勇者指令ダグオンA's どっこい
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第十九話 無人島で二人っきり!
青い海!白い砂浜!ここは・・・
「リゾートや!!」
思いっきり叫ぶはやての姿が・・・
第十九話 無人島で二人っきり!
数日前にダグベースでミツキからの連絡を受けた楓と大地。
ハーメルン連載 魔法少女リリカルなのは~影の守護者~最終話にて助っ人としてお世話になったお礼にと楓が前々から頼んでいたメイファ財団のリゾートを八神組の予算で行けるように値切ってもらったという。
「ただじゃないのか・・・」
八神組一のへそ曲がりの大地の呟きに楓は・・・
「ふ・・・大地甘いよ・・・このリゾートお爺ちゃんのお小遣いや私たちのお給料じゃ逆立ちしたって来れないんだからね!!」
「だな・・・勝手に行ってこい」
そう言って大地は不参加を表明するのだが楓は・・・
「え!?大地行かないの!スバルの水着見放題だよ!」
「貴様はそういう発想しかないのか!」
赤面しながらも怒る大地、すると楓の頭に電球が現れ・・・何かを思い出した。
「そっか・・・大地・・・ごめん・・・お姉ちゃんすっかり忘れてた・・・大地泳げなかったんだよね・・・」
そう・・・実は大地の密かな弱点は泳げないという事である。
すると
「ふぇ?大地泳げないの?」
運悪く楓の元を訪れたスバル。大地は別に困らないと言った様子だったがスバルが・・・
「じゃ!私が泳ぎ教えてあげるよ!手取り足取り!!」
「断る!」
その様子を見ていた楓は・・・
「良いじゃん!この際だからじっくり教えてもらいなよ!」
「決定!」
「貴様ら!俺に選択肢はないのか!!」
こうして半ば強引にバカンスに連れていかれる羽目になった大地だった。
そんなこんなで青い海に白い砂浜
そして超豪華なホテルの姿・・・
「うわ・・・高そう・・・」
ホテルを見た力の第一声がこれだ。
「・・・確かに・・・あたしの一生分の給料足しても絶対来れないな此処」
来て早々トロピカルジュースを片手に飛鳥が頷く。
そして・・・
「で!ミツキさんの好意で値切りに値切ってもらった結果!夕食は海の幸!を自力でとってくることになりました!」
「ちょう待て!何でそこ自給やねん!」
楓のディナープランに対してツッコミを入れるはやて。
すると楓はバツが悪そうに・・・
「いやぁ・・・これも私たちの予算で収まるように値切りに値切ってくれた結果でして・・・大丈夫です!メイファ財団の肩から許可は貰ってますので!」
取りあえず許可証を見せる楓。お金に縁のない八神組でも遊べるようにしてくれたらしいのだが、とにかくバカンス組と釣り組に分かれる事になった。
バカンス組
はやて・ヴィータ・シャマル先生・リイン・楓・大地・紫・スバル・ティアナ・エリオ・キャロ
釣り組
力・飛鳥・北斗・サイモン・シグナム・ザフィーラ
に分かれると・・・
「貴様!何で俺が釣り組に入ってないんだ」
「だってぇ~折角スバルが大地の泳ぎのコーチを引き受けてくれたんだし~人の好意を無下にできないよね~(本心は?)その方が面白そうだし~」
「貴様!」
楓の主張に頭に筋浮かる大地。
更に・・・
「こるあ!シグナム!何であんたが釣り組入ってるんや!」
「いやぁ主。新鮮な魚が手に入るので上等の干物が出来ると思いまして・・・」
「バカンスに来てまで干物のこと考えるんやないわ!!」
シグナムがバカンス組に入らないことを激怒するはやて。
シグナムの水着姿をお目にかかりたい動機が見え見えなのだが・・・
ここでいつもの強制的結論が発動した。
ズドン!!
大揉めを起こした最中、凄まじい音と同時に思いっきり空に向かって気功銃構えている北斗。
「・・・で?・・・どうするんだ?」
いい加減もめ事が鬱陶しくなってきたのか瞳孔を開き始めている北斗。
話を先に進めるため釣り組は釣り船に乗り、バカンス組はバカンスを楽しみ始めた。
バカンス組が最初に始めた事・・・それは・・・
「それでは!まず!万が一の時のための人工呼吸のレクチャーを始めます!」
レスキュー志望のスバルによる人工呼吸の講習が始まるのだが・・・
「何で俺が実験台なんだよ!」
何故か巻き込まれた大地。
「だって~実際どうやるか実物がないとダメじゃん!良いじゃんフリだけなんだから」
「あたりまえじゃ!」
ピンポーン
正常な人に人工呼吸は絶対にやってはいけません
注意書きが終わると大地は再び・・・
「て!そういうのはレスキューくん人形でも持って来いよ!」
「この状況でそんな気の利いたもの用意できるわけないでしょ!」
大地とスバルがもめていると・・・
「つべこべ言ってへんでさっさとやらんか!」
早く遊びたいのか、はやてにより強制的にレクチャーを続けさせられるスバル。
因みにレスキューくん人形はちゃんとミツキに発注したのだが・・・
(ごめんね~今全部使っている最中なの~)
ちょうど避難訓練をやってたらしく全部使っていたらしい。
とりあえずスバルの足元で嫌々横になる大地。
「まず呼びかけます!大丈夫ですか!大丈夫ですか!」
大地の頭もって意識があるか確認するスバル。
「意識無い時は助けを呼びます!役割分担した方が負担が軽減するので!居ない時は自分でやります!助けを求める相手は指名した方が良いです!そして人工呼吸ですが!気道を確保して・・・唾液とかから変なもの貰わないように通気性のある布とかでカバーした後に息を吹き込んで・・・」
「ええ~口付けるの~」
思春期の方のもっともなツッコミに・・・
「て!人命掛かってるんだからそこは我慢してよ!」
最もである。
するとエリオが・・・
「あの~・・・スバルさん」
「はい!そこのエリオ君!」
「大地さん本当に死にそうになってますけど・・・」
「え?」
スバルが大地を見ると顔面真っ青で白目剥いて泡を吹いていた。
そう、スバルの今の姿・・・水着・・・しかも大地から見ればローアングル・・・
健全な男だったら泣いて喜びそうなアングルなのだが・・・
力から色濃く遺伝した女性恐怖症で裸恐怖症で女アレルギー体質の大地からすれば・・・
「ぶくぶくぶく・・・」
こうなってしまうのであった。
「うわ!大地!ちょっと!しっかりして!大地ってば!!」
大慌てで大地の救護を始めるスバル。
そんな二人を放っておいてバカンス組はとっとと遊びに行ってしまうのであった。
一方釣り組は・・・
「「「「「「・・・・・・・・・・・・・・・」」」」」」
メイファ財団から借りた釣り船で全員黙って釣り糸垂らしていた。
「・・・ううん釣りって釣れてると楽しいけどこの待ち時間って退屈だな・・・」
力の意見に最もの面々・・・今のところ当りは無く暇であった。
すると飛鳥がクーラーボックスからジュース等を取り出した。
「ん?何やるんだお前」
「いや~暇だしジュースのカクテルでも作るか?これもボートの一興ってね」
飛鳥がシェイカーや氷を取り出すと北斗が・・・
「ノンアルコールだからな・・・」
「わかってますよ」
集中力を高めたいのかノンアルコールを要求する北斗。
兎に角本日の夕飯の為に頑張る人々であった。
バカンス組
「いやっほー!」
海でサーフィンやってるはやて、いつも力の事をどついているせいかかなりの運動神経である。
砂浜では楓達が海の家のご馳走をかけたビーチバレー対決が披露されていたり、砂の彫刻を作っていたりと悠々と遊んでいた。
約一名を除いては・・・
「じゃ大地~まず水に慣れてね~」
「・・・・・」
スバルが人目を避けたブイ(遊泳はここまでという目印の丸い球体の事)の近くで大地に泳ぎのレクチャーをしていた。
「貴様何で深いところに・・・」
「だって皆の近くでやったら恥ずかしいって言ったの大地じゃん。大丈夫だってさっきからずっと手持ってあげてるじゃん」
海でバランスを保つためさっきからスバルに手を持ってもらっている大地。
物凄く恥ずかしいらしい。
「んじゃ離すよ~」
「わ!ちょっと待て!!ぶがががががが」
行き成りスバルに手を離された大地。しかも深いので上手くいくはずなくバタつかせてしまい無我夢中で近くのブイを掴むが・・・何やら感触に違和感を覚えた大地が見てみると・・・
スバルが・・・
「わ・・・大胆」
何掴んだかは察してあげて下さい。
すると浜辺では
「ん?何や?あの辺の海真っ赤やで・・・」
「何が起きたんだ?」
対して大変なことなど起きていないと思ったので放っておくことにしたはやてだった。
そんなこんなで楽しいバカンスを終え夕食を確保した八神組御一行様は泊まる場所の話になった。
「泊まる場所はここになってます」
楓が指差すとキャンプ用のコテージが数個。自炊できるように外には釜戸やら何やらが準備されている。
「値切ってもらったんなら十分だよね」
そう言って力が納得すると楓が申し訳なさそうに・・・
「それが・・・ミツキさんが値切りに値切ってくれても約二名ほどあっちに泊まってもらわないといけなく・・・」
申し訳なさそうに楓が指差した方向を見ると島が・・・
「ちょっと待て・・・あそこで野宿しろってか?」
目を丸くするサイモン。
すると全員が・・・
「んじゃ力君よろしくな」
「なぬ!?」
力の方を見た。その理由は・・・
「ああいう所は力君みたいに体力のある超人やないとあかんって!」
すると力は・・・
「ちょっと待て!だったら大地だ!」
「どういう事だ!」
「ああいう所で生活するのは知恵が必要なんだぞ!それは八神組で一番頭のいい大地が行くべきだ!!」
別にどうだっていいと言った感じの大地。
色々ともめそうなので公平にくじ引きをすることにしたのだが・・・
「「・・・・・・・・・・」」
楓にボートに乗せられる賢い人大地と体力のある人スバル。その表情は物凄く硬くなっている。
無事に島の岩肌に辿り着くが奥はリゾートではなくジャングルであった。
帰り際の楓は大地の耳元で
(大地!スバルとあ~んなことやこ~んなことを)
その時大地の中の何かが切れ・・・
「貴様!これでも食らえぇぇぇぇぇ!!」
そう言って帰っていく楓に大地はその辺にあった岩を持ち上げ次々と投げつけていった。
「ちょ!大地!冷静になって大地!!」
滅茶苦茶怒りまくっている大地を必死に宥めるスバル。
とりあえず冷静になった大地とスバルは島を一通り探索すると・・・
「何にもない島だな~・・・」
「そうだね~・・・」
「やることねえな~・・・」
「そうだね~・・・」
思いっきりやる気なくしている大地とスバル。
するとスバルが・・・
(ん?何もない・・・暇でやる事ない・・・てことは・・・私これから帰るまで大地にあれしてこれしてあれされ続けちゃうんだ!!)
エロ本でも読んだことあるのかそういう展開を想像してしまうスバル。
(と!とりあえず身体綺麗にしておいた方が良いかな!!?今日大丈夫な日だったっけ!?体力はある方だけど帰りまで持つかな~!?)
心配するべき着眼点が物凄くずれているが身の危険を感じたスバルが大地の方を見ると・・・
「ふん!ふん!」
何やら石斧作って木を切っている大地の姿が・・・
「ま!まさか大地そう言うのが好みなの・・・大丈夫かな・・・」
やはり心配するべき着眼点がずれているスバルすると大地が振り返り・・・
「アホか貴様は!こんな所でどうやって生活しろって言うんだ!!」
「あ!」
我に返るスバル。そうここはジャングル。町と違って暖がある物が近くに無数あるわけではない。更にバカンスの影響で薄着・・・すなわち夜になれば冬なんて目じゃないほど寒くなってしまう。
「あ・・・そっか・・・そうだよね!あは!あははははは!!」
よくよく考えれば色濃く遺伝した南家の女性体質の大地がそんな事できるわけないと確信するスバル。
「第一な・・・この話にそんな展開求めてる奴などいない!!」
「ああ・・・それ確信して言えるよね・・・ウチの作者さんやってもギャグで終わるような展開しか思いつかない人だから・・・」
「アイディアねえんだよな」
そうこう言いつつスバルが・・・
「で?大地何作ってるの?」
「家を建てる・・・雨風凌げるところくらい必要だろうが」
「そんな~そう簡単に家なんて建てられるわけ・・・あ・・・」
スバルが大地の無茶を否定しようとしたが止めてしまった。
それは大地があの『楓の弟』であるから・・・
勉強以外は何でもできる楓・・・そしてその楓にこき使われることが多くなってしまった大地もある程度の技術は会得している。
家くらい建てられるだろう・・・
ある程度の時間が過ぎると簡単な掘っ立て小屋を作り上げた大地。雨風凌ぐくらいならこの程度で充分であるようだ。
更に周辺に石窯や石槍を作る大地に唖然とするスバル。
「これ・・・どうするの?」
「魚採ってくるんだよ」
「なんで!」
「貴様!これだけ探し回って食料これだけしかなかったんだぞ!」
島を探索している最中、食糧確保もやってたらしく木の実が数十個・・・だがこれの量ではすべてスバルのお腹に消えてしまうと思っている大地。
その頃バカンス組では・・・
【わいわいがやがや】
大地たちの苦労など気にもせず楽しそうに獲れたての新鮮魚介類などでバーベキューをやっていた。
そして
【かんぱ~い!!】
成人組は飛鳥が持って来たお酒などを飲んでどんちゃん騒ぎに入り未成年組は夜の浜辺の景色などで青春を満喫していた。
再び大地たち
「あなた~準備できましたわ~ん」
御飯の準備が出来たので大地を呼ぶスバル。
「『あなた』っていうんじゃねえ『あなた』って」
「もう照れ屋なんだからお父さんってば」
「『お父さん』っていうんじゃねえ『お父さん』って!!」
そう言って激怒する大地。
やる事がなさ過ぎて場を盛り上げるべく飯事やってるらしい。
テレビとか無いとアナログな遊びしか思いつかないらしい。
大地もスバルが暇でしょうがないと騒ぐので取りあえず付き合っているらしい。
力達が遊んでいる中で何故己はこんな苦労をしなければならないのか?と思ってしまう大地であった。
取りあえず木の枝に魚を刺して焼き始めると良い匂いがしてきた。
「うう~ん良い匂い~畢ちゃんなら凄くこだわって焼くんだろうけど」
「いや・・・あいつ本能で料理してるらしいから技術的な事はよくわかっていないらしいぞ」
「本能であれだけ料理できるって・・・同じ細胞なのにすごいなぁ」
「美味しく作るのに感覚を磨きぬいてるだけじゃないか?」
「根っからの料理人か」
畢の話題でしばらくもつと良い具合に焼けてきてお腹が膨れるのであった。
夜
「「スゥスゥ」」
静かなので安眠していた大地とスバルだが突然スバルが目を覚ました。
その理由は・・・
「・・・寒い」
雨風凌げてもやはりかける物がなかったりすると寒いものは寒いらしい。
「こういう時のレスキューの教本だと・・・あ・・・」
何やら思いついたスバルは大地の元へ行き思いっきりホールドした。
「これなら暖が取れる」
「!?」
スバルの行動に思いっきり目を覚ましてしまった大地。完全にホールドされて身動きが取れない。
「!!!貴様!恥じらいというものは無いのか!!」
「ええ~大地は弟みたいなものだし別にいいよ~それじゃお休み~」
そう言って熟睡してしまうスバルに大地は気が気じゃなく眠れない夜を過ごすのであった。
翌朝楓が迎えに来るとげっそりした大地と健康そうなスバルの姿が・・・
それを見た楓は・・・
「大地・・・そうかとうとう」
思いっきり茶化し始める楓。
この時大地は心から誓った。
「俺のラスボスはやはりこいつだ」
こうして怒りの炎を燃やすのであった。
後書き
力
「本日!海鳴神社の夏祭り!俺達も露店を出すことになった!え?何やるんだ?」
畢
「それは勿論・・・焼鳥屋なのだ!」
力
「何故焼鳥・・・」
畢
「あんな暑い中にお箸もっているのは色々大変なのだ!だから焼鳥でアイスコーヒーのお店にするのだ!」
力
「次回!勇者指令ダグオンA’s どっこい 夏祭りわっしょい!!」
力
「食えや飲め!!」
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