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禁じられた恋

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第五章

「何かね」
「あの花の乙女のですね」
「あっ、知ってるんだ」
「知ってるも何もヘルに紹介して頂いたではないですか」
 その官僚の様な顔を微笑まさせてだ、デュルクセンはヴィルフガッセンに答えた・
「ですから知っています」
「なら話が早いね」
「あの方とですか」
「これまで以上にね」
「交流を深めたいのですね」
「そうたいけれどいいかな」
「私に許可を得るお話ではありません」
 これがデュルクセンの返事だった。
「こうしたことは」
「僕自身のことだっていうんだね」
「そうです、では」
「うん、ではね」
「神のご加護があらんことを」
 こうしてだった、ヴィルフガッセンはミカエラと交際する様になってだ、その仲は日に日に深まっていってだった。
 ヴィルフガッセンは遂にだ、デュルクセンにこう言えた。
「今度ね、僕達はね」
「僕達、ですか」
「うん、そうなったよ」
「そうですか、おめでとうございます」
「今度彼女を紹介するよ」
「もう紹介されていますが」
「あらためてだよ」 
 極めて上機嫌な顔での言葉だった。
「僕の妻となる女性としてね」
「そうですか、そうした意味でのですね」
「二度目の紹介だよ」
「わかりました、では」
「うん、紹介させてもらうね」
 ヴィルフガッセンはデュルクセンだけでなくだ、関係者にミカエラを紹介した。そしてそのうえで教会で式を挙げたが。
 ここでだ、彼は自分の妻として列席していたデュルクセンにだ。式の後の祝いのパーティーの時にこう言われた。
「おめでとうございます、しかし少しルール違反ですね」
「ルール違反?」
「はい、少し」
 こう言うのだった、彼に。
「ルール違反ですね」
「それはどうしてかな」
「はい、ヘルはパルジファルで」
「ああ、ミカエラはね」
 その妻となった彼女を見ての言葉だ。
「花の乙女だから」
「そこはルール違反ですね」
「そうだね、パルジファルはね」
「花の乙女の誘惑が効かないでね」
「クンドリーの接吻で覚醒します」
 それまでの白痴の様な少年からだ、聖杯城の主となり聖杯城の王であるアンフォルタスを救う騎士となるのだ。 
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