ソードアート・オンライン 剣の世界に響き渡る銃声
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一話 森の中で
前書き
ハーメルンに投稿した物のリメイクです。
しゃりん、乾いた音をたてて腰から短剣が引き抜かれる。まるで鏡のような輝きを放つその短剣の名は、「スカーエッジ」。シンプルな見た目だが、実際の性能はこのゲームの中の短剣で1、2位を争うくらいの高性能だ。
抜かれた短剣は、逆手持ちで持たれている。
「ぶぁぁおーん」ゾウの鳴き声を激しくしたかのような雄叫びがあたりに響き渡る。短剣の持ち主は、その声に臆することも無く、逆手持ちで短剣を構えている。
「ぶぁぁおーん」もう一度の雄叫びと共に、雄叫びの、音源…アルフィーエレファントは鼻を振り回しながら突進してきた。
短剣の持ち主…レイナは構えたスカーエッジをアルフィーエレファントに向かって突き刺す。突き刺した部位からポリゴンの欠片が流れだしている。エレファントはそれを全く気にせず、レイナに向かって突進を続ける。
鋭い息を吐きながら左の足でサイドステップをふむ。エレファントは勢い余ってレイナの後ろにあった大木にぶつかった。その大きな衝撃でよろけたエレファントに、レイナは短剣スキル上位剣技(ソードスキル)、「ナバル・ストライク」を繰り出した。射程はごく短いが、高威力の剣戟が40発も繰り出される必殺級のソードスキルだ。短剣の刃渡り全体が青白い光に包まれた後、まるで機関銃のような速さでエレファントの肌が切り刻まれる。
約10秒の間40個もの傷をエレファントの肌に彫り込んだレイナは即座に短剣を持ち直したが、エレファントは、全体が無数のポリゴンとなって消え去った。
その瞬間、レイナの手元に透明のウィンドが開き、この戦闘で手に入れたアイテム、お金、経験値などが表示された。短剣を鞘に戻し、ウィンドを閉じたレイナは、自分の家がある場所へ向かうため、森の今来た道を戻り始めた。
「このゲームが始まって2年かぁ」と何気に呟く。
ソードアート・オンラインという名の檻に囚われて早二年、もし囚われてなかったら今頃工科学校2年か、と心の中でそう思っていた。父は第一空挺団の大隊長、母親は防衛省技術研究所、通称技研所属。所属は違えど、両方自衛官のため、自分が自衛官になるのは当然だと思っていた。そのため、共学になった陸上自衛隊高等工科学校へ入学するために必死で勉強をして、その結果推薦が来て入学が決まったが、その3日後に発売された「ソードアート・オンライン」に手をだした瞬間これである。ログアウト不能、自分のアバターのHPが0になるとそのプレイヤーの命まで奪うデスゲーム。そんな中、普通の高校一年生、霧島玲奈はレイナとして戦ってきた。
「今更後悔しても遅いか」
そう言っている内に、71層の主街区が見えてきた。
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