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笑わないお姫様

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2部分:第二章


第二章

 遊んでいるその顔はというと。笑っています。とても楽しそうに笑っています。
 その子供達の顔を見てなのでした。お姫様は。
 優しい優雅な。笑顔になりました。
 その顔を見てです。誰もが驚いたのでした。
「姫様が笑われた!?」
「まさか」
「今まで何をしても笑われていなかったのに」
「どうしてここで」
「笑われたんだ?」
「子供達が笑っていられる国」
 けれどお姫様はです。そんな子供達を見ながらです。こう周りにお話しました。
「そうした国であり続けることが一番いいことですね」
 こう言ったのです。そしてです。
 王様もお姫様のその言葉を聞いてです。わかったのでした。
 そのうえで、です。大臣達に対して告げました。
「姫を笑顔にする方法がわかったぞ」
「一体何ですか、それは」
「一体」
「平和で豊かな国にする。そして」
 まずはこう言ってです。それからなのでした。
「子供達がいつも楽しく遊べる国にするのだ」
「子供達がですか」
「楽しく」
「そうだ。そうした国でなければならない」
 姫が笑った理由を思い出しての言葉です。
「だからだ。これからは平和と豊かさ、そして笑顔を守る国にしよう」
 こう言ってです。王様はこれまで以上に政治に励んで、です。国を本当に平和で豊かな国にしたのです。
 国では子供達が皆楽しく笑顔でいます。そしてその子供達を見てです。
 お姫様も優しい笑顔を浮かべるのでした。それからお姫様はいつも笑顔でいるようになりました。もうお姫様が笑わないという人はいなくなりました。それはとても奇麗な笑顔でした。


笑わないお姫様   完


               2011・3・16
 
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