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転生とらぶる

作者:青竹
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マブラヴ
  1089話

 イリーナと会話をする事、約10分程。ようやく最初の固さも取れてきて、自然な態度になってきた。……見かけによらず男慣れしてなかったんだな。
 いや、イリーナの場合は真面目なイメージがあるから、ある意味ではイメージ通りか。
 ともあれ、そんな風に会話をしているとやがて扉が開く音が聞こえてくる。
 夕呼が戻ってきたのかとも思ったが、開いた扉から顔を出したのはいつものようにウサギのヘアバンドをした霞。
 ピョコ、とウサ耳を動かしつつ、中の様子を窺うように顔だけ出してこちらの様子を見る。
 そうして俺の姿を確認すると、微かに口元に笑みを浮かべる。
 基本無表情な霞だが、付き合いが長くなったおかげでそれなりに表情の変化を確認出来るようになってきた。

「アクセルさん、お久しぶりです」
「ああ、元気にしてたか」
「はい」

 そんな俺と霞のやり取りを見ていたイリーナだったが、不意に何かに気が付いたかのように手を打つ。

「そう言えば香月博士に頼まれた仕事をがあるのを忘れてました。社少尉、申し訳ありませんがアクセル代表のお相手をお願いしても構いませんか?」
「……はい」

 一瞬考え、俺とイリーナを見比べ、ようやく頷く霞。
 一々仕草が小動物っぽいよな。この辺がシャドウミラーの面子の中で人気の秘密なんだろう。
 海では四葉にも懐いていたし、同じように小動物系の麗華とも仲良くなってたし。
 けど、イリーナともそれなりに仲が良さそうだな。
 イリーナは真面目で冷静な女という印象だけに、霞にしてみれば苦手そうな相手なんだが……ああ、いや。夕呼の相手をする2人だと考えれば、寧ろ納得か。
 何しろ、あの傍若無人というか、自由人な夕呼の相手をするのだ。それは当然お互いに協力する必要が出てくるだろう。
 ……夕呼本人にそう言えば心外だと言われそうな気もするが。いや、それともお前が言うなか?

「ではアクセル代表。申し訳ありませんが、私は一旦この辺で失礼します。香月博士もそろそろ戻ってくるでしょうし」
「ああ、こっちは問題ない。お茶美味かった」

 俺の言葉に、嬉しそうに笑みを浮かべると敬礼して部屋から出て行く。
 それを見送った霞は、そのまま俺の座っているソファの隣に来て、チョコンと座る。

「香月博士をいぢめちゃ、駄目です」
「いや、別に苛めたりはしていないぞ? 寧ろ俺が襲われたから反撃したんだ」

 まさか、部屋に入った途端にキスの嵐とは思わなかったからな。
 若干俺が反撃しても、正当防衛に入るだろう。
 にしても、この部屋にいなかった霞が何で夕呼を……ああ、リーディングか。
 しかもリーディングが効かない俺じゃなくてイリーナや夕呼から。

「……駄目、です」
「ああ、分かった分かった。次からはなるべく別の手段で反撃するよ。まぁ、今回みたいな事にはそうそうならないだろうが。……だろ?」
「ちっ、相変わらず鋭いわね。ええ、そうよ。そうそう何度もこんな目に遭って堪るもんですか」

 どういう手段を使ったのか分からないが、扉の開閉音をさせずに扉を開けた夕呼が俺の問い掛けに言葉を返してくる。

「全く。そっち関係で俺に勝てると思ってるのか? こう見えても……」
「ああ、はいはい。分かってるわよ。あんたが毎日そっち関係に熱心だってのは、レモンから聞いてるし」
「香月夕呼ともあろう者が、戦力分析を失敗するとはな。……着替えてきたんじゃないのか?」

 さっき部屋を出て行った時と全く変わっていない姿に、思わず尋ねる。
 それに返ってきたのは、多少憮然とした夕呼の表情。

「別に上着を着替えた訳じゃないわよ。全く、デリカシーってものがないの?」

 ああ、なるほど。下着の方を取り替えてきた訳か。ついでに気を落ち着けてもきた訳だ。
 うん、確かに夕呼の状態を考えればその方が自然だろう。確かに今の俺の質問はデリカシーがなかった。
 けど……

「そもそも、誘ってきたのはお前だぞ? 俺はそれに応じただけだ」
「別に誘った訳じゃないわよ。ただ、ちょっと嬉しかったから暴走しただけじゃない。……コホン、まぁ、その件はお互いの為に置いておきましょう」
「博士、気持ちよかった?」
「や、社!?」

 話を逸らそうとした夕呼だったが、いつものようにウサ耳をピョコピョコさせながら尋ねる霞に、声を上げる。
 ああ、うん。いや……確かにこれ以上は本気で突っ込むのを止めておいた方が良さそうだな。
 個人的には色々と面白そうな感じがするけど、結果的に地雷となりそうだ。

「あー……で、何の話をしに来たんだったか」
「あたしに聞かれても知らないわよ。そっちがいきなりやってきたんじゃない」
「いや、ここに来るまでは覚えてたんだけどな。何せ、来た途端……ああ、そうそう。オルタネイティヴ5派を潰したってのの報告に来たんだったな。後、G元素の件で。まぁ、オルタネイティヴ5派の件に関してはもうとっくに知ってたようだけど」

 だからこそ、俺がこの部屋に入ってきた途端にあんなにキスの嵐を降らせてきた訳で。

「そりゃそうでしょ。あんなに連日放送されていれば、知りたくなくても分かってしまうわよ」
「別にニュースとかの放送だとオルタネイティヴ5派の名前は出てないんだけどな。……まぁ、聞くまでもないか」
「当然よ。あたしを誰だと思ってるの?」

 ふふんっ、と胸を張る夕呼。
 白衣の上からでも分かる盛り上がった双丘が自己主張しているのに思わず目を奪われると……

「えっちぃのは駄目です」

 隣に座っていた霞に、ぎゅうっと頬を抓られる。
 まぁ、元々頭脳はともかく身体能力的にはそれ程高くない霞だ。痛いって訳じゃないけど、それでも微妙に違和感はある。
 そっと頬から手を外すと、うさ耳に触れないようにそっと頭を撫でてやる。
 瞬間、うさ耳がピョコピョコと動き……これは嬉しさを表しているのか? ともあれ、気持ち良さそうに耳を動かししつつ目を閉じていた。
 そして、何故かどこか呆れた様子で俺と霞を見ている夕呼は、溜息を吐くと自分の分のコーヒーを用意し始める。

「あんた達……前から思ってたけど、まるで親子みたいね」
「せめて兄妹にしてくれ。親子って言われる程の年齢は……」

 そこまで考え、前世での年齢をプラスすれば十分に子供がいてもいい年齢だと気が付く。
 いやまぁ、アクセルの年齢としてはまだ20代だから……毎夜の出来事を考えれば、いつ子供が出来てもおかしくないんだけどな。
 ただ、混沌精霊ってのが影響している可能性は十分にある。
 そうだな、後で一度レモン辺りに検査して貰うか。俺との間に子供が出来るかどうか。
 ……何となくこの辺の事を考えると、SEED世界のコーディネーターを思い出す。
 コーディネーターもかなり子供が出来にくくなっていて、だからこそ計画結婚みたいな感じになってたんだよな。
 まぁ、今はその辺をどうにかするべく頑張っているらしいけど。
 シャドウミラーからも、ある程度技術を提供しているらしいし。

「ふぅ。……とにかく話を戻すわよ」

 年齢の話に関しては、夕呼も色々と思うところがあったのだろう。まだ20代も半ばだっていうのに気にしすぎな感じがするけど。
 ジロリ。
 俺の方を強い視線で……それこぞ、魔眼や鬼眼、邪眼じゃないかってくらいの視線で睨んでくる夕呼。
 この辺の、俺が考えている事を見抜くようなスキルはどうにかならないか。

「ん、コホン。で、何の話だった?」
「だから、あんた達がオルタネイティヴ5派を潰したって話よ。まぁ、正確にはまだ全てを完全に潰したって訳ではないんだろうけど、それでもあいつ等の大部分は潰したと思ってもいい筈よ。ざまあみろってのがあたしの正直な気持ちね」
「……そんなに嫌な相手だったのか?」
「そりゃそうよ。何てったって、アメリカの肝入りなのよ? おかげでこっちをライバル視……いえ、敵対視と言ってもいい程に邪魔をしてきたのよ? おかげで資材とかの件もどれだけ苦労した事か……」

 うんざりした、と溜息を吐きながら淹れ立てのコーヒーを手に、来客用のソファへと座る。
 部屋の中に漂うコーヒーの匂い。この匂い自体はそれ程嫌いじゃない。

「ま、こっちの妨害に関してはここ最近止んでたけど……それでもあたしの邪魔をした償いはして貰わないとね」

 ふふんっ、と機嫌良さそうにコーヒーを口に運ぶ夕呼の言葉に首を傾げる。

「何だってまた?」
「うーん、理由は幾つかあるわ。例えばシャドウミラーのおかげもあるけど、ハイヴを幾つも攻略に成功したでしょ。だからわざわざ別の星に逃げ出さなくても良くなったってのとか、それと日本がシャドウミラーと親密な関係だってのも大きいでしょうね」

 ああ、なるほど。確かにシャドウミラーとしては、日本とアメリカだと日本の方が親密な関係だ。
 それもこれも、全ては夕呼の件から始まったんだよな。
 あそこで無茶をして、霞で俺の心を読もうとした。それが俺達シャドウミラーと日本が親密になった原因だ。

「まさか、あの時にここまでの流れを予想していたって言わないよな?」
「は? 何の事?」
「俺が夕呼と初めて会った時の事だよ。霞がリーディングに失敗して、それが結果的にシャドウミラーと日本を接近させる要因となっただろ?」
「……まさか。あたしが幾ら天才だからって、そこまで読める訳ないでしょ」
「そうか? まぁ、シャドウミラーとしては最新の第3世代戦術機を入手出来たし、飛鳥計画の試作機まで入手出来た。……結果的に今の飛鳥計画の機体は全く違うものになってるらしいけどな」

 これもまた、夕呼の動きの結果。
 俺達に戦術機を譲渡する代わりにストライクダガーを武器一式諸共に譲り受け、それを解析、研究して得た技術が今の飛鳥計画の試作機には注ぎ込まれている。
 それに……

「あの件は俺としても色々と美味しかったしな」
「美味しい?」
「ああ。ま、何がとは言わないが」

 そう夕呼に言葉を返しつつ、軍服と白衣の上からでも見て取れる豊かな胸の膨らみへと視線を向ける。 
 あの時、夕呼は色仕掛けで俺に迫ろうとして下着姿になり、その扇情的な肢体を見せつけた。
 正直、今思えばレモン達との毎夜の生活がなければ、フラフラと手を出していたかもしれない。

「……えっちぃのは駄目、です」

 再び俺の隣に座っている霞からの言葉。
 リーディングとかではなく、純粋に俺の視線で何を考えているのか予想したのか。
 それは夕呼も同様であり、呆れたような視線を俺へと向けている。

「あのねぇ……アクセルが女好きなのは分かってるけど、程々にしておきなさいよ? 大体、そんな真似をしたら恭子様に叱られるでしょ」
「恭子?」
「そ。心当たりくらいは……あるでしょ?」

 その言葉を否定出来る程に、俺は鈍くない。
 いや、鈍いか鈍くないかで言われればきっと鈍いんだろうが、そんな鈍い俺でも恭子の気持ちに関しては何となく気が付いている。
 だが……

「恭子は崇宰家の次期当主候補だ。俺とどうにかなる事はないだろうな」

 そう。それが決定的なまでに俺が恭子に手を出さない理由。
 恭子の家の事を考えれば、まさかそう簡単に手を出す事が出来る筈もない。

「馬鹿ね、女好きの癖に女の事は分かってないんだから」
「どういう意味だ?」
「女ってのは、いざって時は強引に連れ去ってくれる人を思い描いているものなのよ」
「……その辺は個人で違うだろ。それに、もしそんな思いを抱いていたとしても、恭子は自分の責任や立場を理解している女だ。崇宰家を放っておいて俺のところに来るような真似は出来ないだろ」

 元々、恭子は俺に言い寄るように崇継に言われていた節があるのは事実だ。
 そういう意味では、崇継にしても計算外だったんだろうな。恭子が俺に本気で惚れるってのは。

「ふーん。あんたも罪作りな男ね」
「嬉しいような、嬉しくないような」
「けど、それって恭子様が家を捨てると決意すれば受け入れるって事でしょ?」
「どうだろうな。そこからようやくスタートって感じだと思うけど。それに、あんなに責任感の強い恭子が、崇宰家を捨てられると思うか?」

 正確にはまだ当主になっておらず、次期当主の最有力候補って扱いでしかないのだが……順当に行けば恭子が当主になるのは確実だろう。
 現在このマブラヴ世界で最も重要視されているシャドウミラーとの関係が深いというのは、この場合決定的な勝利条件になり得る。

「……難しい、でしょうね」

 夕呼も俺と同じ結論に達したのだろう。小さく溜息を吐いて呟く。
 そう、あれ程に家に対して高い誇りを持っている恭子が、家を捨てられる筈がない。
 恭子とはそれなりに長い付き合いであるが故に、それは察する事が出来た。

「それに……」

 そう言葉を続けようとした、その時。唐突に通信機が着信を知らせる。
 誰だ? こんな話をしている時に。
 そう思って通信機を起動すると……

『アクセル。大変よ。オルタネイティヴ5派の生き残りが宇宙船を奪取したらしいわ』

 エザリアが映し出され、そう告げたのだった。 
 

 
後書き
アクセル・アルマー
LV:42
PP:370
格闘:301
射撃:321
技量:311
防御:311
回避:341
命中:361
SP:1402
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
   努力 消費SP8
   集中 消費SP16
   直撃 消費SP30
   覚醒 消費SP32
   愛  消費SP48

スキル:EXPアップ
    SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
    念動力 LV.10
    アタッカー
    ガンファイト LV.9
    インファイト LV.9
    気力限界突破
    魔法(炎)
    魔法(影)
    魔法(召喚)
    闇の魔法
    混沌精霊
    鬼眼
    ???

撃墜数:1183 
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