ソードアート・オンライン 結城家の次男は両手剣使いで恋人は黒の剣士
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デスゲームの始まり
前書き
女体化キリトちゃんの登場じゃあぁ~!!!!
青い光に包まれ、いきなり、はじまりの街に移動させられた俺達は焦ったが、周りを見てみると俺達より先にはじまりの街に来ているものがいれば、俺達より後から青い光と共に来るものもいた。
いきなり、はじまりの街に移動させられた妙な事態に俺は静かに呟いた。
「何なんだ?今のは」
俺の呟きが聞こえていたらしく、今のがなんなのか教えてくれた。
「強制テレポート、でも、なんで」
「強制、テレポート」
今いるSAOにいる全てのプレイヤーが来たのか、青い光が無くなった。プレイヤーがいて、少し幅が狭くなっていたが、それでも青い光はかなり目立っていた。よく見てみるとこのSAOのプレイヤーの総人数は一万人近くはいることが分かる。
いきなりの異常事態に周りのプレイヤーは、ざわざわとざわつき始める。
「どうなってるの、これ?」
「これでログアウトできるのか!?」
「早くしてくれないかな、約束があるのに」
などと言葉が耳に入るが、次第にその言葉が苛立ちへと変わっていった。
「ふざけんなよ!」
「GM出てこい!!」
「イベントなら、さっさと始まってよ!」
と喚き声も上がる。
不意に、全ての声を押し退けて、誰かが叫んだ。
「おい・・・・上を見ろ‼」
俺達は反射的に視線を上に向けると、夕暮れとなった数百メートル上空の空に、【Warning】という真っ赤なフォントで綴られた英文字の単語が出ていた。次にWarningの文字の周りに【System Announcement】と出た英文字が出てきた。
誰かが安堵の息を吐いたようだが、その安心感は一瞬でぶち破られた。
その二つの単語が空を埋め尽くしていき、空が見えなくなると中央部分から大量の血液がドロッと垂れていくと、それが次第に1つに集合していき何かの形を成すようにしていった。
俺の第六感が緊急警報を鳴らしている。これは嫌な予感がする。身の毛もよだつ、いやそれを通り越した最悪な予感だと!
血液が一ヶ所に集合していき形を成していくと、そこに現れたのは20メートルはあろうかという真紅のフード付きローブを纏い両手に白手袋を嵌めた巨大な人であった。
巨人を見て俺は息が苦しくなった気がした。
そこで複数のプレイヤー達が、また騒ぎ出した。
「あれ、GM?」
「何で顔ないの?」
「セレモニーの続きか?」
と声が上がるが、絶対そんなのではないと俺は予想できる。
プレイヤー達の声を抑えるように、巨人は静かに動きだし両手を動かした。声を出した。第一声はこう言った。
『プレイヤーの諸君、私の世界へようこそ』
言った言葉の意味が分からなかった。
(私の世界?どういう意味だ?)
だが、次の言葉でその意味が分かった。
『私の名前は茅場晶彦。今やこの世界をコントロールできる唯一の人間だ』
「ッ!!?・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
その名を聞いた瞬間、「えっ?マジで!?」「本物の茅場晶彦?」と周りはざわつくが俺は驚きのあまり口を開けっぱなしにして唖然としていた。
・・・・・・茅場晶彦!?
俺はその名前を知っている。いや、知らない奴などいないだろう
弱小ゲーム会社を最大手にまで成長させ、若きゲームデザイナーにして量子物理学者。
SAOの開発ディレクターも兼任した所かナーヴギア設計者でもあるんだからな。
俺は一人のゲーマーとして、茅場晶彦に強い憧れと尊敬の念を抱いていた。茅場晶彦の出ている紹介記事等は10冊も買っているし、数少ないインタビュー記事は心の中で暗記するほど読んだものだ。
だが、茅場晶彦は裏方に徹していたはずだ。なんでそんな偉大な人がこんなことを!?
俺はフルに頭を回転させ状況を把握したり、何故こんなことを起こしたのか理解しようとしたが、フードの巨人から発せられたのは、俺達を嘲笑う言葉だった。
『プレイヤー諸君は、すでにメインメニューからログアウトボタンが消滅していると思うが、しかしゲームの不具合ではない。繰り返す。これは不具合ではなく、ソードアート・オンラインの本来の使用である』
「し・・・・仕様、だと」
クラインが割れた声で囁く。
それでも低音のアナウンスは続いていく。
『諸君は今後、この城の頂を極めるまで、ゲームから自発的にログアウトすることはできない』
この城?茅場が言った言葉の意味が分からなく、理解できずにいた。
俺や他の連中の戸惑いは茅場の次の言葉により一瞬で吹き飛んだ。
『・・・・また、外部の人間の手によりナーヴギアの停止あるいは解除も有り得ない。もしそれが試みられた場合――――――』
わずかな沈黙。
一万人が息を詰めた。途方もなく重苦しい空気で静寂さ、ゆっくりと言葉が発せられた。
『ナーヴギアの信号素子が発する高出力マイクロウェーブが、諸君の脳を破壊し、生命活動を停止させる』
俺とクラインは数秒間呆けて顔を見合わせた。
茅場の言葉の意味
脳を破壊する。
殺される。
俺達はナーヴギアによって殺される!
ざわざわと、集団のあちこちがさざめいていく。俺達はこの言葉の意味の理解を阻んでいた。
俺は考えていると、左隣のクラインが口を開く。
「はは・・・・・何言ってんだ、あいつ?頭おかしいんじゃねえのか?んなことできるわけねえだろ!ナーヴギアはただのゲーム機だろ。脳を破壊するなんてできるわけがねえ、そうだろ!」
クラインの言葉に、俺はSAOは読んでいなかったがナーヴギアのことはよく読んでいたため言う。
「原理的には有り得なくない、でも不可能なはずだ!いきなりナーヴギアの電源コードを引っこ抜いて、そんな高出力の電磁波は発生させられない。大容量のバッテリーでも内蔵されてない限り・・・・・・・!」
俺はナーヴギアだけの説明書を読んでいたためあることに気付いた。俺の顔を見たのかキリトが喋りだした。
「内蔵してる。ギアの重さはバッテリセルだって聞いた。でも・・・・・無茶苦茶だそんなの!瞬間停電でもあったら人溜まりもないぞ!」
俺達の声が聞こえたのか、上空からの茅場のアナウンスが再開された。
『すでに外部世界では当局マスコミを通して告知されている。ちなみに現時点で、プレイヤーの家族友人等が警告を無視してナーヴギアの強制解除を試みた例が少なからずあり、その結果』
俺は生唾をゴクリと飲み込み、茅場の言葉を待つ。
だが、その言葉はとても最悪なものだった。
『残念ながら、すでに213名のプレイヤーがアインクラッド及び現実世界から永久退場している』
誰かが細い悲鳴を上げる。周囲のプレイヤー達は、信じられないか信じないと言うように、放心したり薄い笑いを浮かべたりざわつくものがいた。
左隣のクラインは尻餅を付き右隣ではキリトの脚がガクガクと震えていた。俺も死亡者の数に仮想空間の汗がひどく冷たく感じた。
「信じねぇ・・・・・・信じねぇぞ俺は!」
クラインは立ち上がり、デカい声を放った。
「ただの脅しだろ!できるわきゃねえそんなこと!!」
俺も頭と心の中では、そんなことを考えていたがそんな小さな望みを凪ぎ払うように、茅場晶彦のアナウンスがまた再開する。
『諸君が向こう側に向こう側に置いてきた肉体の心配をする必要はない。現在、あらゆるテレビ、ラジオ、ネットメディアはこの状況を多数の死者を出ていることも含め、繰り返し報道している。諸君のナーヴギアが強制解除される危険はすでに低くなっていると言ってよい。今後諸君の現実の体はナーヴギアを装着したまま、病院その他の施設へと搬送され、厳重な介護態勢のもとに置かれるはずだ。諸君等は安心してゲーム攻略に励んでほしい』
「な!?・・・・・・」
すると、キリトの鋭い叫び声が迸った。
「何を言ってるの、あ!?、言ってるんだ!ゲームを攻略しろ!?ログアウト不能の状況で、遊べって言うのか!?
こんなの、もうゲームでも何でもないだろうが!」
キリトの吠える声に俺は驚いたが、茅場晶彦は抑揚の薄い声で穏やかに告げた。
『しかし、充分に留意してもらいたい、諸君にとってソードアート・オンラインはただのゲームではない。もうひとつの現実と言うべき存在だ・・・・・・今後、ゲームにおいて、あらゆる蘇生手段は機能しない。ヒットポイントがゼロになった瞬間、瞬間のアバターは永久に消滅し、同時に』
茅場のその言葉は、俺にとって何よりも残酷な言葉だった。
俺の視界左上に細い横線が青く輝いている。視界を向けると上に329/329の数字がオーバーレイ表示されている。
ヒットポイント。俺の命の残量。
これがゼロになった瞬間俺は本当に死ぬ。ナーヴギアのマイクロウェーブに脳を焼かれて殺される。
俺は一瞬想像してしまった。モンスターと戦いあえなく負けてHPが全損し死んでしまう自分をを
確かにこれはゲームだが、本物の命の掛かった遊戯、このSAOはデスゲームと化した!
この現実に俺の両手は凄まじく震えだし、心臓はバクバクと脈打つのを感じた・・・・・・・・・
だがそんな事実を知られて、命が危険なフィールドに出る奴がいるか?プレイヤー全員が街区圏内に引き隠るに決まっている!俺だったら現実世界の救援を待つ。
茅場はプレイヤーの思考を読んで次の言葉が降り注いだ。
『諸君がこのゲームから解放される条件、たった1つ。アインクラッド最上部、第百層まで辿り着き、そこに待つ最終ボスを倒してゲームをクリアすればよい。その瞬間、生き残った全プレイヤーが安全にログアウトされることを保証しよう』
しん、と一万人が沈黙した。
俺には分からなかった。茅場が口にした、この城の頂を極めるという言葉が分からなかった。
「クリア?・・・・・・・百層」
またキリトが大声で叫ぶ。
「できるわけないだろ!?βテストでは2ヶ月で6層までしか上がれなかったのに!あ、上がれなかったんだぞ!」
キリトは大声でそう言うと、何でか言い方に焦り言い直をした。
でも、キリトの言う通りだ。βテスター達の情報では8層までしか上がれずにいた。ここにはβも合わせて一万人のプレイヤーがいるが、それでも何千人の奴等は戦い方を知らない連中だ。俺もキリトに教えられた通りに戦ってどこまでやれるか分からないのに。
静寂の中、数々のどよめきが起こる。
俺は今日のことをよく思い出してみる。6時間前にお手伝いさんが作ってくれた昼食を食べ、お袋と姉貴に勉強するから邪魔しないでと言って階段を上がり、姉貴と短い会話をした。
(あの場所に、戻れない?これは本当に、現実なのかよ?誰か教えてくれ)
赤いローブを纏った巨人が右の白手袋をひらりと動かし、全ての感情を削ぎ落とした声で告げた。
『それでは最後に、諸君にとってこの世界が唯一の現実であるという証拠を見せよう。諸君のアイテムストレージに、私からのプレゼントが用意してある。確認してくれたまえ』
俺達は右手の指二本を真下に振りメインメニューからアイテム欄を押す。表示された所持品のリストにあったのはアイテム名。
手鏡。
なんだこれ?と思いながらタップしオブジェクト化のボタンを押す、すると俺の手元に小さな四角い鏡が出現した。
手鏡を覗き込む、と突然白い光が俺達のアバターを包み込んだ。ほんの二~三秒で光は消えSAOの風景が現れた。
いや、違う!俺は手鏡をもう一度覗き込むと、そこに写っていたのは痛みながらも輝く癖っ毛のある栗色の髪に少し鋭い目付きの悪い目・・・・・・これはどう見ても現実世界の俺の顔だ!?
「ハァッ!?なんで俺の顔が!おいどうなってんだ!?クラ・・・・イ、ン?」
現実の顔になった困惑でクラインに振り向いたが左隣にいたのはクラインではなかった、悪趣味なバンダナと逆立った赤い髪は分かる。だが、そいつはぎょろりとした眼に頬と顎には無精髭が生えていた。そして一番特徴的のは顔だ。うん完全に山賊か野武士顔だ、どう見てもクラインじゃないだろ。誰だこいつ?
俺は左隣の奴の顔に指を指して呟いた。
「誰だよ・・・・お前?」
すると、野武士面の男も指を指し同じ言葉が出た。
「おい・・・・誰だよおめぇ」
左隣の野武士面の野郎は、持っている手鏡を覗き込むと、俺と同じリアクションを起こした。
「うおっ!?俺の顔じゃん」
野武士面の発した声は、どうにも聞き覚えがあり俺はまた指を指して口を開く。
「その声・・・・・まさかクラインか!?俺だよ!ラグナだ!」
俺の声に反応して、クラインも驚きの声を上げる。
「まさか、おめぇはラグナか!!?」
「なんで現実の顔に? !」
俺は困惑のあまり頭が可笑しくなりそうだったが、恩人であるキリトのことを思い出し俺は右隣を振り向いたが、そこにいた人間に俺はほとんど言葉を発せなかった。
寧ろ、言葉を失いそうになった。
「な・・・・・・あ、う、え?・・・・・・・・・い、お?」
俺は何とか言葉を出そうと思い口を開く・・・・・・・ってか、俺の右隣ってことは?まさか!?
「お前、誰?って言うか・・・・まさか・・・・・お前キリト、か?」
「う、うん・・・・ごめんね騙しちゃって」
そこにいたのは、さらりと流れる黒い髪で月明かりにでも照らされれば美しく輝くだろう。大きくパッチリとした大きな丸い黒目が見開き、足や腕には無駄な脂肪はなく細いが、しっかりと体を支えるほどの幅はある。胸はまだ発展途上中でいてそれで華奢で柔らかそうな体のラインは抱き締めただけでも壊れそうな雰囲気も出ている。
そして一番に目を奪われたのは顔だ。小動物ぽさを表し傷1つない同じ柔らかそうな肌に潤って柔らかく温かそうな鮮明な桜色の唇。
姉貴が綺麗な美少女と言うのなら、こっちは可愛らしい美少女だろう。
そう、キリトだ・・・・・・。
キリトは自分の正体がバレた恥ずかしさのせいか分からんが、頬を赤くし手を合わせてモジモジと恥ずかしながらも可愛らしい仕草だった。
(あのすんませんキリトさん。そんな今にも泣きそうな目で私を見ないでもらえますかね。さすがに心に罪悪感が宿りそうなのですが?と思っていると、すっかり忘れていた左隣にいたクラインが喚く。
「おいおい、どうやらみんな現実の顔になっちまったらしいぜ!ってラグナの隣にいるのって・・・・・・まさかキリトか!?」
クラインの言葉に無言で頷くキリト
「だけど、何で俺達の現実の顔になったんだ?」
俺の疑問にキリトが可愛い声で答えてくれた。
「・・・・・ナーヴギアは、高密度の信号素子で頭から顔全体を完全に覆ってる。つまり、脳だけじゃなくて、顔の表面の形も把握できるの」
「で、でもよ。身長とか体格はどうなんだよ」
確かにそうだ、俺達の体格はアバターでは少し小さくしたが今では俺の身長と全く同じだし、体格もしっかりしている。
そこで俺はまたある事を思い出した
「ナーヴギアを買ったとき、初回に装着した時のセットアップステージで、キャリブレーションで自分の体を自分で触ったから、それじゃないか」
「ああ、そういうことか」
クラインも納得し、右隣のキリトは顔を真っ赤に染めていた。まあ、そりゃそうだろうな。自分で自分の体に触れたんだ、そりゃ恥ずかしくもなる。
キリトが弱々しい声を放ちながら言った。
「でも・・・・なんで、そもそもなんで、こんなことを!?」
「落ち着けキリト、どうせ、すぐに答えてくれるだろ」
俺は茅場晶彦を睨む。数秒後、血の色の空から厳かな声が降り注いだ。
『諸君は今、何故、と思っているだろう。何故私は――――SAO及びナーヴギア開発者の茅場晶彦はこんなことをしたのか? これは大規模なテロなのか? あるいは身代金目的の誘拐事件なのか?』
俺はこれをテロか何かかと思っていたが、どうやら違うことが茅場の口から放たれた。なら何故茅場晶彦はこんな馬鹿げたことをしたんだ?と考えていると、また数秒経ち茅場の目的らしきものが聞かされる。
『私の目的は、そのどちらでもない。それどころか、今の私は、すでに一切の目的も、理由も持たない。なぜなら・・・・この状況こそが私にとっての最終的な目的だからだ。この世界を創り出し鑑賞するためにのみ私はナーヴギアをSAOを造った。そして今、全ては達成せしめられた』
短い間、無機質さのある茅場晶彦の声が響く。
『・・・・以上でソードアート・オンライン正式サービスのチュートリアルを終了する。プレイヤー諸君の健闘を・・・・・・祈る』
最後の一言と共にローブの巨人、茅場晶彦はシステムメッセージ同化して消えたいった。
僅かな苦しい静寂――――――だが、その静寂は圧倒的なボリュームの多量の叫び声が、はじまりの街を震動させた。
「嘘だろ・・・・なんだよこれ、嘘だろ!」
「この後約束があるのに!ふざけないで!」
「出せ!出せよ!ここから出しやがれ!!」
「そんな・・・・帰して?帰してよおお!」
無数の叫び声が響く。だが、それは俺の耳には届かない、いや届けさせないようにしていた。
何せこのSAOは俺の現在の現実になっちまったたんだからな!
このSAOの世界で死ねば、現実世界の俺もあの世逝きだ。
俺は焦った、だけどここで焦ってもなにも解決はしないと心と体に言い聞かせ、一度深呼吸をして落ち着いて動こうとした時である。
「ラグナ、クライン、ちょっと、き、来て!?」
キリトに腕を捕まれ、力一杯引っ張られた。
人の輪を抜けて広場から街路の1本に入った。
「ラグナ、クラインよく聞いて、私は今から次の村に向かうから二人も一緒にもこない?」
「茅場晶彦の言葉が全部本当なら、この世界で生き残っていくためには、自分を強化しなきゃいけないの。知ってると思うけどMMORPGはプレイヤー間でのリソースの奪い合いなの。システムが供給する経験値、限られたお金とアイテムを、より多く獲得した人だけが強くなれるの。この《はじまりの街》周辺のフィールドは、同じことを考える人に狩り尽くされて枯渇すると思う。だから今すぐにでも次の村を拠点にしたほうがいい。私は次の村までの危険な道を全部知ってるから、レベル1の今でも安全に辿りつける」
長い言葉を言って疲れたのだろう、キリトは息を整えている。
クラインは顔を歪めめている。
「わりぃキリト。前に言ったろ。おりゃ、他のゲームでダチだった奴らと一緒に徹夜で並んでソフト買ったんだ。そいつらももうログインして、さっきの広場にいるはずだ。置いて・・・・いけねぇ」
クラインの言葉に俺は驚きと感動に包まれた。どうやらクラインという男は根っからのお人好しの良い奴みたいだ。
下手に人数が増えたら、もし一人でも死んでしまえばキリトじゃその死を受け止めきれないだろうな。
「おめぇにこれ以上世話んなるわけにはいかねえよ。俺だって前のゲームじゃギルドのアタマ張ってたんだしよ。大丈夫、お前から教わったテクで何とかしてみせら。だから、おめぇは気にしねえで、次の村に行ってくれ」
「・・・・・・そう、それじゃあラグナはどうするの?」
俺は迷っていた、俺の性格上《はじまりの町》に出ないで閉じ籠もり現実世界への救出を待つか、ここで断って単独行動するのが一番手っ取り早かった変に群れるのは嫌いだし俺は基本的に単独行動主義者だ。
なのに、何故かその考えが浮かばなかった。目の前にいる美少女キリトを見ていると心の中で不安が渦を巻く、心臓がバクバクいっている気がする、胸が苦しくなる。
(どうしたんだよ・・・・・・・・俺は一体?)
一度キリトから目を離し胸を触る。その行動を止めてもう一度キリトをまっすぐ見てみると、彼女の綺麗な瞳が潤んでいる・・・きっと誰でも良いから近くにいてほしいのだろう。
俺は・・・・・俺は・・・・・・長い間を作っちまったが俺の答えは決まった!
「俺はキリトと一緒に行動する!」
俺がそう答えるとキリトは驚きの表情になった、きっと断られて一人で行くことになると思っていたんだろう?嬉しいのか掠れた声で言った
「ありがとう」と
だがなんでだろうな、俺は彼女を見た瞬間から彼女を一人にしちゃいけないと思ったんだろうか?不思議でしょうがない。
「んじゃあ、ここでお別れだな」
とクラインが言ってキリトも言う。
「うん、それじゃあここでお別れだね。何かあったらメッセージ飛ばして、クラインまたね」
ちなみにクラインとキリトはブレンド登録をしている・・・・・・なんでだ?何か胸がモヤッとしたような気がしたが、気のせいか?
まあいい。
「クライン・・・・・・死ぬなよ!」
俺がそう言うと、クラインは「おうよ!!」と元気よく返した。
「キリト、行こう」
「そうだね」
俺とキリトは互いに顔を見合わせ頷き会うと、クラインに背を向け走り出そうとすると、クラインは俺達を一度呼び止め叫ぶ。
「キリト!おめぇ本物は可愛い顔してるじゃねぇか、結構好みだぜ俺!ラグナ!おめぇ目付きは悪いのに髪の毛は無駄に可愛らしいな!」
俺とキリトは振り向き、もう一度顔を見合わせクラインのセリフに笑い言い返す。
「クラインもその野武士ヅラのほうが10倍似合ってるよ!」
「うるっせえクライン!俺の髪は物心着く前に出来たんだよ!」
そう言って俺達3人は笑い合い、俺とキリトは走り出しクラインは拳を上に付きだし見送った。
俺は走りながらクラインにサムズアップを返した。
俺とキリトは、はじまりの街からフィールドに出る、だが俺は少しキリトの顔を見ると、俺の視線に気付きキリトは疑問の顔になりながら可愛らしく首を傾げ聞いてきた。
「ラグナ・・・どうしたの?」
俺は少し焦り答えを探す。
「あ、いや・・・・・何と言うかクラインが言った通り、お前可愛い顔してるな~と」
答えると、キリトの頬が赤くなっていき俺に吠える、が怖いより顔が赤いため、むしろ可愛い。
「ッ!?・・・・・・ラグナ!おちょくるのは止めてよ!冗談でも笑えないよ!」
「いや、冗談でもおちょくってもない本音だ。キリト、お前可愛いぜ」
「ッ~~~~~~~!!!?!??!?」
キリトはさらに顔中を真っ赤にさせて俯きながらも、走るのを止めない。
そんなキリトを微笑みながら見ると、道の真ん中から狼のモンスターが現れた。
俺はキリトより先に片手剣を引き抜いて、走る速度を上げる。狼が飛び掛かってきて俺は急ブレーキをかけた踏み込みを入れ、狼にソードスキル【ソニック・リープ】を放った。
「邪魔くせぇんだよー!!!!」
俺は叫び狼を縦一閃にぶった切った。
狼は一撃で消えて、俺は再び土を踏み締め走り出す。
俺の叫び声にキリトは驚いた表情をしているが、すぐに気を取り直して俺と一緒に走り出す!
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・俺は・・・・俺は俺は
俺の頭に浮かんだのは茅場が出したナーヴギアに殺された家族のニュースだった。
俺は・・・・・・・・・俺は・・・・・・・俺は
その映像が俺の死に泣く姉貴と姉貴を支える母親 握り拳を作って俺の死を悔やむ浩一郎兄さんと親父が浮かぶ。
俺は・・・・・・・・・・・・・・・・
俺の葬式に来て悲しむ学校の友人たちが浮かぶ。
俺は
この世界で出会い、別れた友人クラインを思い出す。
俺・・・・・は・・・・
ここで始めて出会った女性キリト 彼女が死んでしまうのが浮かんでしまったが、すぐに振り払う。
俺は・・・・・・・生きる!
俺はこのSAOで生き延びる!このデスゲームに抗ってやる!
俺は絶対に死なない!死んでたまるか!
俺は生きる!絶対に生き延びる!俺は絶対に生きて帰ってやる!
俺は走りながら飛び上がる。
「うおぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉッ!!!!!」
俺は絶対にキリトと共に現実世界に生きて帰るんだ!!!
後書き
なんか女体化キリトの説明がエロ本みたいだったかな?・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
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