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女で悪いか。

作者:蛙男爵
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奇人?変人?

放たれた言葉は
みんなが驚くものだった

「A校舎に・・・行ってみようと思う」

「何考えてんだ・・・おま――」

「探してる人が いないんだ・・・」


西野さんは迷いを見せない
真っ直ぐな瞳で答えた


「・・・あっちに残ってる奴らが
まだ生きてる保証はないぞ・・・


それでも────」



ガシャンガシャンガシャン!!!!

「おおい!!開けてくれ!!早く!!」
「開けてくれぇ――奴らが!奴らが!!」

シャッターを叩く音と
生徒の悲痛な声




そんな みんなが慌てる中
自分の目の前にあった毛布


いや、正確には目の前の椅子の上
毛布に包まっていた生徒が



奇声と共に立ち上がった

両手には 家庭科室に常備してある
包丁が 握られていた



地面に落ちた毛布の上を
彼が遊んでいたであろうゲーム機が 跳ねる


「来たっ♪」


制しの声を聞かずに
非常ドアを開ける


「ザコ共♪ザコ共♪」

前触れもなく開いたドアに
外の生徒が安堵の声を上げた


追ってきたのは 足軽の2人組

彼は軽やかにジャンプすると
まっすぐ 足軽に飛びかかった



「いっぴ~き────にひ~き!!」


無駄のない 柔らかな動きだった
彼の包丁は 足軽の首を 完璧に捉えて


慣れた手つきで
ブンッ と腕を振るった


「きんもちいぃ♪2次元よりぃ♪
神様ありがとう♪ ゲームで我慢してて良かった♪

3Dさいこー♪♪」


小柄をいかしたスピードと
普通とは思えない言動


驚きと 少しの恐怖を感じながらも
この状況だ 少し 彼を頼もしく思えた





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