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もし俺がFate/Zeroの世界でランサーのマスターになった場合

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第十一槍

 
前書き
先日、ハーメルンでFate/Zeroの面白いの見つけた。
ああ、俺にはこんなの書けねえわ……とか思いながらも、スマホをタイプする今日この頃
……バーサーカーもいいよね! 

 
上手くセイバーの健を斬ることに成功したランサー。

いい。実にいい。これならば、今後の心配事がなくなる。
あの対城宝具を封じれば、怖いことなどほぼなくなる。
後はキャスターさえ始末できれば最高の形だ。

最後まで残れば、アーチャーとライダーが潰しあう。原作では、最終日まで残っていたのがセイバー、アーチャー、ライダー、バーサーカーの四騎。その中から最後に相見(あいまみ)えたのはセイバーとアーチャーだ。第五次聖杯戦争にも関わってくるキャラたちだな。

どうにか、その中にランサーを組み込ませたい。策でいうと、バーサーカーを倒して、セイバーとの一騎討ちをさせてやりたい。
勝っても負けても、そこまでいけば俺は生き残れる。

この場でセイバーとの決着をつけてやれない以上、それくらいしかないだろう。

「…………来たな」

刃を交わそうと走り出したセイバーとランサー。だがそれは叶わなかった。

突如、倉庫街の空を雷が焼く。
轟く雷鳴、吠え声をあげる猛牛、そんな猛牛に引かれる戦車(チャリオット)に乗って現れた二メートルを超す大男。……と、気弱そうな顔をしたライダーのマスター、ウェイバー・ヴェルベット

そんなやつらがセイバーとランサーの間に割って入った。

『白水殿、如何されますか』

『とりあえずは様子見だ。多分、他のサーヴァントも現れるだろうし
下手に動いて狙われれば叶わねえからな』

『御意』

ランサーとの念話を切り、再び視線をランサーたちの方に戻す。
早々に自身の真名を名乗り、やれ、軍門に下らぬかとか、報酬は応相談だとか、言ってる征服王イスカンダル。またの名をアレキサンダー大王。マケドニアの王でひたすら東へと遠征を行うが、ついには東の果てにあるオケアノスを見ること叶わずに死去した。伝記などによれば三十そこそこで死んだらしい。

そんなライダーの宝具は二つ。
一つは今目の前で出している神威の車輪(ゴルディアス・ホイール)
ゴルディアス王がゼウス神に献上した供物でそのガッチガチのグッチャグチャになっている縄をほどくいたものが王となるとされていたが、アレキサンダーがこれを剣で切り払い、結び目を解いてしまった、とかなんとか
あとは生前の軍勢を固有結界内で召喚し敵を蹂躙する王の軍勢(アイオニオン・ヘタイロイ)
まぁ、詳しいことはどうでもいい。大事なのは、そのライダーが出てきたということだ。
ここまでは概ね予想通り、というか原作通り。

ただ違うのは、本来なら存在するケイネスからウェイバーへの発言がないということだ。だって、ケイネスじゃなくて俺だしな。

だが、問題もある。

ライダーの覗き見してるやつ他にもいるからさっさと出てこいというあれは、ケイネスがウェイバーへと言った言葉が発端だ。
てことはだ。下手したらアーチャーでてこない。そうなればバーサーカーも出てこない。

なんてこったい。

なら、できるだけ動くしかないではないか。

「全く、揃いも揃ってマスター自ら顔を出す奴があるか」

位置を特定されないように、幻術をかけて言葉をのべる。

「ほぉ、てことは貴様がランサーのマスターだな?」

「それくらい分からないなら、ただのアホだ」

『白水殿……』

『ランサーすまん。けど、これも必要なことだからさ』

「アインツベルンも堂々と姿を見せるとは、御三家の名が泣くぞ? ライダーのマスターはサーヴァントさえ御しきれていないとは……魔術師としてどうなんだ?」

明らかな挑発行為に、二騎のサーヴァントの表情が険しくなる様子が見てとれる。

「殺し合いの場に姿を見せるのは愚の骨頂。魔術師としての立場をわきまえた方がいい。……もっとも、セイバーのマスターはそれを分かっているみたいだがな」

「「っ!?」」

アイリスフィールとセイバーが驚愕を露にするなか、俺は視線をそこから外して倉庫街を見回した。
もちろんこれは衛宮切嗣に向けた言葉だ。
何故こうしたかについての理由としては、こうすることで、切嗣による暗殺行為をしづらくさせるためだ。
こちらはそちらのやることを分かっているというのを示すだけで、あちらは警戒して手を出しづらくなる。
そうすれば厄介な攻撃はやりにくくなるだろう。

「おう魔術師よ!!」

「ん?」

征服王が叫んだ。魔術師……というのは俺のことなのだろう。

「言いたいことを言ってくれたようだが、臆病風に吹かれて身を隠すものが、勇敢に戦場に姿を見せた勇者を笑う通りはなかろうて」

『白水殿……!!』

『落ちつけランサー。言いたいものには言わせておけ』

それに、一理ある。あるんだが……

「勇敢と無謀は違いものだと思うがな……」

聞こえないようにボソリと呟いた。

そして征服王は叫ぶ。まだ影からこそこそ見ているやつがいると。
セイバーとランサーの戦いに称賛を送り、またも征服王は叫んだ。

「尚も姿を見せぬ臆病者は、この征服王イスカンダルの、侮辱を免れ得ぬものと知れぇ!!」


 
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