ソードアート・オンラインーもしもあの時、サチが死ななかったらー
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ALO Ⅰ
Extra Edition
第43話
前書き
ここからはExtra Editionに相当する辺り。区切りかたは、今迄(特に第9〜14話辺り)と同じ風になります。
SAOクリアのオフ会からおよそ2ヶ月後の7月下旬。
キリト、否和人は直葉をバイクの後部座席に乗せて和人達が通う学校に飛ばしていた。通常、高校生がバイクを運転する事はまず無いが、和人に限ってはバイクの運転自体は許されている。
学校に到着し、駐輪場にバイクを止めると、2人は智代達との待ち合わせ場所に向かった。
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待ち合わせ場所は、学校のプールのすぐ近く。待ち合わせ場所に集まったのは、智代,明日奈,里香,珪子の4人であった。
直葉『ごめんなさい皆さん。私の都合で集まって貰って。』
珪子『いいんですよ、そんな事は。』
智代『それにしても、直葉ちゃんって運動出来るのに、水が苦手だなんて。チョット意外だね。』
直葉『現実でもバーチャル世界でも、水の中だけは苦手で。』
そう、智代達が集まったのは、直葉が水が苦手だからと特訓して貰いたくてコーチを依頼した為だ。お風呂くらいなら平気だが、プール等では話が違う。その依頼に智代達が乗り、学校に顔を出したのだ。
もとより、和人と智代に限っては、別の理由で学校に出て来る事があった。
里香『にしても、キリトとサチは臨時のカウンセリングとは、本当意外ね。』
和人『全くだよ。1学期は赤点取らなかったって言うのにな。』
智代『そうだよね。』
別の理由とは、理由カウンセリングの事だった。とはいえ、2人が臨時カウンセリングを受ける事になるのは疑問が浮かぶ。もとより、和人と智代の成績は良いとは言えないが悪いとも言えない。和人は上の下辺りで、智代は中の上辺り。そんな2人が臨時カウンセリングとは、余程の理由としか言えない。
里香『私等とサチの水着姿が見れなくて残念ね。後、美人カウンセラーが相手だからって、鼻の下伸ばさない様にね。』
和人『する訳無いだろ‼︎』
智代『はっはっ……。』
里香は智代達が見れなない和人を哀れと思って言ったが、次苦手発した里香の言葉を聞いた和人は、驚いて里香に怒鳴った。この時智代は、引きつったような表情を浮かべていた。
和人『スグ、折角みんなが教えてくれるのだから、しっかり練習するんだぞ。』
直葉『解ってるよ。』
智代『それじゃあ、私達はここで。』
直葉にしっかり練習するように言った和人は、千代と共にその場を後にした。
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直葉達と別れた和人と智代は校舎内のカウンセリング室に移動。
≪コンコンッ≫
カウンセリング室の前に着くなり、和人は部屋の扉をノックする。
『どうぞ。』
和人『失礼します。』
智代『失礼します。』
室内から声が返って来るのを確認した2人は部屋に入る。
『……。』
そこにいたのは、年齢20代後半辺りの女性カウンセラーだったが、それだけではなかった。
『久しぶりだね、2人共。』
30代半ばと見られる眼鏡をかけたスーツ姿の男性が、椅子に腰掛けていた。
和人『菊岡さん。』
智代『本当にお久しぶりですね。』
スーツ姿の男性の登場に、2人は僅かに見くびった。
この男性の名は菊岡 誠二郎。総務省に所属する謂わば国家公務員の1人で、自衛官でもある。
智代『臨時カウンセリングは、あなたが……』
菊岡『君等に聞きたい事があってね。そうでも言わなけば、君等は来て来れないだろうと思ってね。』
和人『菊岡さんが出るのでしたら、別に来ましたがね。』
菊岡『なら良かったが。』
菊岡の登場に、智代は全てを悟った。臨時カウンセリングは、和人と智代を呼び出す為の芝居だったと。それを知った智代は、心の中で安堵した。和人と智代から聞きたい事があって臨時カウンセリングという形で呼んだが、そうでなくても出て来たとの和人の言葉に、菊岡は安心した。
『では、私はこれで。』
一連の会話がある程度終わった後、女性カウンセラーは菊岡に一瞥。菊岡は会釈で返す。
『終わったら言ってね。』
女性カウンセラーはそう言うと部屋から出た。
菊岡『立ち話もしゃくだし、座って。』
女性カウンセラーが部屋から出た事を確認した菊岡は、2人に椅子に座るように言った。そう言われた2人はすぐさま椅子に腰掛けた。
ーーーーーーーーーー
和人『言って置きますが、この後約束があるので、手短にお願いしますよ。』
菊岡『美少女達の水着姿を見る事とか?』
和人『違います‼︎』
智代『ははっ……。』
和人は約束があるから手短にして欲しいと菊岡に言ったが、当の本人が言った言葉に和人は反応して違うと言い返した。一方の智代は引きつった笑みを浮かべていた。
菊岡『まぁ、本題に入ろう。実は、今回のSAO事件をまとめるにあたり、君等から話を聞こうと思ってね。』
智代『その件は何度か話した筈ですが……』
菊岡『確かにそうだ。だが、大まかな事は聞いていないよ。それに、4000人近い犠牲者が出たにも関わらず、茅場先生は死亡したせいで、事件の全貌は未だ不明。茅場先生の動機すら不明。そしてどうして茅場先生がSAOと言う名のデスゲームを作ったのか、改めて2人から聞きたくてね。』
菊岡は早速、事を本題に移した。2人を呼んだ理由は、SAO事件に関する事であった。とはいえ、その件については、2人はある程度語ったが、肝心な辺りは話していなかった。菊岡は、それが聞きたくて2人を呼んだのだ。
和人『一つ聞いても。』
菊岡『何かな?』
和人『俺はともかく、何故智代を呼び出す必要があるのですか?智代は関係無いでしょ?』
智代『……。』
菊岡『廃棄処分が決まったナーヴギアの持ち出し及び使用許可を出したのは、誰だったかな?』
『『……。』』
呼び出した理由を聞いた和人は、智代を呼び出した理由について菊岡に聞いた。菊岡はというと、ナーヴギアの件の話を持ち出した。
ナーヴギアは、SAO事件後に廃棄が決定されたが、和人と智代に至っては使用許可が下りている。(余談だが、この許可を下ろしたのは菊岡張本人。)
和人と智代はその件で、菊岡からの頼みは中々断れないでいる。この話で2人は止むを得ず、菊岡に協力する事となった。
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所変わって、同時刻のプールの女子更衣室。そこで明日奈達が水着に着替えていた。
直葉『今更ですけど、私の都合でここのプールを使わせて貰って良いのでしょうか?』
里香『心配御無用、事前に許可取ったから。』
水着に着替える最中、直葉は気になっていた事を明日奈達に聞いた。水着に着替えた里香が、アスナ達を代表して説明し、それを聞いた直葉は安堵した。
珪子『それにしても里香さんの水着、カッコいいですね。』
里香『そうでしょ?SAO前のはキツくなったから、新しいの買ったんだ。』
珪子『私なんか前と全然変わっていませんでしたが……。』
その時、珪子は里香の水着に反応した。里香の水着はビキニに近いが、どちらか言うなら露出度の少ないレオタードに近い水着だった。SAO以前の水着は小さかったらしく、新しい水着を買ったらしい。だが珪子の方はSAO前とサイズが変わっていなかったらしく、前から使っていると思しき水着を着用していた。形状はどちらか言うなら、子供用に近い水着であった。
ある意味哀れな珪子である。
明日奈『≪スタスタッ≫』
『『‼︎』』
その時、水着姿の明日奈が姿を現した。明日奈の水着は里香や珪子とは違い、赤と白の縞模様のビキニであった。
里香『ほぉ〜、明日奈さんはビキニですか。さては、大胆な水着でサチからキリトを奪い取る気ですな?』
明日奈『そっ、それは…考えていたけど……///。』
珪子『否定しないのですね。』
明日奈の水着姿を見た里香は早速明日奈をからかい出した。里香の言葉に、明日奈は否定するどころか肯定した。
余談だが、明日奈達は直葉を除いて(直葉も内心、和人に好意を寄せている。)皆和人に好意を寄せているが、本人が鈍いのに加えて、智代と付き合っているせいで中々気付いてくれない。
そのせいで、明日奈達は智代から和人を奪い取る事を日々画策しているが、その都度智代に阻止される為に成功した試しが無い。(特に明日奈は、本気で奪い取ろうとしている為、智代はある意味苦労人と言える。)
直葉『あの〜皆さん、学校指定の水着じゃあないんですか?』
『『『えっ?』』』
突然の直葉の言葉に、明日奈は直葉の方に顔を向ける。するとそこには、スクール水着姿の直葉がいた。しかも1人だけスクール水着である事にかなり恥ずかしがっている。とはいえ直葉、かなり胸が大きいせいか、かなり妖艶に見える。
直葉『学校のプールで泳ぐって言うから///。』
珪子『大丈夫ですって、スクール水着だって可愛いですし。』
里香『そうだって、直葉似合うし。』
直葉『チョット里香さん、それどう言う事ですか///⁉︎』
珪子は直葉を励まそうとしたが、小馬鹿にするような里香の一言に直葉は大声で叫んだ。
後書き
今回はここまでにします。次回作は早ければ週末辺りに公開の予定で行きます。
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