銀魂 銀と黒の魂を持つ夜叉
しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。
ページ下へ移動
吉原炎上編
九訓
作者sid
「くそっ!おいらは何のためにお金を集めてたっていうんだよ!」
「清太くん・・・・・」
清太は新八と神楽から、預けていた金がかってに使われているという真実を伝えられ、嘆いていた。
「全部、無駄だったのかよ!」
「無駄なんかじゃないよ。僕らは見てたよ?スリなんかで稼いだお金じゃお母さんに会えないって一生懸命に働いていたこと。」
「そんなもん、なんの意味があるってんだよ!金がなきゃ・・・・母ちゃんに会えないんだよ・・・・」
「意味ならあるよ。」
「え?」
新八と神楽が立ち上がる。
「これで堂々とお母さんに会いに行ける!」
「もともと、母ちゃんに会うのにお金が必要なんて、おかしな話アル。会いたい時に会うのが親子アル。バアさんがそんなことのために金を稼がせてやってたと思ってたアルか?お代はしかと、万事屋が受け取ったヨ!」
「そ、そんなの無理だ!金もなしに花魁に会おうなんざ!ここは吉原、上の常識が通じるところじゃ「「!」」うわっ!」
新八と神楽がなにかに気づき清太を伏せさせる。うしろを見ると、どこからか放たれたクナイが落ちていた。
「これは・・・・・」
「あ、あれは・・・・・あの傷は!」
清太がなにかに怯え出す。建物の屋根に数十人の女性がいた。だが、ただの女性ではない。
「誰アルか?」
「吉原と吉原の掟を犯すものを処断する、自警団百華。そして百華を率いる吉原最強の番人、死神太夫 月詠!」
「月詠でありんす。以後よしなに!」
月詠がクナイを放つ。それを神楽が傘で防いだ。
「なんで自警団が僕らのところにぃ!?」
「そんなこと言ってないで、早く清太を連れて行くアル!」
ギンッ!
上から降りてきた月詠のクナイと神楽の傘がぶつかり合う。しかし神楽は慣れない格好をしていて思うように動けない。月詠は跳び上がったその瞬間、月詠が狙いを新八たちへと定めた。
「新八ぃ!」
神楽の行く前には他の百華がいて助けに行けない。
「わっちの狙いは、主じゃぁぁぁあ!」
狙いは清太だった。
「清太ぁぁぁ!!」
クナイが放たれたその瞬間、一人の男がクナイを撃ち落とした。
「「「ぎ、銀さん!」」」
「悪い、待たせたな。」
「銀さん、よくわからないけど清太くんが狙われているみたいです。」
「ああ・・・・・お前ら、少し下がってろ。」
「「「?」」」
三人は後方に下がった。
「お主一人でわっちたち全員の相手をするつもりか?」
「それがどうした?」
「やめておけ。主がどれだけの手練れであろうと数十人にいるこの数相手じゃ、無駄な命を落とすだけじゃ。もともと生かす気もないがの。」
「これから殺す相手に気を使ってくれるたぁあんた良い人だね。涙が出てくるぜ。だがなぁ・・・・・・何人俺の相手になるかな?」
「なにを言って・・・・・・!」
銀時は凄まじい殺気を放った。何人かの百華は恐怖で立ち上がることができずにいる。
「(なんじゃ、この殺気は!?こんなの人間に出せる殺気ではない!)・・・・・・・・
なんじゃ・・・・・・その後ろのやつは?」
「なぁにを言ってやがるぁ?後ろには、俺の助けるべき奴らしかいねえよ。」
他の百華は全員座り込んでいたが、月詠はなんとか立っていたが、震えていた。彼女は銀時のうしろにこの殺気の正体が見えていた。
(黒い、龍!?)
「よしっ!今のうちに逃げんぞお前らぁ!」
「は、はい!」
「ま、待ちなんし!」
「待てって言われて誰が待つかぁ!」
「待てって言っておろうがぁ!」
グサッ
「え?」
銀時は後頭部に違和感を感じ手で触ってみると、クナイが刺さっていた。それは銀時だけではなく他の三人も同様だ。
バタッ
四人は倒れた。
ページ上へ戻る