ハイスクールD×D~黒衣の神皇帝~ 再編集版
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戦闘校舎のフェニックス
種無し焼き鳥野郎(フェニックス)とのご対談
「部長のお悩みか。多分、グレモリー家に関わる事じゃないかな」
放課後になって俺とアーシアは、部室に行こうとしたら木場もいたのでリアスの悩みについて聞いてみたらそう返答してきた。昨日グレイフィアが来たぐらいだし、グレモリー家関連だと俺も思った。木場に聞いても余り詳しくは知らないようだ。
「朱乃なら知っているかもしれないな?」
俺の問いに木場も頷いたが、グレモリー家関連だと朱乃に聞くかサーゼクスに直接聞くのが妥当だろうな。と思いながら話し続けていた。
「朱乃さんは部長の懐刀だから、何か知ってると思うけど・・・・」
旧校舎へ向かおうとした直後、俺は歩みを止めた。後ろを振り返る木場は気付いてない様子だ。
『行かないのかい?』
そう質問してきたので、まだまだ遠距離まで気配は感じていない様子だ。
「どうやら部室に、お客が来てるようだぜ木場」
「え?お客さん?そんなの僕には感じないけど」
「扉前に行くと分かるかもよ」
歩を進めて、旧校舎の3階に行き扉を開けようとしたら木場がやっと気付いたようだった。
「確かにいるね。僕がここで気配を気づくなんて、一誠君はどこで気づいたんだい?」
それは中に入ってからのお楽しみと言って、入室すると室内には機嫌の悪い面持ちのリアスに朱乃はいつも通りの雰囲気かと思ったら冷たいオーラが出ていた。何故かグレイフィアがいたが、小猫ちゃんは部屋の隅で静かに椅子に座っていた。
出来るだけ部屋にいる者達と関わりたくない、という空気になっていた。木場もアーシアも気圧されて不安げな表情となるし、木場は参ったような顔をしていた。会話のない張り詰めた空気が室内を支配していたが、俺は何ともないかのようにしてグレイフィアに聞いた口で話す。
「ようグレイフィア。どうした?こんな冷たい空気になっているようだが・・・・」
「ごきげんよう一誠様。真に申し訳ないのですが、しばらく私達の話を聞いてほしいのですがよろしいでしょうか?」
「それはグレモリー家内の関連事か?俺は退室なのか、それとも余程重要な話なのか?」
グレイフィアは、肯定を意味して無言で頷く。アーシアもこの空気に気圧されたのか、不安げな表情で俺の制服の袖口を掴んでいたので頭を撫でてやった。リアスが、メンバーの一人一人を確認したら口を開いた。
「全員揃ったわね。では部活をする前に少し話があるの」
「お嬢様、私がお話ししましょうか?」
リアスはグレイフィアの申し出をいらないと手を振った。
「実はね・・・・」
リアスが口を開こうとした瞬間魔法陣が光りだしたが、この魔法陣は俺は知っているし知り合いの者関係か?魔法陣はフェニックスだったが、何かが出現して炎全体に広がったので、俺は魔法陣に向けてハイドロカノンをお見舞い後に何か聞こえた。
『ブファッ!?』
声が聞こえたような気がしたが、俺は無視のまま消火完了をし指パッチンで時間を巻き戻した状態である濡れる前に戻した。朱乃からは「凄い!?」とか言われたが、魔法陣があった場所には一人の男が倒れていた。
『相棒、今の技は何だ?』
『ハイドロカノンか?水を圧縮して放っただけだがドライグ』
『ほお・・・・相棒はそんな事も出来るのか。それに時が戻ったような感覚があったが、俺の気の所為か?』
『今のはタイムリバースと言ってな、時間巻き戻しが可能なのさドライグ。神の力と言ってもいい』
『ほう、色々と出来るんだな』
念話終了後に奴は復活して一言。
「何だったんださっきの水は?まあいい。ふう・・・・人間界は久しぶりだ」
俺が消火してないと、この部室どうなっていたのかも考えもしない男を見た俺。赤いスーツを着た男悪魔で、スーツを着崩していた所為かネクタイもしていないで胸までシャツをワイルドに開いていた。見た目は二十代前半と見たが、外見は整った顔立ちであるがどこか悪ガキの影があるな。
こんな奴、フェニックス家にいたのか?長男はルヴァルというのは知っているが、男兄弟は三人いたと聞いていた。次男は何してるか知らんから、残りは三男だがまさかコイツなのか?ポケットは手を突っ込んでいたし、何かホストって感じがしたがワル系のイケメンかと。男は、部屋を見渡して部長を見るとこう言ってきた。
「それより愛しのリアス。会いに来たぜ」
リアスは半眼で男を見つめていたが、訳有りそうなのは一発で察した。予想通りだと、部長の婚約相手か彼氏なのかは知らんがリアスのタイプでは無さそうだ。歓迎してないのに、リアスの様子など気にせず男は近づいていく。
「さてリアス。早速だが、式の会場を見に行こう。日取りも決まっているんだ、早め早めがいい」
やはり婚約者だったか、とため息を吐きながら男は部長の腕を掴んだ。こいつ倒していいか?と少し殺気を出したらグレイフィアが、アイコンタクトでダメだと言ってきたので出さなくなった。
「放して頂戴ライザー。他の皆が見ているのだから、それに私はまだ貴方と結婚する気はないわ」
ライザー?やはりあのフェニックス家の三男坊か、なるほどね。純血悪魔同士だから、とケルディムとフェニックス卿が勝手に決定した事らしいな。これが終わり次第ケルディムに聞いてみるとするか。ライザーと呼ばれた男は、手を振り払われた事など気にせずに苦笑するだけだった。何かあの行動が、俺をイライラする行動でもあった。
「おいお前。誰だか知らんが、リアスに対して無礼だぞ。女の子に対してその態度はないだろう」
鋭く物申して言ってやったらこちらを向いたが、道端のゴミを見るような目だったので少しイラついたが抑えた。
「あ?誰お前?」
「名前を言うのはそっちから言えよ屑野郎」
不機嫌な口調で返されたので、こちらも不機嫌な口調で返したらこう言った。
「あら?リアス。俺の事、話してないのか。と言ってもそこにいる人間は弱そうに見えるが、俺の名を知らないのか?話してないのかリアス」
「話す必要がないから話してないだけよ」
「あらら、相変わらず手厳しいねぇ。ハハハ・・・・」
男は、目元を引き釣らせながら苦笑していた。そこへグレイフィアが介入した。
「一誠様」
「何だグレイフィア?」
「この方は、ライザー・フェニックス様。純血の上級悪魔であり、古い家柄を持つフェニックス家のご三男であらせられます」
やはりルヴァルの三男坊であったか。見た目は強そうでも俺には弱そうに見えたが、能力だけで勝ってきた奴だったので印象は最悪だ。
「そしてグレモリー家次期当主の婿殿であり、婚約者でございます。一誠様」
簡単に説明後、ライザーと言う雑魚はソファに座りながらお茶を飲んでいた。やはりとても大掛かりな大きな問題のようだ、それも特大級ぐらいのね。純血上級悪魔同士のとは、凄く面倒そうであると同時に嫌な話となりそうだ。
「いやー、リアスの『女王』が淹れてくれるお茶は美味しいものだな」
「痛み入りますわ」
朱乃のお茶を褒める男であるライザー。朱乃もニコニコ顔であるが、いつもの『あらあら』『うふふ』がないので少々怖いが俺達は見守る事となった。ソファに座る部長の隣に、軽々しくライザーが部長の肩を抱く野郎。
部長が何度も肩を抱く手振り払うが、ライザーは構わず肩やら手やら髪やらを触れている。しかも馴れ馴れしくしていたが、俺達は部屋の隅にいた。グレイフィアは、さっきから動いて無いけど、アーシアや小猫ちゃんは俺の手足の袖に触れていた。
「いい加減にしてちょうだい!」
激昂した部長の声が室内に響き渡る。そちらへ視線を向けてみれば、ソファから立ち上がった部長がライザーを鋭く睨んでいた。ライザーの方は変わらずニヤけ顔だ。
「ライザー!以前にも言ったはずよ!私は貴方と結婚なんてしないわ!」
「以前にも聞いたよ。だがリアス、そう言う訳にはいかないだろう?君の所の御家事情は、意外にも切羽詰まっていると思うのだが?」
「余計なお世話だわ!私が次期当主である以上、婿の相手ぐらい自分で決めるつもりよ!父も兄も、一族の者も皆急ぎすぎるわ!当初の話では、私が人間界の大学を出るまでは自由にさせてくれるはずだった!」
何か長くなりそうだから俺的な解釈パート1で言うと・・・・。
大学までは自由にしてもらって構わないし、下僕も好きにすればいいとの事。ケルディムとサーゼクスが仕組んだのかは知らんが、御家断絶が怖い程だそうだ。大昔の戦争では、純血悪魔が大勢死んだのは俺が直に見ている。
天使や堕天使の陣営達も相当なダメージを負い、天界は神シャルロットが死んだ事にされていると言うのは最重要機密とされているから、ここにいる上級か転生悪魔達も知らない事だ。知っているのは、俺とサーゼクスの『女王』であるグレイフィアぐらいか。
悪魔を増やすには、純血悪魔同士で結婚をさせて純血悪魔を増やそうとしているというのが、最近の純血悪魔の考えだと聞いた。だが欲が出すぎでは?と思ったが悪魔世界では大事。大事な話くらいは分かるが、ここは静粛にして見守る事にしよう。俺が口出したら黙らせる事が出来るがここは黙っている事とした。ライザーは紅茶を飲んでから更に話を続けた。
どんだけ長いんだよと思ったが、アイツが言ってる事を丸暗記みたいに伝えるとまずいから俺解釈パート2という事で・・・・・。
新鋭悪魔というのは、ここにいる朱乃達みたいに人間から転生悪魔というのが最近らしいが、古の家系である上級悪魔の立場的には無いに等しい。力が溢れているだけで転生悪魔と通じる旧家もある。新鮮な血というのは、未来の悪魔にとって必要不可欠で純血悪魔を途絶える訳にはいかないから、強引に選ばれた。
フェニックス家には、二人の兄と妹がいるから次期当主の問題ないが、グレモリー家には実の兄妹であるサーゼクスとここにいるリアスとなっている。サーゼクスは、魔王として行ってしまったから残りの当主を引き継ぐ事が出来る悪魔はリアスのみ。
でもリアスが次期当主でもいいが、確かリアスの次の次期当主がいたんだったか。婿を得ないとグレモリー家は終わってしまうと考えているようだけど、サーゼクスとグレイフィアの間の子がいる。この縁談が潰れたとしてもその子がやればいい事だ。俺が自己解釈していたのか途中で寝そうとなったが、自己解釈で聞いたらやはり欲望が出すぎていると思った俺。
他の皆は、無言でライザーの言ってる事を理解しているのか?ライザーの話にも出てきた『七十二柱』と言うのは、大昔戦争する前は爵位持ちの一族がいたそうだ。一族ごとに、何十もの軍勢を率いていたらしいが戦争で多くの悪魔が消滅したそうだ。俺も関わっていたが、死んだら俺が魂を浄化して来世を思いながら浄化していた。
話は脱線したが、リアスの家は戦争で生き残った貴重な純血悪魔一族の一つ。これはルシファーから聞いた話だが、純血悪魔って言うのはここではリアスやライザーの事で純粋上級悪魔。ケルディムやヴェネラナも生粋の悪魔だって事だろう。朱乃や木場に小猫ちゃんとアーシアは、文字通り転生悪魔。純粋な悪魔とは違うらしい。
「私は家を潰さないわ。婿養子だって迎え入れるつもりよ」
リアスの言葉を聞きライザーは満面の笑みを浮かべた。
「おおっ流石リアス!じゃあ早速俺と・・・・」
「でも貴方とは結婚しないわ、ライザー。私は私が良いと思った者と結婚する。古い家柄悪魔にだって、それぐらいの権利があるわ」
話が終盤戦になってきたが、このままだと決着はレーティングゲームかもしれないな。そう思った途端機嫌が悪くなったライザー。
「・・・・俺もなリアス、フェニックス家の看板背負った悪魔なんだよ。この名前に泥を塗る訳にはいかないんだ。こんな狭くて、ボロい人間界の建物何かに来たくなかったしな。俺は人間界が余り好きじゃないし、この世界の炎と風はとても汚い。炎と風を司る悪魔としては耐えがたいんだよ!」
ライザー周辺を炎が駆け巡るので、チリチリと火の粉が室内に舞ったのだった。俺は平気だが、他の皆はどう何だ?一応水の壁で防いでいるが、こいつの事について一々ムカつく所がある。それと一つ訂正入れたいが、人間界の炎と風は確かに汚いがそれを綺麗にしよう、と努力している精霊と人間がいる事をお忘れなきようにとアイツに言いたい。
「俺は、君の下僕を燃やし尽くしてでも君を冥界に連れ帰るぞ」
殺意と敵意が室内に広がるので、ライザーから全身に放つプレッシャーが俺達を襲った。俺はこんなの楽勝だったので、軽く水鉄砲でライザーが放った炎や殺意を消し去った。それを見たライザーは、更に炎を出したが俺はハイドロポンプで撃ったら炎は消えていた。
ライザーは本気を出したのか、風を使って水を吹き飛ばした。すると怖くなったのか、アーシアは俺の腕に抱きついてきた。木場や小猫ちゃんは震えてないが、臨戦態勢に入っていた。リアスもライザーと対峙し、紅い魔力のオーラを全身から薄く発し始めていた。
ライザーも体に炎を纏い始めたので凄まじい熱気だったが、俺は皆の周囲一帯に水の壁と結界を張って守護した。ライザーの炎が背中に集まり、翼のような形になるがあれはまさに不死鳥と言う感じであった。
『相棒・・・・どうする気だ?』
『今グレイフィアに念話したら、介入するつもりだそうだ。俺も介入するけどな』
『まあこの中で一番強いのは、相棒ただ一人だからな。介入しても文句はないはずだ』
念話を終わらせたら、グレイフィアがアイコンタクトしてきたので介入した。
「お嬢様にライザー様・・・・落ち着いて下さい。これ以上やるのでしたら、私と一誠様が黙って見ている訳にもいかなくなります。私と一誠様は、サーゼクス様の名誉の為にも遠慮などしないですよ」
「お前らいい加減落ち着けよ?特にリアス、お前はこの眷属の『王』なのだからもうちょっと冷静になれ。そこの屑野郎もだが、この部室を燃やす気か?だったら俺が相手してやってもいいんだぜ?」
静かで迫力のある言葉をグレイフィア、と目線だけで殺気と覇気を感じさせるかの如く俺が口にする。部長もライザーも表情を強張らせていたが、俺とグレイフィアを畏怖していたように見える。ライザーは体に覆っていた炎を落ち着かせると、息を深く吐きながら頭を振った。
「・・・・最強の『女王』と称される貴女にそんな事を言われたら、俺も流石に怖いが下等生物のお前には言われたくないぞ。人間の分際の癖に上級悪魔であるこの俺様に指図するな・・・・そう思ったが最強の『女王』並みの殺気を感じる。バケモノ揃いと評判のサーゼクス様の眷属とは、絶対に相対したくはない」
俺には全然影響力無いので、キレそうになり封印を解除しようと思ったがドライグに止められた。俺の殺気だけで、サーゼクス並みの影響力はありそうだと思ってそう発言した屑野郎だった。リアスも紅い魔力を止めて、臨戦態勢を解いていた。最悪の状況からは脱したらしい、俺の言葉を聞いて冷静になったようだし、リアスとライザーの戦意が無くなった事を確認するとグレイフィアが言った。
「こうなる事はここにいらっしゃいます一誠様と旦那様、そしてサーゼクス様もフェニックス家の方々も重々承知でした。正直申し上げますと、これが最後の話し合いの場だったようです。これで決着が着かない場合を予測し、最終手段を取り入れる事としました」
「最終手段?どういう事グレイフィア」
「お嬢様。ご自分の意志を尊重をし押し通すのでしたら、ライザー様と『レーティングゲーム』にて決着をつけるのは如何でしょうか?」
「・・・・ッ!?」
グレイフィアの意見に言葉を失うリアスだったが、心底驚いている様子だ。レーティングゲームとは懐かしい言葉を聞いたが、あの頃を思い出すととても懐かしく感じる。あの時は四大魔王がいたが、今と昔ではルールはとても変わったと聞いている。昔は3対3とかだったが、今は悪魔の駒での十五人態勢で行う。まあ駒によっては駒の数で人数は減る。
『相棒は出た事あるのか?』
『いや、サプライズゲストとして大天使化となった黒鐵となら出た事あったぜドライグ。まああの時はリハビリ程度だった』
『大天使化した相棒では勝てないのではないのか?それとリハビリ程度とは恐れ入る』
『瞬殺で終わらせたよ。まだサーゼクスが魔王になる前だった頃だからな』
念話を終わらせる頃になっても、まだ驚いていたリアスだったが続けてグレイフィアは説明を続ける。
「お嬢様もご存じの通り、公式な『レーティングゲーム』は成熟悪魔しか参加出来ません。しかし非公式の純血悪魔同士のゲームならば、半人前悪魔でも参加出来ます。この場合、多くが・・・・」
「身内同士、または御家同士のいがみ合いよね」
グレイフィアの言葉を嘆息しながらリアスが続けた。
「つまりお父様方は、私が拒否した時の事を考えて最終的にゲームで今回の婚約を決めよう、ってハラなのね?というか一誠も同じ考えというのが気になるけど・・・・どこまで私の生き方を弄れば気が済むのかしら・・・・っ!」
イラついた様子だったリアスだったが、俺も同じ考えだというのは恐らくグレイフィアがさっき考えて言ったのだろう。俺もここにいる時点で考えが一緒なら、自動的に『レーティングゲーム』をする展開だと思う。殺気ダダ漏れだが、俺にはこんな殺気はビクともしないから汗一滴もしてない。
「ではお嬢様はゲームも拒否すると?」
「いえまさか・・・・こんな好機はないしいいわよ。ゲームで決着をつけましょうかライザー」
挑戦的なリアスの物言いに、ライザーが口元をニヤケさせる。
「へー・・・・受けちゃうのか。俺は構わないし、ただ俺は既に成熟している。公式ゲームも何度かはやっている。今の所勝ち星が多いが、それでもやるのかリアス?」
ライザーは、更に挑戦的な態度でリアスに返す。部長は勝気な笑みを浮かべた。
「やるわ。ライザー・・・・貴方を消し飛ばしてあげる!」
「いいだろう。そちらが勝てば好きにすればいいが、俺が勝てばリアスは俺と即結婚してもらう。それが条件だ」
睨み合う両者で、激しい眼光をぶつけ合っている。その程度のガン飛ばしは、余りにも迫力なかったから睨むんだったら目に力を籠めろよとな。
「承知致しました。お二人のご意志は、私グレイフィアと一誠様が確認させて頂きました。一誠様はどうなされますか?」
「俺も立ち会わせてもらうが、今回リアスの助っ人としてゲームに参加したいと思うがいいか?グレイフィア、いくらリアスでも『兵士』無しの眷属だと面白みが無いから
な」
「畏まりました。ではご両家の立会人として、私がこのゲームの指揮を執らせてもらいます。よろしいですね?」
「ええ」
「ああ」
グレイフィアの問いにリアスもライザーも了承したが、俺が助っ人なら少しは楽しめる俺である。
「分かりました。ご両家の皆様には私からお伝えしますが、一応一誠様もサーゼクス様と旦那様にお伝え出来ますでしょうか?」
「それくらいならいいが、後程言っておくさ。ケルディムもサーゼクスも、面倒事に巻き込ませてくれたようだし、俺が助っ人に入るから楽しませてもらう」
確認したグレイフィアは、一礼してから俺に確認の念話が入ってきた。
『申し訳ありません、ですが旦那様もサーゼクス様も説教だけはご勘弁を』
『分かってるさ。何、こんな面白そうなのがあるとは思わなかったのでね』
「なあリアス。まさかここにいる面子が君の下僕なのか?」
ライザーの一言にリアスは片眉を吊り上げる。
「彼は違うけどこれで全員よ」
リアスの答えに、ライザーはクククと面白可笑しそうに笑い出した。
「確かにそこの人間は関係なさそうだな。だがこれでは話にならないぞ?君の『女王』である『雷の巫女』ぐらいしか、俺の可愛い下僕に対抗できそうにないな」
ライザーが指をパチンと鳴らすと、部室の魔法陣が光り出す。紋様はライザーが出てきた時と同様であるフェニックスの魔法陣。魔法陣の光から続々と人影が出現していくが、数えたら総勢十五名の眷属悪魔らしき者達が集結。
「とまあ、これが俺の可愛い下僕達だ」
鎧を着こんだ『騎士』らしき者に、フードを深く被った『僧侶』で魔導師らしき者。フルメンバーだが俺よりかは少なめだな。上級悪魔は『悪魔の駒』を魔王から十五個貰えるが、それを下僕にしたい者に使う事で、主従関係を結ぶが主従関係は御免だ。
上下関係など無いし、下僕になる者の潜在能力が高いと駒消費は倍になったりする。それによって『騎士』が一名『戦車』が一名って事もある。俺は『王』以外の駒は転生出来ないし、何より黒鐵改と赤龍帝を宿している俺にはいくら『王』の駒でも転生などしなくても強い。サーゼクスに、駒一式貰ってから俺ら技術班に研究してもらうか。そしたら悪魔に転生などしない方法で、俺の力を凝縮した駒ともなる。
ライザー側は『王』を入れて十六名、対してリアス側は『王』『女王』『騎士』『戦車』『僧侶』それぞれ一名ずつだから五対十六か。ふと気付いたが、ライザーの下僕悪魔全員女性のようだな。チャイナドレスに獣耳生やしているし、双子にロリコンなら大喜びするし、ナイスバディな者に着物を着た大和撫子に西洋ドレスを着た子と剣を背中に背負う者に、踊り子風と顔半分仮面を付けた近接戦が得意な女性だった。
突然ライザーが自分の下僕の一人に濃厚ディープキスを始めた。俺はそれを見ても無視したのか、更に激しく舌を絡ませながらクチュクチュくとやり始めた。
「ん・・・・あふっ・・・・」
女の子はライザーに足を絡ませながら、官能的な喘ぎ声を出していた。
「はぅはぅはぅぅぅ・・・・」
俺の隣にいたアーシアは、赤面して頭をボンッとパンクさせていた。この光景はアーシアにとって、刺激すぎるだろうが俺はあくまで真顔となっていた。ライザーは、唇を離すと唾液糸をツーッと引きながら、他の女子ともディープキスを再開し始めた。二回戦とは種無し焼き鳥なのか?こいつは?
「そこにいる人間君、お前じゃこんな事、一生出来まい」
「ほ~う・・・・そう言ってきたか。だが俺は既に経験済みだし、そんなのは序の口に過ぎない。俺は五十人以上とヤった事もあるが、見境無しにそんなの見せられると大人として恥ずかしい。全くフェニックス家の者が、こんな屑野郎とは思わなかった。そんなにやりたければ他所でやれ他所で、それとも種無し焼き鳥なのかお前は?」
「な、何だと!種無し焼き鳥とは失礼な事を言う愚かな人間、俺を侮辱するのもそこまでと言いたいがお前の殺気だけで強者だと言う事は理解したがお前は何者だ?俺より年下が大人呼ばわりするんじゃない、ただの人間のガキが!」
「そんな殺気籠めても俺は弱火程度だし、事実を述べただけだ。はあー。こうなったら仕方ないんでアイツを呼ぶか。いいよな?グレイフィア」
俺がそう言うと静かに頷いたので、俺はアイツを呼んだ。オンオフでスイッチがある四大魔王何て、正直現だけだと思う。
「サーゼクス・・・・そこにいるのは分かっているからさっさと出てこい。出てこないんなら、グレイフィアのお仕置きが必要かな?」
「そ、それは勘弁してもらいたいね一誠君」
突如出てきた現四大魔王の一人に驚愕しながらも、礼をしていたが俺はしない。創造神黒鐵というのも知っているし、前四大魔王から生きている俺にはな。
「お、お兄様・・・・いつからそこにいらっしゃったのですか?」
「サ、サーゼクス様。いつからそこにいらっしゃったのですか」
「いやー仕事が終わったら、突然一誠君から念話が来てね。面白そうな事が始まるぞと言われて来たんだけど、確かにこれは面白そうな事だな」
サーゼクスは苦笑しながらも答えた。いつもならグレイフィアがお仕置きするはずだが、俺が呼んだという理由でしなかった。
「サーゼクス様、この下等生物である人間の事を知っているのですか?」
「ああ知っているよ。最も古い時から生きていたという一誠君は、私が魔王する前からの親友であり盟友でもある。そしてリアス、リアスは一度だけ会った事があるのだ」
「お兄様、私には記憶がありませんが。本当ですか?」
「それはそうだろう。そこにいる朱乃君と一緒に記憶を消去されたのだから、無理もない」
『えっ!?』
リアスと朱乃は確かに小さい時に会っていたが、俺によって記憶が消された。
「さてと、ホントなら今後の報告で聞く事となったが『レーティングゲーム』は楽しみにしてる。一誠君、またオフになったら呼んでくれ。グレイフィアからの眼光が恐いので、私はそろそろ魔王職をしなければいけないので失礼させてもらうよ」
魔法陣で冥界魔王領に帰っていったサーゼクスだった。
「で?そこの種無し焼き鳥野郎は、いつまでここにいるのかな?」
「種無し焼き鳥野郎だと!?こ、この人間がぁぁぁ!調子乗って言うのもそこまでだが、上級悪魔に対して態度がなってない。ミラやれ!」
「はいライザー様」
ライザーが、下僕の女の子に命令下すが正直弱小だなと思った。相手は、小猫ちゃんと同じぐらい小柄で童顔な女の子だが戦いは別だ。長い棍を取り出して、俺に向かってきたので紙一重で躱してから棍を折って左足で回し蹴りをお見舞いしてやった。
「ガハッ!」
ライザーは、回し蹴りをお見舞いされた女の子に駆け寄ってすぐに回復を施した。そんでこっちを見たら睨んできたんで、この種無し焼き鳥小僧に本物の殺気解放をしたら周辺にいた全ての眷属達は、各々の武器を持って握り直していた。殺気解放しながらフェニックスの方に歩み寄ろうとしたら、後ろに下がるが俺の歩みが止まらない所でグレイフィアに止められた。
「一誠様。その辺りでなさって下さい、皆様方とても怖がっておりますよ?」
「おっと悪い。ちょっとそこにいる悪ガキホスト野郎を睨んだだけなの、本物の殺気を出してしまったな。まあ謝らねえけどよ」
力を再び封印する為に目を閉じてから開けてから、グレイフィアに確認をしたら完了だった。
「こっこれが下等生物のお前の力だと言うのか!?」
「んーそうだな~今のは挨拶代わりだ。今度また俺に睨んでみろ?次はお前の精神ごと木端微塵にしてやるから、そん時は覚悟しておけよ?」
そう言い返した後、まだ鳥肌や俺の殺気で恐怖していたリアスに向けた。
「全くあの野郎のお陰で、リアス達に恐怖を植え付ける所だったぞ。俺の術で落ち着いた所で、ゲームは十日後でどうだ?今すぐやってもいいが、それでは面白くなさそうだ」
「ありがとう一誠、お陰で落ち着いたわ。・・・・けど私にハンデをくれるというの?」
「リアスの性格上今すぐ始めた方がいいと考えているが『レーティングゲーム』は準備期間もいるし、今のお前らの状態だとコイツらに勝てないぞ?ゲーム初心者には心構えをしてから、ゲームをした方がいいと俺は思っている。才能や神器所有者があったとしても、ゲームで力を出さなければ意味がない。過去に初陣で力を思う存分敗北した奴とかは何度もあるという情報があるからだ」
木場達はゲームするの初めてだし、実戦経験はありそうだけどまだまだ甘ちゃんだ。俺の殺気を受けてのコイツらは、鍛え直した方がいいくらいだ。俺だったら瞬殺だが、それだとコイツらの成長に意味がない事ぐらい理解はある。
『ゲームでは披露するのか相棒?』
『まだだ、観客が少ないと面白くなさそうだしな。禁手はまだ使わないし、今の所は自分の力と剣で倒すのみと考えている』
『そうだな。非公式より観客がいた方が面白みが増すな相棒、それに神器使わなくとも相棒は強い。ここにいる悪魔達よりもな』
念話してたら決まったようだったが、俺からの進言により双方の考えが纏ったようだった。
ライザーの言葉を聞いたリアスは、文句も言わずに黙って聞いていた。ライザーが掌を下に向けると、魔法陣が光を放つ。
「・・・・十日。君ならそれだけあれば下僕を何とかできるだろう?」
奴の視線が俺に来たが、また睨んだらため息が出てから言った。
「リアス、次はゲームで会おう」
そう言い残し、ライザーは下僕達と共に魔法陣の光の中へ消えて行った。やっと帰ったからなのか、ここにいるグレモリー眷属の面々は臨戦態勢を既に解いていた。主に俺の殺気に当てられたのか、俺を見ると恐がる様子があったので仙術により全員の精神を安定させたのだった。
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