| 携帯サイト  | 感想  | レビュー  | 縦書きで読む [PDF/明朝]版 / [PDF/ゴシック]版 | 全話表示 | 挿絵表示しない | 誤字脱字報告する | 誤字脱字報告一覧 | 

艦隊これくしょん!平和な鎮守府の日常?

しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。 ページ下へ移動
 

提督、姉と話す

「提督のお姉様はお綺麗な方でしたね」
「はい、ピンク色の髪が素敵でした」

提督の実家へと旅行へとやってきた一行は、家の中へと通され現在の家主である提督の姉であるルネと軽く会話をした後に自分たちにと割り当てられた大広間に荷物を下ろし腰を下ろしていた。

「ルネ、何処かで聞いた事がありましたが今解りました」
「私もだ加賀。まさか、あの元海軍大将ルネ氏だとは思わなかったがな」
「えええっ!?提督のお姉さんってそんなに凄い人なの!?」

加賀と長門の会話内容を聞いて驚愕するマリアとそれを肯定する二人。

「確か僅か21で大将の座にまで上って敏腕の軍人さんですね。でも突然辞めてしまって一時期は海軍内はパニックになったと聞きました」
「電も聞いた事あります。特に知略に長けてて考えた作戦は失敗なし、予測は外した事が無いぐらい凄すぎる人なのです」
「えっえっ?もしかして、知らなかったのって私だけなの?」

一斉に首を縦に振る4人にマリアは、顔が赤くなるの感じ近くに置かれていた布団の上に置かれている枕に顔を疼くめるのであった。


そんなマリアは一旦放置し場面を変更しよう。ルネと提督は2階の部屋に上がってそこの窓から景色を眺めながらサイダーを握っている。

「何にも変わってないでしょ此処の景色?」
「ああ、俺がこの家を出て学校に入る前のままだ。懐かしいな、毎日見てたよ」

今居る部屋はこの家に住んでいた頃の自分の部屋。姉の厚意で自分の部屋は全く変わっていなかった。家具の配置も、テーブルも、本棚に押し込まれている漫画本も何一つ変わっていなかった。思わず嬉しさと懐かしさが滲み出た溜息が出る。

窓から広がっている景色は緑一色な田んぼ、視界の端には道路が見えるが大半が緑が多い尽くしている。左に視線を向ければ河と鉄橋が見える。あの鉄橋は下が見えるようになっていて昔は恐くて姉の腕にしがみ付いて渡ったり、落ちるんじゃないかとビクビクしながら目を瞑って渡ったものだ。今ではあの程度恐くもないのが当たり前なのだろう。

「ああ、本当に変わってなくて安心したよ。俺にとって此処は唯の故郷じゃねぇからな」
「初恋をして初恋に敗れた悲しき土地でもある、でしょ?」

軽い調子で言われた言葉にうっとなりながら恨めしげにルネを睨むと笑いながら謝ってくる。自分にとってはトラウマに近いものだ。出来ればもう思い出したくはない。辛い思い出もあった、楽しい思いでもたくさん。そんなこの場所が自分の故郷だ。愛おしいすぎて笑えるレベルだ。

「貴方は、辛い思い出もあるのに、この故郷場所を守りたくて軍人になったんだよね。幾ら私が止めても聞かなかったし」
「俺だって男の子だからね、何時もまでも姉さんに守って貰ってちゃ情けないって気持ちがあったのさ」
「………ねぇ、やっぱり今でも思ってるんじゃないの?この世界を、壊したいって」

そう聞いたルネは辛そうだった。泣きそうでもあった、提督はその言葉を受け止めながら無表情だった。彼にはこの世界を壊す権利がある、そうなのかもしれない。事実、彼は何度もそう思った事もあった。だけどしなかった。

「―――昔はね、思ってさ。この世界でのうのうと生きてる奴等が憎くて憎くてしょうがなかった。軍人になっていざ戦うとさ、平和っていう甘美な味の意味を知っちゃったから。如何でもよくなっちゃったよ」
「………そっか、それならいいや!今、それ台詞を聞けてよかったよ」

そりゃよかったねと返す提督、自分と姉しか知らない世界への恨み。それは忘れる事ができない深い物、それを背負いながら生きていく事を決めた二人の意思は固い。

「そう言えばさ。あそこの温泉プールってまだ残ってる?明日にでも皆を連れて行こうと思うんだけど」
「週3で私が行くぐらいに残ってるわね。そう言えばもう直ぐ夕暮れね。今晩は豪勢にしちゃおうかしら?」

気づけば既に夕暮れが近い、どうやら結構な時間話しこんでしまっていたようだ。共に下に降りていこうとした時

「弟君」
「えっ?」

姉に呼び止められ振り返ると、唇に姉の唇が重なる。突然の行動に全く反応出来ずにそのまま唇を10秒ほど奪われてしまった。

「ふふふっ………相変わらず美味しい唇でした♪」
「………やるんだったら恋人にやれよ」
「んじゃ弟君が私の恋人っと言う事d「却下」即答!?」


などといった漫才を交えながらも一緒に1階に降りて食事の支度を済ませる二人であった。

「お~い夕ご飯だぞ~」

提督の声に釣られて今へとやって来た長門達はテーブル一杯に広げられた御馳走に目を奪われる。超高級レストランのフルコース、それだけではすみそうにはならないほどの量と質だ。特に長門と加賀が目を輝かせている。

「ごめんね待たせちゃって、その代わり御馳走にしたから勘弁してね。さあ思う存分食べて良いのよ、補給お代わりもたくさんあるから安心して食べてね」
「補給………気分が高揚しますね」
「思う存分頂こう」
「は、榛名さん……私たちの分、残るのでしょうか……?」
「は、榛名に任せて。大丈夫です!」

小さく多分と付け加える榛名に不安を煽られる電。そんな二人にちゃんと取っておいてあげるからという提督。その言葉を聞いて安心する二人、だが提督はまだこの場にマリアが居ない事に気づく。

「あれマリアさんは?」
「そういえばまだ来てないわね?」
「マリアなら浴衣に挑戦してみると言っていたな」

ドイツ生まれなマリア、そんな彼女は日本の様々な文化に興味を示していた。そんな彼女は浴衣に興味があるようだ。だが折角の料理が冷めてしまうのでルネが呼びに行こうとすると、そこへマリアがやって来た。

「ごめん待たせちゃって。結構大変ね、浴衣を着るのって」

やって来たマリアは風呂上りなのか、頬を少し赤くし少し濡れた金髪の髪が酷く艶やかに見えた。少々サイズが合っていないのか太ももは大体に見えており、胸は真正面からでも谷間が確認出来るほどだ。そんなマリアに目を奪われた提督は彼女に釘付けになってしまう。

「これが日本の伝統なのね、ちょっとスースーするけど気に入ったわ。ねっ提督どう!?」
「………ニャ!?え、えっとその……す、凄い似合ってると思うよ……」
「あ~ら弟君ったらマリアちゃんの浴衣姿に見惚れちゃったのかしらん?」
「「「「ほほう?」」」」
「えちょ何言ってんだよ姉さん!?って何で長門さんたち睨むの!?すっげえ恐いんですけど!?」 
ページ上へ戻る
ツイートする
 

全て感想を見る:感想一覧