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魔法少女まどか☆マギカ こころのたまごと魂の宝石

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第4話

次の日。結局、ほむらちゃんの言っていた私がやるべき事と言うのは何か分からなかった。

「私が、魔法少女として戦う為にやるべき事か・・・エイミーは分かる?」

そう言って横で浮かんでいるエイミーに話しかけるけど・・・

「ごめん、まどか。いまはそっとしておいて。」

とっても疲れた様子だった。
何でこんな事になっちゃったのかと言うと、キュウべえの説明通り、タッくんにはエイミーの事が見えていた。それで思いっきりおもちゃにされて・・・止めるの大変だったなあ。
なんて考えてる間に、私はさやかちゃんと仁美ちゃんと合流して教室にやって来たんだけど・・・

「あー!!!」

そこに居たものを見て、私は思わず大きな声を出してしまった。

「どうしたの、まどか?」

さやかちゃんは見えて無いから首を傾げてるけど、多分見えてたら私と同じリアクションをすると思う。だって、昨日転校してきた日奈森さんの周りにしゅごキャラが居るんだもん!しかも四人!!


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いきなり叫び声が聞こえたから、振り返ってみると、鹿目さんがあたしの方を見て驚いてた。しかも、その横にはピンク色のしゅごキャラが浮かんでる。

「あむちゃん!あの子のしゅごキャラ、生まれたみたいだね!」

「うん。」

良かった、ちゃんと生まれて。時々、しゅごたまはしゅごキャラが生まれる前に✖️たまになっちゃったり、事故で割れちゃったりする事があるから心配してたんだ。
そう考えてると、鹿目さんの方からこっちに寄って来た。

「あの、その子達って・・・」

「うん。皆、あたしのなりたい自分だよ。」

そう答えたら、鹿目さんは驚いたような表情をした。

「それで、その子があなたのなりたい自分だよね。」

「う、うん。」

「そう。何か、分からない所とかある?」

「ええと、色々と・・・」

「そう。あたし、しゅごキャラについては詳しいの。昼休みに屋上でお昼を食べながらお話ししよっか。」

「はい。よ、よろしくお願いします。」


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授業中、私はキュウべえ経由のテレパシーでさやかちゃんにマミさん、それとほむらちゃんと日奈森さんについての話をしていた。

“日奈森さんが四人も妖精持ってたってマジ!?”

“うん。あと、昼休みにしゅごキャラについて詳しく教えてくれるんだって。”

“へえ〜。って言うかキュウべえ。一人で沢山の妖精を生む事ってありえるの?”

“僕の知る限りではあるね。でも、せいぜい二体というのが多かったから、彼女はかなりのレアケースになるよ。”

“でも、その日奈森さんって信用出来るの?”

日奈森さんに会った事の無いマミさんは警戒してるみたいだった。

“例えば、妖精が沢山居るのは他人から奪っただとか。”

“そうね。今回は私も巴マミとは同意見よ。”

ほむらちゃんもマミさんと同じようだった。

“僕としてはこれまで謎の多かった妖精の詳細を知れるチャンスだと思うんだけど。”

“あたしもキュウべえといっしょ。妖精が何なのか気になるし。”

でも、キュウべえとさやかちゃんはそれでもしゅごキャラの事が知りたいみたい。

“だからさ、皆で一緒に行こうよ。そうすれば万が一の事があっても何とか出来るしさ。”

“僕もさやかには賛成だね。まどか、マミ、君達はどうだい?”

“私はそれでいいと思うよ。でも、日奈森さんの周りのしゅごキャラ達も、無理やり一緒に居させられてるって感じはしないから、危険は無いと思うけど?”

“鹿目さんがそう言うなら大丈夫そうだけど、万が一と言う事もあるは。私も一緒に行くわよ。”

“なら、私も一緒に行かせてもらってもいいかしら?”

ほむらちゃんがそう言うと、さやかちゃんとマミさんは警戒し始めた。

“どう言う積りさ、転校生。”

“意図を聞かせて欲しいわ。”

“別に。私もその妖精の正体について知りたいだけよ。”


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そして昼休み。あたしはラン達と一緒に屋上で鹿目さんを待ってたんだけど・・・何故かあの子は自分以外の子達も連れて来た。

「あの、鹿目さん?その子達は?」

「ちょっと転校生2号。あたしは美樹さやか。あんたと同じクラスでしょうが。」

「同じく、暁美ほむらよ。」

「私は初めましてね。三年の巴マミよ。」

「あ、どうも・・・ってそう言う意味じゃないし!って言うか、転校生2号って何!!」

「実は、皆もしゅごキャラについて知りたいらしくて。」

しゅごキャラを知りたい!?まさか鹿目さん、しゅごキャラの事話しちゃったの!?でも、しゅごキャラの事を信じちゃうなんて・・・

「もしかして、皆もしゅごたまが生まれたの?それか、しゅごキャラが見えるとか?」

「そうじゃないよ。」

「え?でも、普通そんな話は信じられないんじゃ・・・」

「大丈夫よ。非日常的な事には慣れてるわ。」

それってどう言う意味だろ?そう考えてると、ドタドタと言う足音と一緒に一人の女の子と一人のしゅごキャラがやって来た。

「ごめん、遅くなった!」

「間に合ったか!?」

やって来たのはもちろん、ここに転校してから出来た初めての友達のキリカとレン。

「呉、キリカ・・・!」

その時、暁美さんがキリカを警戒し始めた。何で?って言うか知り合い?

「あの、前に会った事あった?」

「さあ、どうかしらね?」

キリカが聞くと暁美さんはそっぽを向いてそう言った。何なの、あれ?

「あ。」

その時、鹿目さんが声を上げた。レンを見てるし、多分レンの事に気付いたみたい。

「どうしたの、まどか?」

「この人も、しゅごキャラ持ってる。」

「マジで!?」

美樹さんは驚いてキリカの方を見た。

「あなたも、私達に妖精について教えてくれるのかしら?」

「妖精?あ、しゅごキャラの事?残念だけど、私も教えて貰う側なの。こころのたまご関係で知らない事が多いし。」

「こころのたまご?」

こころのたまごと言うワードで巴さんは首を傾げる。

「そう言う時は!」

「この本をどうぞですぅ〜!」

その時、ランとスゥがあたしの鞄から司さんの絵本を取り出した。

「何あれ!本が浮いてる!?」

「落ち着きなさい、美樹さやか。彼女の妖精が持ち上げてるだけでしょう。」

本当にしゅごキャラが見えて無いんだ。


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「それじゃ、改めて。あたしは日奈森あむ。こっちはあたしのしゅごキャラのラン、ミキ、スゥ、それにダイヤ。」

「私がランだよ!」

「僕がミキさ。」

「スゥですぅ〜。」

「ダイヤよ。よろしく。」

「私は呉キリカ。ここの三年生。この子はレン。」

「よろしく頼むぞ。」

日奈森さんと呉さん、それにしゅごキャラ達が挨拶するけど、さやかちゃん達は見えて無いから分からないみたい。

「あ、私鹿目まどかって言います。この子はエイミー。」

「よろしく。」

「それであの、しゅごキャラってどういうものなの?エイミーは私のなりたい自分って言ってたけど。」

「それで正解だよ。まずはこれを読んで。」

そう言って日奈森さんはランとスゥが出してきた絵本を私達に渡してきた。『こころのたまご』って言うかタイトルで、表紙に手足が生えて顔のある可愛らしいたまごが描かれている。この中に答えがあるって事かな?ひとまず、私達はページを開いて読み始めた。

《こどもはみんなこころのなかにはたまごをもっている。めにはみえないこころのたまご。おとなになるときえてしまう。》

心の中のたまご。そのフレーズから私はエイミーが生まれたたまごを思い出した。

「日奈森さん、これって・・・」

「そう。そこに書いてある通り、こどもは皆こころの中に夢と希望が詰まった『こころのたまご』を持ってるの。でも、そこに強い願いが加わると、しゅごキャラが生まれる『しゅごたま』に変化する訳。」

「それが、こころのたまご・・・」

「興味深い話だね。」

キュウべえも興味深そうにこの話を聞いてる。

「あれ?何それ?」

「見た事の無い生き物だけど。」

すると、日奈森さんと呉さんがキュウべえの事に気付いた。

「おや?君達僕の事が見えてるのかい?妖精を生んでいなければ勧誘してたんだけどね。」

キュウべえが見えるのは魔法少女と私やさやかちゃんみたいに魔法少女の素質がある子だけなの。

「うわっ、喋った!あんた何なの!?」

「僕はキュウべえ。詳しい説明は妖精の事を聞き終えてからだね。今からやるとややこしくなるだけだ。」

「わかった。それじゃあ、しゅごキャラについてだけど。」

キュウべえの言葉に納得した日奈森さんが説明を再開した。

「なりたい自分が具現化した存在なの。」

「なりたい自分?」

「そう。しゅごキャラの力であたし達は一時的になりたい自分の姿になれるの。それが“キャラチェンジ”。」

「いっくよー!キャラチェンジ!!」

日奈森さんがそう言った時、ランが何かした。すると、日奈森さんのバッテンの髪飾りがハートに変化して、手足に光る羽が現れる。

「これは・・・」

「これが、日奈森さんの変身の第一段階?」

私の時みたいに少しだけだけど、確かに起こった変化に私を含めた皆驚いている。でも、これはまだ序の口に過ぎない事を私は知らなかった。

「もー!何その難しい言い方!!そうじゃなくて、キャラチェンジだよ!キャラチェンジ!!」

いきなり、日奈森さんのテンションが高くなった。見た目ではなく中身が大きく変化したことに私達は唖然としてしまった。

「て、転校生2号。大丈夫なの?」

「大丈夫だって。って言うか、呼び方がよそよそし過ぎるって。だからさ、あむって呼んで!」

テンションが高くなっただけじゃなくて、よりフレンドリーな感じになってる。どう言う事なの!?
そんな風に私達が付いて行けないでいると、日奈森さんの髪飾りが元に戻って羽が消えた。それに合わせて日奈森さんはハッとした表情になり・・・

「いやあああああああああああああああああああ!!!」

頭を抱えて奇声を上げ始めた。

「ちょっと!日奈森さん大丈夫!?」

「ラン!あんた何してんの!!実演しろなんて言って無いじゃん!!」

マミさんが心配するけど、日奈森さんは文字通りランに掴みかかって怒鳴った。

「でもやっぱりその方が分かりやすいと思うよ?」

「そう言う問題じゃない!!」

「ねえ、付いて行けないんだけど、説明してくれる?」

すると、さやかちゃんが困惑しながら日奈森さんに聞いた。

「あ、ごめん。実はしゅごキャラには二つのパターンがあるみたいで、一つはあたしみたいに今の自分が定まってなくて、自分に無いものを補う為にしゅごキャラを生むタイプ。これはその、見ての通りキャラチェンジで性格が変わっちゃって・・・」

「そう言えばまどかも、あの時雰囲気が変わってたような・・・」

さやかちゃんの言う通り、キャラチェンジした時の私は何だか自信に溢れていたような気がする。

「それで、もう一つのパターンと言うのは何かしら?」

その時、ほむらちゃんが日奈森さんに聞いた。

「もう一つは今の自分が定まっているけど、新たな可能性を求めた結果しゅごキャラを生むタイプ。こっちはキャラチェンジしても性格は変わったりしないの。」

「そう。それで、まどかと呉キリカはどちらのタイプなのかしら?」

「私は、多分一つ目の方だとおもうよ。キャラチェンジした時、何だか凄く自信が湧いてきたし。」

「私もそう。キャラチェンジすると、凄く明るくなるの。」

呉さんも同じなんだ。

「それじゃあ、日奈森あむ。もう少し質問していいかしら?」

「うん。あたしに答えられる範囲ならね。」

「ならまず、しゅごキャラの力を使うのに何か代償は必要なのかしら?」

「代償?特に無いけど。まあ、キャラなりしたらちょっと疲れるけど。」

「「「「キャラなり?」」」」

新しく出てきた単語に私達全員は首を傾げてしまう。

「キャラなりって言うのは、しゅごキャラの力を120%発揮して一つになることで、まあ早い話が魔法少女みたいに変身出来るんだけど。」

「その話、詳しく聞かせて!」

私が聞きたかった話が出てきて、思わずがっついてしまった。

「いいけど、どうして?」

「私、そのキャラなりがしたいの。」

「キャラなりが?」

日奈森さんが不思議そうに言った。けど、何かを思い出したようにハッとした表情になった。

「もしかして、✖️たまを助けたいの?」

「✖️たま?」

「あれ?違うの?」

私の反応が意外だったみたいで、日奈森さんは不思議そうな表情をする。

「その✖️たまと言うのな何かしら?」

その時、ほむらちゃんが✖️たまについて聞いた。

「こころのたまごはね、持ち主が悩みを抱えたり、夢を諦めちゃったりすると✖️がついて✖️たまになっちゃうの。当然、持ち主に悪い影響を与えるんだけど、それだけじゃなくて暴れたりもする訳。」

「それ大変じゃん!」

「でも、これだけじゃないよ。✖️たまが孵化すると✖️キャラがうまれるんだけど、そうなると力は強くなるし、持ち主の子も倒れちゃうの。」

そんな衝撃的な話を聞いて私達は驚きが隠せなかった。特に、ほむらちゃんは愕然とした表情だった。


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これで納得したわ。キュウべえがしゅごキャラを参考にした理由が。日奈森あむの話した事が事実だとすれば、“ソウルジェムの性質”は元々人間が持っていたものと言う事になる。

「それで、その✖️たまとか✖️キャラはどうするの?やっぱり、やっつけちゃうとか?」

美樹さやかがそんな事を聞くけど、私の予想だと、多分それで良い結果にはならないわね。

「それも手の一つだけど、あくまで最後の手段。」

「どうして?暴れるんでしょ?」

「そうだけど、✖️たまは元はこころのたまご。だから壊しちゃうと持ち主の子は完全に夢を失って無気力になっちゃうの。」

やはりね。私の予想する限り、こころのたまごと言うのは“魂の一部”。変質しただけでも悪影響が出るのに、壊されたりしたらタダで済む訳が無いとは思っていたわ。まあ、私は死んだり廃人になったりすると思ってたから、予想よりはマシだったわね。

「それじゃあ八方ふさがりじゃん!」

「そんな事は無いよ。✖️たまや✖️キャラを救う方法はちゃんとある。」

✖️たまや✖️キャラを救う!?天然の“魔女”とでも言うべき存在を!?

「皆がそうって訳じゃ無いけど、キャラなりの能力には✖️たまや✖️キャラの浄化があるの。」

「浄化?それってつまり、こころのたまごに戻すって事?」

「そう。鹿目さんはそうやって✖️たまを助けたかったからキャラなりがしたいって言ったんだと思ったんだけど、どう言う事なの?」

日奈森あむがそう言うと、キュウべえを抱えた巴マミが一歩前に出た。

「それについては、私とキュウべえで説明するわ。」


続く

 
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