転生とらぶる
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Fate/stay night
1103話
朝、目が覚めると昨日と同じように居間へと向かう。
ただし、昨日と違うのは俺の着ているのが軍服風の服ではなく、昨日凛に買って貰った服でもなく、穂群原学園の男子用の制服だという事か。
この制服、昨日俺と凛が家に戻って来た時には既に用意されていたものだ。
どうやら、凛が言っていた似非神父とやらが用意した物らしい。
いや、俺は直接会ってないから、その神父が似非かどうかってのは分からないけど。
ともあれ、用意された制服に身を包み、居間へと向かったが……俺以外の姿はない。
時計を見ると、午前6時30分過ぎ。
確かにちょっと早かったか?
そんな風に思っていると、昨日に引き続き凛がユラユラと、まるで幽鬼の如き出で立ちで姿を現す。
正直、この朝の弱さってのはこれからの戦いを思えば色々と不安要素しかないんだけど……
「おい、凛。本当に大丈夫か?」
そう声を掛けた瞬間、凛がボーッと俺の方へと視線を送り……数秒後、何かに気が付いたかのように目を見開き、顔を真っ赤に染めて台所の方へと向かう。
……何だ? さっきまでは昨日と同じく低血圧ゾンビみたいな感じだったのに。
そんな凛の様子を不思議に思いつつも、数分程するとようやくいつもの凛となり、居間に戻ってくる。
「どうしたんだ、急に」
「な、何でもないわよ。それより、あんたは何だってこんな風にここにいるのよ!」
「……いや、そう言われてもな。どうしろと?」
正直、凛が何に怒っているのかが全く分からない。
昨日、寝る前にここで話した時には別にどうということもなかったと思うんだが。
それを、向こうも気が付いたのだろう。小さく溜息を吐いてから、何でもないと首を横に振る。
「ごめん、ちょっと夢見が悪かったのよ」
「……ああ、なるほど」
まぁ、何だかんだと言っても凛はまだ10代の女だ。それなのに聖杯戦争に参加するんだから、ストレスの類があっても当然だろう。
もっとも、それを言うのなら俺もまだ10代の男なのだが、その辺は英霊と魔術師の違いだと思っておいた方がいいか。
「ごめん、すぐに朝食を作るわね」
そう言い、台所の方へと戻って行く凛だったが……結局は昨日の夕食で材料の殆どを使い切っており、食パンと目玉焼き、紅茶だけという侘しい朝食になるのだった。
もっとも、凛は何で昨夜あれだけ食べておきながら、そんなに食べられるのよ! って言っていたけど。
サーヴァントとはいえ、受肉している以上は俺も食えば当然肉が付くと思うんだけど……その辺がどうなっているのかは不明だ。
「……何だか、妙に見られてるな」
凛と共に穂群原学園へと向かっていると、周囲の通学している生徒達が妙に俺の方へと視線を向けてくる。
ただし、その視線に宿っているのは敵意とかの視線ではない。
いや、正確には殺意に達する程の敵意の視線ではないと言うべきか。
特に男子生徒から向けられる視線には、驚愕と共に妬みの感情が篭もっている。
……中には女子生徒からの視線にも妬みが混ざったりしているが……
だが凛はこの視線に何も感じないのか、特に気にした様子もなく首を傾げる。
「そう? まぁアークエネ……いえ、アーク君が珍しいかしらでしょうね」
ちなみに、このアーク……正確にはアーク・ロータスという名前は俺の偽名だったりする。
まぁ、まさかアークエネミーなんて名前で学校に通う訳にもいかないしな。
アークエネミーだから、アーク。うん、色々と単純だけど、分かりやすいのは事実だ。
人前だからと猫を被っている凛と共に、周囲の人達から注目を浴びながら学校へと向かって進んでいく。
凛が色々な意味で有名人なのは、こうしているだけでも理解出来た。
人の前で被っている猫の数は多そうだけど、凛は元々美人だし、人気があるのも当然だろう。
そんな風に考えていると、やがて穂群原学園の校舎が見えてくる。
学校が見えてくれば、当然そこへと向かう生徒の数も増えていき、学校でも有名人らしい凛が浴びる注目も増え……今では、視線の集中砲火といった具合になっていた。
特に男からの嫉妬に塗れた視線が群がる事、群がる事。
凛としても、ここまで視線が集まるとさすがに気になるのか、多少居心地を悪そうにしながら校門へと足を踏み入れ……
『っ!?』
俺と凛の2人は同時に足を止める。
それは、恐らく少しでも魔術に関わりがある者であれば理解出来ただろう感触。
校門から学校の敷地内に足を踏み入れた瞬間、激しい違和感が襲ってきた。
これは……
チラリと横目で凛の方へと視線を向けると、丁度タイミング良く凛も俺の方へと視線を向けており、お互いにこの異常に気が付いているのを理解する。
『凛、当然気が付いているな?』
凛との契約で繋がった魔力のパスを使った念話で尋ねると、凛は小さく無言で頷き、こちらもまたテレパシーで返してくる。
『ええ。これは……結界。それも魂喰いの、相当に悪質なものよ』
『当然ながら、これは凛が仕掛けた訳じゃないよな?』
『当然でしょ! 誰がこんな真似を……』
お互いに目と目で視線を交わしつつ念話で言葉を交わす。
……何だか周囲から向けられる視線が更に強くなった気がするが、気のせいだろう。
『となると……聖杯戦争参加者だと思うか?』
『それしか考えられないわね。まさかこの時期にこんな結界を張っているのが、聖杯戦争と無関係だとは思えないし』
『つまり、穂群原学園には凛以外にもマスターがいるって事になるんだが……検討は付くか?』
『……いえ、ちょっと分からないわね。この学校には私以外にも魔術師の家系が1つ存在しているけど、その家系は既に枯れて魔術回路を持っていないし』
『となると、在野の魔術師か?』
『可能性としては考えられなくもないけど……』
そんな風に念話で会話をしていると、不意に大声が聞こえてくる。
「ああああああああっ! やっぱり遠坂があの男と出来てたんだ!」
周辺一帯に響いたその声を聞き、咄嗟に視線を声のしてきた方へと向けると、そこにいたのは浅黒い肌をした、ショートカットの女。
それは昨日、凛と一緒に行動している時に見た女の姿だった。
「あっちゃあ……」
その女の姿を見た凛が、思わず呟く。
この様子を見る限りでは、どうやら知り合いらしい。
「凛?」
「うわっ、凛だって。呼び捨てにしてる」
その女の言葉に、校門周辺で俺達の様子を見ていた生徒達が再びざわめく。
それを見た凛は、若干頬をひくつかせながら俺を引っ張って職員室へと向かう。
「全く、何だってこんな事に……」
ブツクサと言っていたが、恐らく猫被りの件なんだろうな。
「失礼します、転校生のアーク・ロータス君をお連れしました」
「ああ、ご苦労。私は君が転校してくる2年A組の担任でもある葛木宗一郎だ。急な転校だったが、大丈夫だったか?」
「あー、はい。その、幸い凛の家に住まわせて貰ってますので、その辺は……」
「……遠坂の家にか。不純異性交友はしないように」
何だか得体の知れない雰囲気を発している中年の教師だが、教師だけあってその辺には厳しいんだろう。
だが、今回の場合は相手が悪い。
「先生? 私がそんな真似をするとでも?」
ニコリと微笑みながら告げる凛だったが、目が笑っていない。
教師の方もそれを感じ取ったのか、表情を変えないまま首を横に振る。
「勿論遠坂の事は信じている。優等生のお前がそんな真似をする筈がないとな。だが、遠坂も彼も若い。いざ何か間違いがある可能性もあるだろう。……誰か保護者の方がいれば問題はないのだろうが、遠坂の保護者も、ロータスの保護者も、あの神父の方だろう?」
「ええ」
そう、当然ながら俺の保護者に関しても凛曰く似非神父という事になってる。
聖杯戦争の審判のような立場にあるって話だけど、それがあからさまに凛に協力してもいいのか? そうも思わないではないものの、凛曰く使えるものは全て使うとの事。
……まぁ、マスターである凛が納得しているのなら、俺としてもそれ以上言う必要はないので、それ以上は口に出さない。
「保護者の方が違う場所に住んでいて、それでいながら男女が2人暮らしとなると、外聞が悪いというのは……」
「先生、私が不純異性交遊をするとでも?」
再び向けられた凛の視線に、葛木は言葉を止めてじっと遠坂を見つめる。
結局、凛の視線に押し切られるようにして話は纏まる。
……まぁ、そもそも同居するって言っても、結局聖杯戦争が終わるまでの短い間だけだしな。
具体的にどのくらいの期間になるのかは分からないが、それでも半年とか1年とか、そんな長期間にならないというのは、聖杯からの知識で理解している。
「では、彼は私が教室まで連れて行くから、遠坂は教室に戻っていいぞ」
「はい。……アーク君、では、また後で」
『妙な真似をして、人の注目を浴びるような真似はしないでよ』
言葉と共に念話でそう念を押してから、遠坂は職員室から出て行く。
それを見送ってから、俺は葛木に色々と事情を聞かれたり、あるいは学校生活をしていく上で注意する事を聞きながら、朝のHRが始まるまで職員室にいたのだった。
「では、呼んだら入ってくるように」
葛木にそう言われ、教室の前で待つ。
中で暫くHRでの話し合いをしている声が聞こえてくる。
そう言えば、凛の家に配達されていた新聞でも書かれていたな。ガスでどうこう、殺人事件がどうこうって。
その辺の注意が行われ、やがて話が終わり……
『さて、知ってる人もいるかもしれないが、今日からこのクラスに転校生が来る事になった』
担任の教師の言葉に、ざわめく声が聞こえてくる。
『静かに。彼は外国からの留学生だが、日本語は普通に喋る事が出来る。言葉が通じないという事はないので安心して欲しい。入って来い』
その言葉を聞き、教室の中へと入っていく。
ざわり、と。俺が入って来た瞬間に生徒達がざわめく、
女から向けられるのは、興味津々といった視線がメイン。ただし、中には何だか獲物を狙うかのような視線もある。
それに比べて、男の方からはその殆どが嫉妬や妬みといった視線の数々。
……クラスの女の注目を集めているのが気にくわないのか?
「自己紹介を」
葛木の言葉に頷き、教壇の横で口を開く。
「アーク・ロータスだ。ちょっとした諸事情からこの学校で過ごすことになった。よろしく頼む」
「それだけでいいのか? 趣味とかがあれば、それも話したらどうだ?」
趣味? うーん……趣味か。
そんな風に考えていると、凛からパスを通して念話が聞こえてくる。
『ちょっとアークエネミー、変な事は言わないでよ?』
『任せておけ』
短く返し、少し考えてから口を開く。
「趣味は料理……」
再びざわめく。
男が料理をするのは珍しいんだろうけど……最後まで聞いて欲しい。
「を食べる事だ。特に美味いものは幾らでも食べられる」
その言葉に、何人かが溜息を吐いたりしているが、俺が料理を出来る筈がないだろう。
そもそも、英霊である俺が料理を……いや、あるいは生前の生活によっては出来ても不思議じゃないのか?
俺が人間だった時、その手の作業をやっていたら、あるいは。
記憶を取り戻す鍵になるかもしれないのを考えると、今日辺り家に帰ったら料理をしてみるのもいいかもしれない。
ただ……この学校に展開されている魂食いの結界とやらをどうにかする方が先だろうな。
そんな風に考えていると、葛木が口を開く。
「さて、何かロータスに質問のある人はいるか?」
その言葉に真っ先に手を上げたのは、色黒の女だった。
……あ、どこかで見覚えがあると思ったら、何度か顔を見た女だ。
もしかして聖杯戦争の関係者じゃないかと疑ったこともあったけど……凛が言うには、別に魔術師でも何でもないらしい。
「蒔寺」
「えっと、遠坂さんとアーク君が一緒にいるところを何度か見たし、今日学校に来る時も一緒に登校してましたけど、2人ってどういう関係なんでしょうか? もしかして付き合ってるとか?」
ざわざわざわっ、と。
今まで聞いた中で一番のざわめき。
凛の方はと言えば、頭を抱えている。
さて、この場合はどう答えるのが正解なんだ?
一先ず、否定しておいた方がいいか。
「違う。別に俺と凛は付き合っていない」
何故か再びざわめく。
蒔寺と呼ばれた女も、興奮したように言葉を続ける。
「その割りにはファーストネームを呼んでるけど?」
「ああ、俺が凛の家に住んでいるからだな」
「ちょっ、それってもしかして同棲!?」
「遠坂が男と同棲!?」
「くそっ、羨ましい事をしやがって」
「ふざけるな、ふざけるな、ふざけるなぁっ!」
……うわ。何だか色んな意味で混乱してきた。
「あー……同棲じゃなくて、同居な」
一応そう告げるが……俺の話を聞いていた奴は殆どいなかった。
うん、もう少しくらい人の話を聞いた方がいいと思うんだけどな。
後書き
アクセル・アルマー
LV:42
PP:370
格闘:301
射撃:321
技量:311
防御:311
回避:341
命中:361
SP:1402
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
努力 消費SP8
集中 消費SP16
直撃 消費SP30
覚醒 消費SP32
愛 消費SP48
スキル:EXPアップ
SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
念動力 LV.10
アタッカー
ガンファイト LV.9
インファイト LV.9
気力限界突破
魔法(炎)
魔法(影)
魔法(召喚)
闇の魔法
混沌精霊
鬼眼
???
撃墜数:1183
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