リリカルアドベンチャーGT~奇跡と優しさの軌跡~
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Another50 タケル
前書き
その頃タケルは。
帰り道にタケルはD-コネクションの中にいるパタモンと会話していた。
パタモン『ねえ、タケル。タケルはお母さんのこと好き?』
タケル「勿論だよ!!」
パタモン『僕とどっちが好き?』
タケル「お母さん!!」
きっぱりと言い切るタケルにショックを受けるパタモン。
パタモン『うっ……うう……』
きっぱりはっきりと言い切られたパタモンは涙目だ。
タケル「冗談だよ、泣かないで。本当はどっちも同じくらい好きだよ」
パタモン『もう、タケルったら……』
タチの悪い冗談にパタモンは拗ねたように膨れる。
しかし、少し離れた場所で見つけた人物にタケルは焦る。
タケル「っ!!ママだっ!!……パタモン、しばらく静かにしてて!!」
パタモン『う、うん……!!』
何とタケルとヤマトの母、高石奈津子が来たのだ。
奈津子「タケル!!」
タケル「あっ!!ママ、ただいま~!!」
奈津子「タケル……あなた今、そのゲーム機みたいなのと話してたでしょ」
タケル「(どうしよう……パタモンのこと話すわけにはいかないし……大輔君ならこういう時どうするのかな?)ううん……話してない」
奈津子「でもさっき楽しそうに話してたじゃない」
タケル「……ただの独り言」
パタモン『(タケル、普通に友達と連絡してたって言えばいいのに……)』
実際D-コネクションには連絡機能もあるのだし。
奈津子「(もしかしたら、私達が離婚したストレスのせいでタケルは……)タケル、最近何かおかしなことない?眠れないとか、食欲がないとか」
タケル「全然ないよ。僕元気だもん!!」
奈津子「そう……ともかく家に帰りましょう」
タケル「うん!!」
大輔「ようタケル」
アインス「高石…と、高石のお母様か?」
タケル「大輔君…アインスさんも……」
奈津子「あら、大輔君。お久しぶりね」
大輔「奈津子さん。ええ、久しぶりですね。最後に会ったのは……」
奈津子「あなたがお父さんの忘れ物を届けた時以来会っていないから、数週間ぶりね」
タケル「ママを知ってるの?」
大輔「ああ、うちの父さんと奈津子さんは仕事の付き合いがあるのさ。時々会ったりしましたね」
奈津子「ええ、あなたのお父さんは元気?」
大輔「元気です。本当に…」
疲れたように言う大輔にアインスは苦笑した。
奈津子「ところであなたは……」
アインス「八神リインフォース・アインスです。アインスと呼んで下さい高石のお母様。」
奈津子「(容姿からして外国の子かしら。大輔君、相当交友範囲が広いのね。タケルにも見習わせないと……)」
人脈が大切なことを知っている奈津子はタケルにも沢山の知り合いを持って欲しいと思っている。
タケル「ねえ、大輔君。大輔君とアインスさんはどこに行くの?」
大輔「え?あ~その……」
タケル「???」
歯切れの悪い大輔にタケルは疑問符を浮かべる。
アインス「これから私は大輔とデートをするんだ。」
大輔「ぶっ!?」
タケル「ええ!!?」
アインスの爆弾発言に大輔は吹き出し、タケルは仰天。
フェイト、アリサ、アリシア「「「アインスっ!!」」」
アインス「むっ!!?お前達は…」
アリシア「お兄ちゃんとデートとか……」
アリサ「何ふざけたことを抜かしてんのかしら…」
フェイト「O☆SHI☆O☆KIしないといけないね……」
アインス「……出来るものならやってみるがいい」
フェイト「アインス……覚悟!!」
アインスとフェイト達が再び激突した。
大輔「何であいつらは仲良く出来ないのかね…。タケル、奈津子さん連れて早く離れた方がいいぜ。このままここにいたら確実にあいつらの喧嘩に巻き込まれるから」
タケル「う、うん…そうだ…ママ、今日はこっちの道行こうよ!!」
奈津子「え?どうして?」
タケル「あのね、実はこっちの方が近道なんだよ。この前、気付いたんだ!!」
奈津子「へえ……、そうなんだ!!じゃあ、たまには別の道で帰りましょう」
タケル「うん、大輔君、またね。…それから頑張って」
大輔「ああ、頑張るよ。…………いい加減にしろてめえら!!」
ゴンッ!!ゴゴンッ!!
アインス達の脳天に拳骨が炸裂した。
アリシア「お兄ちゃんがぶったーっ!!」
フェイト「大輔!!酷い!!」
大輔「黙らっしゃい!!!」
タケル「……ママ」
奈津子「え…?何…?」
タケル「女の子にモテるって大変なんだね」
奈津子「え、ええと…あれは特別というか…」
このままでは息子がとんでもない勘違いをしそうで奈津子は何と説明すべきかと頭を悩ませた。
奈津子「今日の夕ご飯は何作ろうか?」
タケル「僕何でもいい!ママのご飯何でも好きだから…」
[やい!!見つけたぞ!!!]
声に反応して、そちらを見遣れば…。
タケル「(デジモン!!?)」
蜘蛛を思わせるデジモンのドクグモンがいた。
奈津子「っ!!しゃ、喋る蜘蛛……!?ああ……」
奈津子はドクグモンを見て顔を真っ青にして気絶してしまった。
タケル「ママ!!」
パタモン[ドクグモンだ!!タケル、下がって!!……あっ!!出ちゃった上に喋っちゃった……]
反射的にD-コネクションから飛び出したパタモンは思わず奈津子とタケルを見遣る。
タケル「大丈夫だよ、パタモン。ママはもう気絶しちゃったみたい。ママは蜘蛛がゴキブリより嫌いなんだ」
[やいやい、選ばれし子供!!お前のタグと紋章を寄越せ]
パタモン[タケルとタケルのお母さんは僕が守る!!]
タケル「パタモン!!デジメンタルアップ!!」
パタモン[パタモンアーマー進化!ペガスモン!!]
ペガスモンにアーマー進化して、ドクグモンに向かっていく。
[スティンガー・ボレーション!!]
ペガスモンに向けてドクグモンが必殺技を繰り出すが、ペガスモンは高い機動力を活かしてそれを回避する。
タケル「倒す必要はないんだよね…ペガスモン、あいつを捕まえて!!」
ペガスモン[分かった!!サンクチュアリバインド!!]
光の縄を作り出し、ドクグモンを拘束する。
[ぐおっ!?ええい、これくらい!!]
ドクグモンが暴れて、拘束から抜け出そうとするが、ペガスモンはそれを呼んでいたのか、縄を伸ばして拘束したドクグモンを勢いよく地面に叩きつけた。
[ぎゃあ!!?]
ペガスモン[シルバーブレイズ!!]
地面に叩きつけられたドクグモンに向けて額から光線を放って直撃させた。
ペガスモン[今だ、タケル!!]
タケル「よし!!デジタルワールドに帰れ!!」
D-コネクションを気絶したらしいドクグモンに翳し、ドクグモンをデジタルワールドに強制送還させるのだった。
奈津子「う……ううん……」
気絶から目を覚ました奈津子が起き上がる。
タケル「ママ!!」
奈津子「タケル!!あ、あの蜘蛛の怪物は?」
タケル「怪物……?蜘蛛なら出て来たけど普通の大きさだったよ……」
母を気遣い、咄嗟に嘘をつくタケル。
大輔達との冒険でタケルも少しずつ成長している。
奈津子「ええっ!?でも人ぐらいの大きさで……」
タケル「きっと驚いて見間違えちゃったんだよ。僕が掴んで捨ててきたから大丈夫だよ」
奈津子「(疲れていたのはタケルじゃなくて私の方だったのかしら……)そう……そうよね……いるわけないわよね、お化け蜘蛛なんて」
タケル「そうだよ、それより、早く家に帰ろう。大輔君達のこととか色々話したいことがあるんだ」
奈津子「ええ!!帰りましょう。キャンプ帰りのせいかしら、さっきのタケル、頼もしく見えたわ」
タケル「僕も成長してるんだ」
奈津子「なあに、それ」
タケルと奈津子の母子は仲良く自宅へ足を進めるのであった。
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