ソードアート・オンライン~狩人と黒の剣士~
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漆黒の戦士
「オラァアアアッ!!」
ライトの凄まじい剣速を、雷帝は捌いていく。
「……」
「無口かよ……。なら、その無口、割らせてやる!!」
『アブソルメタルエボリューション!』
ソルブレイヴをドライバーから抜くと、新たなガイアメモリを起動させて挿し込む。
『アブソルメタルエボリューション!!』
途端、深紅と漆黒の体が、銀色に一部クリスタルが入った体へと変化する。
「デァアアアッ!!」
メタルシャフトがアブソルで強化した『アブソリュートシャフト』を振り回し、雷帝に攻撃を加えていく。
「……所詮は鉄だ」
雷帝は言うと、漆黒の雷をライトの上に落とす。
『……ま、無駄だけどね♪』
インカムのゼロがそう言うと、
「俺に雷が効くかぁああああっ!!」
その雷から、無傷のライトが現れる。
「……鉄は雷を通すのでは無かったか!?」
「考え甘ぇんだよ!!この体は強化して超鋼鉄のダイアモンドをメインとしてるからな!雷なんざ通るわけねぇだろうが!!」
アブソリュートシャフトを真正面から振り下ろし、雷帝はそれを剣で防ぐ。
「これでバリアも張れねぇな?」
『アブソルトリガーエボリューション!』
ライトがニヤリ、と新たなガイアメモリを起動させる。
雷帝は真意に気付くが、行動が遅すぎた。
『無駄だぜ、そいつからは逃げられねーよ、俺?』
自分に聞こえるように言ったゼロに、ライトがガイアメモリをドライバーに挿し込む。
『アブソルトリガーエボリューション!!』
トリガーの体を素体とし、アブソルでそれを強化し、エボリューションでそれを進化させる。
「『これが俺の限界突破……!俺達の進化だ!!』」
進化したキャノンマグナムを至近距離で構え、雷帝に弾丸を放つ。一発一発が大砲レベルのそれは、雷帝の体を吹き飛ばすには充分な威力だった。
「ぐ……おっ!」
雷帝はうめくと、突如影がライトを襲う。
『殺させはしねぇ。コイツは俺の……!』
「うおっ!」
ライトは避けると、影に向かって弾丸を放つ。しかし、その影は大砲を吸収し、何事も無かったかの様に存在する。
そして影は雷帝を覆い、そこには、雷帝は存在していなかった。
「……テメェ、名を名乗りな」
漆黒のコートを身に付け、腰には黒い刀。
『あの頃の』ダークが、姿を現した。
「……«漆黒の勇者»ライト」
そして、ライトの隣に穴が空き、そこからゼロまでもが現れた。
「«雷鳴の狩人»ゼロ……元の名はライト、だ」
「……三人のライト。そうか、そこまでの力、ライトの見たことのないスキル……テメェら、異界人だな?」
刀を抜きながら、ダークは言う。
「根拠は?」
「戦っていれば分かる。その太刀筋、その目、そして歴戦の強者でしか出せないその気迫。……この世界に存在するのはコイツだけだ」
ダークは自分を指すと、言う。
「久々に楽しめそうだぜ。言っとくが、俺はコイツより甘くねぇ」
レッドプレイヤー、舐めんなよ?
そんな声が聞こえたと同時に、ダークが消えた。
「なっ!?」
「消えた!?あいつ、どんだけステータスいじってるんだよ!!」
すぐにゼロがライトを突き飛ばすと、そこにクレーターの様な物が出来上がる。
「ほう、今のを見切るか」
「ちっ、出し惜しみは余り出来なさそうだな……!」
「……今まで出し惜しみしてたのか」
ライトの言葉にゼロが突っ込むと同時に、ダークが別の意味で突っ込んで来る。
「スタダ召喚!!」
ゼロが咄嗟にスターダスト・ドラゴンを召喚してダークにぶつけると、空間から何かを取り出す。
「やるしかないな!ダイカイテンキャノン!!」
「……え?」
『ハイパーレッシャー、本日の最終レッシャーになりまーす。一連結、二連結、三連結、四連結、五連結』
ライトがゼロを見て思わず突っ込むか否かを考えていると、
「ハイパー五連結クラッシュ!」
『ハイパーレッシャー、発射!!』
ダークに向かって放つ。しかし。
「無駄だぁ!!」
それを一振りで消し飛ばした。誰だ、こんなチート造り出したの。
「くそっ、戦体は駄目か!?」
「あくまで肉弾戦しろよ!?」
漸く突っ込みを入れたライトは、ゼロを殴る。
「もういいから、『アレ』使うから援護しろよ!?」
「りょーかい。援護なら得意だしね!」
『シグナルバイクシフトカー!!』
ゼロがマッハドライバー炎とシフトデッドヒートを使い、ポーズを取ると、ライトは漆黒のコートを翻し、地面に手を置く。
「レッツ、変身!!」
『ライダー!デッドヒート!!』
「『陰』勇者剣、発動」
ライトの剣が黒く染まり、ゼロはデッドヒートマッハに変身する。
「追跡、撲滅、何れもマッハ!「良いからやれよ!」以下略!!」
「最後までやらせてやれよ!」
ダークの叫びがボス部屋前に響くが、お構いなしにゼロはブーストする。
『バースト!キュウニデッドヒート!!』
「どうなっても知らねぇぞー!?ッハァッ!!」
ゼンリンシューターを持ち出し、ダークを攻めようとすると、ダークが闇に囲まれる。
「モードシャドウ!?」
「残念だっ「それはお前だ」何っ!?」
突然、ライトがダークの後ろに現れ、投げっぱなしジャーマンを発動する。
「うぉっ!」
「ゼロ!」
「ほいきた!イデア機関解放!来やがれ、蒼の魔道書!!」
ゼロの体に蒼いオーラが纏い、ダークの背後に瞬間で移動した。
「なっ!?」
咄嗟に闇を出そうとするが、出ない。
「ま、当然だよな」
頭を掴むと、
「どりゃあっ!!」
地面に叩き付ける。自分でも容赦無いのが人類最強である。そして。
「俺も忘れんな」
叩きつけられたダークの体を的確に闇で貫くライトもまた、かなり容赦無かった。と言うか、目が怖いです二人とも。
「決めるぜ、心勇剣!」
「此方も行くぜ!夢刀・六三四、生来!」
ライトとゼロが同時に構えると、ダークが立ち上がる。
「ふざっけんなぁああああっ!!」
膨大な闇がダークから放たれ、二人を覆い隠す。
「ふふふ……はははははっ!!!それに取り込まれたが最後!テメェらの過去のトラウマが流され、テメェらは精神的に……」
『それがどうした』
ズバッ!、と剣閃が閃き、闇を壊した。
「俺達のトラウマ?それがなんだ?」
「トラウマなんざ犬に喰わせろ。俺達は、過去に囚われない」
『仲間が居るからな!』
『ヒッサツ!バースト!フルスロットル!!デッドヒート!!』
二人は叫ぶと、ゼロが先に突撃する。
「……ふざけるな」
ボソッと、ダークが言う。
「ふざけるなふざけるなふざけるなふざけるなふざけるなふざけるなふざけるなふざけるなふざけるなふざけるなふざけるなふざけるなふざけるなふざけるなふざけるなふざけるなふざけるなふざけるなふざけるなふざけるなふざけるなふざけるなふざけるなふざけるなふざけるな!!!!!!!!!!!!」
先程よりも膨大な闇がダークから放たれ、鋭利な剣となって襲い掛かる。
「天城流抜刀術«紅»」
ゼロが言うと、それは真紅の焔となって、闇を燃やす。
「なーーーーー」
「心意技、その応用だ。まぁ、まだその存在を知らないお前には言っても無駄だな」
ゼロは悲しそうな目を向けて、ダークに言う。
「クソが……クソがクソがクソがクソがクソがクソがクソがクソがクソがクソがクソがクソがクソがクソがクソがクソがクソがクソがクソがクソがクソがクソがクソがクソがクソがクソがクソがクソがクソがクソがクソがクソが!!!!!!」
「それしか言えないなら、そこ止まりだ」
ゼロの横を、ライトが通りすぎる。その剣は、白く輝いていた。
「«エクスバースト・ブレイブエボリューション»」
神速の剣戟が、ダークを守っていた闇さえも切り裂き、ダークを切り裂いた。
「……嘘、だろ」
「それが仲間を持たないテメェの限界だ」
そして、最後の一突きを急所を外して放つと、ライトは口を開く。
「……もっと早く本気を出せば、五秒で済んだな」
「何……!?」
すると、ダークは気絶した。
「……大盤振る舞い過ぎるな。心意技かよ」
「お前だってしてただろ、心意技」
「あ、ばれた?」
ゼロは言うと、ライトは溜め息を付いて言う。
「帰るぞ、『馬鹿共』」
「『何処で分かった?』」
途端、二重になって声が響く。
「前に言わなかったか?『陰』勇者剣はテメェの闇も操れるって。それでだよ」
すると、ゼロは笑う。
「『そう言うことかい』」
「面倒臭いと相談持ちかけておきながら自分は時間移動か?大層な能力だな」
「『あのな、人間でやっと面倒臭いんだよ。察しろ馬鹿』」
「勿論察してたが何か?』
ライトの音が変わる。
「『……本気を出してないな?』」
「ったりめぇだろ。本気の八割位だ。人類最強と戦う前に、技晒しちゃ対策取られるだけだろうが』
「『当たり前だな』」
ゼロが言う。
「『けどま、これ以上の進化も無きゃ退化もねぇ。俺らは俺らだ』」
「ならすぐに俺とリンもその高みより更に上にいく。テメェらよりも、な』
「『なら何時か。何時か、だ。あのときの決着を付けよう。見せてやるよ、俺達の本気を。心意をな』」
「今度勝つのは俺達だ』
そういって、ダークが作ったゲートを通り、三人は現代へと帰還した……が。
「来人ー?」
「雷斗君ー?」
「翔夜ー?」
「「「あ』」」
現代に帰ったら帰ったで、嫁達に怒られることになるのは、何時もながら当たり前の事だった。
後書き
……ボス戦どうなった?とかの突っ込み止めてください。潰れた時点でボス戦やってられなくなりました。
と言うことで、今回はライト君の進化スキル、使用させて頂きました。人類最強も闇神も封殺可能だろと思ったのは記憶に新しい。流石リンさん。とんでもねぇな。
さて、話は代わり、何故嫁三人が分かったかと言うと……察しの通りミヤビっさんの告げ口です。あの人、夫バカですから。おっと、誰か来たぞっと。
さてさて、殺されそうなので〆を。
ライトさん、協力ありがとうございました!ザ・ブレイジングサンの方も漸く書き始めますので、そちらでの活躍も期待していてくださいませ。
……仮面さんは流石に厳しい。心意だけでも無双可能。流石白黒、俺に出来ない事をやってのける、それが痺れる憧れる~!!はい、悪ふざけが過ぎました。
ではでは、また次回お会いしましょうー。
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