!」
宙に身を投げる。うわぁぁぁぁっ!超怖ぇぇぇ!さっさとセットアップしないと本気でやばい!
スバル「行くよ、マッハキャリバー!」
ティア「お願いね、クロスミラージュ!」
カズマ「やれやれ頼むぞ、ブレイブハート!」
三人「セットアップ!」
三機[set up ready]
降下しながら俺たちは互いのバリアジャケットを展開し三人の声にデバイスが答えて光を放ちその光に包まれる。光がきえてバリアジャケットへと姿を変えてリニアに着地する。
スバル「あれ…このジャケットって……」
スバルが自分のバリアジャケットを見て驚く。ティアもスバルのもどことなくなのはさんのに似てるなぁ。
あ、俺のもか……。
リイン『デザインと性能は各分隊の隊長さん達のを参考にしてるですよ。少し癖はありますが高性能です』
スバル「へぇ~」
カズマ「スバル!感激は後だ!来るぞ」
突然、足下がボコボコと凹凸し出した。
おそらく、中からガジェットがビームでも撃ってるんだろう。
ティア「各自分散!それぞれ片づけるわよ!」
スバル&カズマ「了解!」
それぞれ、分散する。
俺は、スバルと一緒に中の敵を片づけるために先ほどガジェットが開けた穴から中に降りる。
カズマ「よしゃ、行くぞ!ブレイブハート!」
ブレイブハート[まずはどうしますか?]
カズマ「とりあえず、なのはさん達のご要望通りブレードでぶった切る!だから、上手くサポートしてくれよ?」
ブレイブハート[了解しました、マスター]
銃を腰に付いてあるソケットに納めて剣を両手で握る。慣れてないけど、やれるところまでやってやる!
カズマ「うらあああぁぁぁぁぁぁっっっっっっ!!」
一番身近にいたガジェットに斬りかかる。思った以上に体が軽くガジェットを素早く破壊する、しかもAMFを簡単に貫いた、すごいな……さすが開発途中の最新型!
カズマ「お前、すごいな……こんなにあっさり」
ブレイブハート[これは、まだまだ私の力の極一部です。リミッターが外れればもっとすごいですよ]
カズマ「ホントすごいなお前……」
スバル「カズマ~終わった~?」
カズマ「お~う、今そっちに行く」
スバルに呼ばれて再びリニアの上に戻りスバル達と合流する。
ティア「よし。このまま先に進みながら敵を殲滅しながら7両目に向かうw――――カズマ!危ない!?」
カズマ「え…うぉ!?」
?「チッ、外しましたか…」
ティアの声お陰で寸前の所で攻撃をかわす。
いったい誰だ!
?「やれやれ、この場で切られておけば楽だったのですが」
そこに立っていたのは目元に仮面を付けたおそらくスバルと同じぐらいの少女が立っていた。
カズマ「誰だ……お前は…?」
仮面の少女「この場で命を散らす者に、名乗る名はありません!」
ガキィンッ!
カズマ「くぅっ!」
少女が持っている刀で斬りかかってくるのを何とか受け止める。体に似合わずなんつぅ力をしてんだ、こいつは!
スバル「カズマ!」
カズマ「来るな!お前らは先に行ってろ!こいつは俺が食い止める!」
ティア「分かったわ!行くわよ、スバル!」
スバル「う、うん!……カズマ!すぐに戻ってくるから、やられたら駄目だよ!」
そう言い残しスバルとティアは先に進んで行った。はんっ……馬鹿野郎が。
カズマ「俺が無茶苦茶しぶといってのはお前等が一番知っていんだろう……がぁっ!!」
刀を弾き少女は後ろに飛び退く。
仮面の少女「自分を犠牲にして仲間を行かせますか……泣かせますね」
カズマ「お前……なんか勘違いしてないか?」
仮面の少女「なにを……ですか?」
カズマ「俺が、こんな所でやられる気なんて……さらさら無いって事だよ!うらぁぁぁぁぁぁっ!」
ガキィン!ガキィン!と連続で剣を振る。しかし、少女はいとも簡単に刀で受け止める、しかも片手で。
片手……まさか!?
仮面の少女「はあぁっ!!」
カズマ「がはぁっ!」
少女の空いていた拳が俺の鳩尾にめり込み、そのまま吹き飛ばされリニアの天井に体が叩きつけられた。
仮面の少女「やれやれ…この程度でよくもまあ、あんな大な口が叩けましたね」
ゆっくりと歩いてこっちに向かってくる……くそっ!体が上手く動かない。さっきの拳になんか魔力を纏わせてたな…。
仮面の少女「……さて、何か言い残す事はありませんか?一応聞いておいてあげましょう。とわ言っても上手く喋れないと思いますけどね」
少女が刀を俺に突きつけながら言ってくれる。確かにその通り、体が動かないのと同時に口も上手く動かない。
仮面の少女「それでは、そろそろ死んでいただきましょうか」
刀を振り上げる。ああ、俺の命運もここまでか……しかし、少女は刀を腰に付けている鞘に収める。
仮面の少女「残念ですが、時間切れみたいです」
カズマ「時間……切れ…だ…と?」
上手く動かない口を動かしながら訪ねる。
仮面の少女「はい。私の任務はレリックの回収です。しかし、どうやらあなたの仲間が先に回収してしまったようです。……とても残念です」
少女はリニアの崖側に向かって歩きながら俺に言ってくる。
どうやら、スバル達のお陰で命拾いかな……。
仮面の少女「名前を伺っても……よろしいでしょうか?」
カズマ「な……ぜ…?」
仮面の少女「単純にあなたに興味を持ったから……それだけです」
カズマ「……カズマ……キサラギ……だ」
それを聞くと少女は「カズマ・キサラギ……キサラギ…」と何度も繰り返し呟く。
カズマ「お……前…は?」
仮面の少女「は?」
突然訪ねられて少女は少し驚いた様に声を上げた。
仮面の少女「……そうですね、ご褒美に教えておいてあげましょう。私は№13、名は白凰です。それでは、また何時の日かお会いしましょう」
そう言って、少女もとい白凰はリニアから飛び降り、森へと姿を消した。
カズマ「たす…かっ…た」
スバル「カズマー!」
白凰が飛び降りて少ししてからスバルとティアが戻ってきた。
スバル「カズマ!大丈夫!?」
スバルが俺の体をブンブンと揺らす。止めろよ、こっちとら喋る事はおろか動けないんだからな。
そして、気が抜けたのか俺の意識はそこで途絶えた…。
◇◇◇◇◇
その後、気を失っていた俺が目を覚ましたのは舎隊の医務室だった。どうやら、気を失ってる間にここまで運ばれたようだ。
シャマル「あら、目が覚めたみたいね。カズマくん」
カズマ「……シャマル…先生?」
シャマル「は~い。シャマル先生で~す」
カズマ「俺は……いったい…」
シャマル「神経系にダメージを受けて運動機能が麻痺したみたいね。もうダメージは大分抜けたから動かせるはずよ。ほらこれ握ってみて」
言われた通り渡されたボールを握り力を入れる………あ、本当だ。
シャマル「歩くのと話す位なら大丈夫だけど訓練はしちゃ駄目よ。明日は一日しっかり休むこと……いいわね?」
カズマ「はい、分かりました」
side白凰
白凰「………カズマ……キサラギですか…」
研究所に戻った私は再びその名前を口ずさむ。なぜでしょう……なぜ、この名前がとても気になるのか自分でもよく分かりません。しかし、どこか懐かしい感じが気がします。
ウェンディ「ハ~ク!」
白凰「きゃあ!?」
考え事をしていたらいきなりウェンディが後ろから飛びついてきた。それに驚き悲鳴を上げてしまった……なんて、はしたない。
ウェンディ「おかえりっス!ハク」
白凰「ウ、ウェンディ!?いきなり何をするですか、あなたは!?」
ウェンディ「何って……抱きついてるだけっス」
白凰「だけって……とにかく離れなさい」
しぶしぶ、私から離れる。なぜかこの子にはとても懐かれている……なぜなんでしょうか。
白凰「まったく……ところで、ドクターは何処にいますか?」
ウェンディ「博士?博士ならウーノ姉と研究室にいるはずっスよ」
相変わらずウーノさんと一緒ですか……まあいいでしょう、今回は報告だけですし。
白凰「わかりました、それじゃあちょっと行ってきます」
ウェンディ「あ、それならあたしも――――」
白凰「いいですから、あなたは待ってなさい。後で構ってあげますから」
そう言い残しウェンディをその場に残して研究室にむかう、こうでもしないとあの子は何処までも付いてきますからね……あと、そんな子犬チックな目で見ないでください。
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