ソードアート・オンラインーもしもあの時、サチが死ななかったらー
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SAO
紅の殺意
第27話
前書き
キリトが告白する辺りまで書きます。
ゴドフリーを殺し終えたクラディールは、キリトとサチの方を向いた。
一方のキリトとサチは武器を装備して、クラディールを睨み付けている。
クラディール『お前等のようなガキ2人殺すのに、関係ねえ野郎1人殺しちゃったぜ……。』
キリト『はっ、その割には、随分楽しそうだったじゃないか。
何故お前のような輩が<血盟騎士団>に入った?
何処ぞの殺人ギルド辺りが一番お似合いだ。』
クラディール『ほおっ、中々いい目をしてるじゃないか。』
そう言ったクラディールは、ウインドウを操作して、左腕をキリト達に見せた。
『『⁉︎』』
そこには、漆黒の棺桶と笑う両眼と口が描かれた蓋。そのマークは紛れもなく、殺人ギルド<ラフィン・コフィン>のマークだった。これを見たキリトとサチは、驚きを隠せなくなった。
サチ『そのマークは、<ラフィン・コフィン>のエンブレム⁉︎』
サチは思わず声を漏らした。
クラディール『さっきの麻痺テクも、そこで教わったのさ。幸い、お前等は手を付けなかったから無事だけどな。』
そうクラディールは、両手剣をキリトとサチに向けた。
キリト『そりゃ残念だったな。だが…、』
サチ『そっちの目的が解った以上、タダで済ませる気は無いわ‼︎』
キリトとサチは、クラディールに襲い掛かった。
クラディール『はっ‼︎いいだろう、2人まとめて片付けてやるぜ‼︎』
それから数分後、クラディールは敗北した。キリトのレベルは98,サチのレベルは97、それに対してクラディールのレベルは80半ば辺り。
しかもクラディールは、以前デュエルで2人に完敗している。勝敗は端から目に見えていた。
因みに、キリトとサチのカーソルは緑のままだ。
クラディール『くそっ、この…人殺し…が……。』
クラディールはそう言い残すと、ポリゴン状となって消滅した。
サチ『私達の前で堂々とゴドフリーを殺したあんたなんかに、言われたくないわね。』
キリト『サチの言う通りだな。』
サチの言葉に、キリトは同意した。無理もないだろう。
キリト『帰ろうか、サチ。』
サチ『うん。』
2人はそう言葉を交わすと、<血盟騎士団>本部に戻って行った。
ーーーーーーーーーー
2人が本部に戻ったのは、夕暮れ時の午後5時過ぎだった。2人が本部に帰還した時、アスナが2人の帰りを待っていた。
アスナ『キリト君…ゴドフリーとクラディールは死んだのでしょ?教えて、一体何があったの?』
キリト『アスナ…実は……』
キリトは、一部始終を話した。
アスナ『ごめんね、巻き込んじゃって……。』
キリト『いいんだ、気にするな。』
サチ『……。』
アスナは謝罪したが、キリトはそれを許した。この時サチは、沈黙を保っていた。
余談だが、アスナは本部で帰りを待っている間に、キリト達の位置を常にマップで把握していたのだ。ゴドフリーの反応が消えた時、アスナは走り出そうとしたが、それから暫くしてクラディールの反応が消えたので、キリト達がクラディールを倒したのだと悟って思い留まったのだ。
キリトとサチは今日起こった出来事をアスナに報告して、ホームに帰って行った。
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2人が50層のホームに戻った時には、すっかり夜になっていた。
ホームに帰宅するとサチは急いで夕食を用意した。献立は五目ご飯と野菜たっぷりのスープとホタテのような貝を使ったバター炒め。【料理スキル】ではアスナに劣るサチだが、キリトが自分の料理を美味しいと言って褒めてくれる為、サチはその事には全く気にしていない。
夕食を食べ終えた2人は、サチが用意したお茶を啜った。
夕食を済ませた2人は仲良く食器を洗って棚に仕舞った後にお風呂に入った(無論、キリトとサチ別々に。)。お風呂から上がった2人は寝間着に着替えると寝室に入った、とはいえ、男女2人1つのベットで普段から寝ている。
普段ならこのままベットに入って寝る所だが、今回は違った。
サチ『……。』
サチかソワソワしているからだ。
キリト『サチ、どうした?』
キリトはサチに聞いた。
サチ『……。』
キリト『⁉︎』
するとサチ、何を思ったのかウインドウを操作して、下着姿となった。これにはキリトも驚いた。サチの下着は上下共に白、真珠のように透き通る程に綺麗な素肌、スレンダーな体格をしているが、同時に妖艶にも見える。
サチ『キリト……///。』
キリト『サチ……。』
キリトは動揺している。サチの肌は今まで何度も見た事があるキリトだが、ここまで透き通る程の素肌は流石に見た事なかった。
サチ『あんまり…ジロジロ見ないで…恥ずかしい…///。』
キリト『ごめん‼︎』
サチの言葉にキリトは目を逸らした。
だが…、
キリト『≪チラッ≫』
思わずチラ見してしまった。こうして見ても解ると思うが、やはりキリトも男であった。
キリトはその後、何度もチラ見したが、何か決心したのか、サチに歩み寄った。
そして…、
≪ギュッ≫
サチ『⁉︎』
キリトはサチを抱き締めた。これにはサチも驚いた。
キリト『サチ、大好きだよ。ずっと……。』
サチ『‼︎…キリト…私も、キリトの事が大好き。』
告白し合った2人はキスをした。しかも今までした事がなかったアツいキスをだ。
それから暫くして、2人はベットの上で寝ていた。服装は2人共寝間着だった。
サチ『キリト、私はずっと一緒だよね。』
キリト『勿論だ、俺とサチはずっと一緒だ。現実世界でもな。』
サチ『うん。』
サチの問いにキリトは答えた。もとより2人は、蘇生アイテムの一件以来はずっと一緒にいる事を2人で決めた。それに異論などなかった。
サチ『ねぇキリト、少しだけでいいから私、戦場から離れたい。私、もう疲れちゃったよ。』
キリト『そうだな、俺もサチの意見に賛成だ。22層の村に移り住もう、そして……』
サチ『そして、何……?』
キリトの言葉にサチが聞いた。
キリト『…、俺と結婚しよう……。』
サチ『‼︎』
キリトの言葉に、サチは驚いた。あの鈍感なキリトが、サチに本気のプロポーズをして来たのだ。おそらくシリカやリズベット辺りなら、即気を失っている所だろう。
サチ『うん‼︎』
サチは笑顔でうなづいた。
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一夜明けて翌朝、とある中層のフィールド。
シリカ『ええええ〜〜〜⁉︎』
シリカは、キリトとサチから来たメールに驚愕した。
内容は、「本日。私とキリトは、結婚します。サチより。」というものだった。
この時シリカは、4,5人の男性プレイヤーで構成されるパーティーにいたが、そのパーティーに属していたみんながシリカの声を聞いて驚いた。
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一方、^リンダース^のリズベット武具店の工房。
≪ガタンッ‼︎≫
リズベット『……。』
シリカ同様に送られて来たメールを見たリズベットは、ショックのあまりに手にしていたハンマーを床に落としてしまった。
幸いにもハンマーは消滅しなかったが、リズベットは大き過ぎるショック受けて暫し硬直した。
ーーーーーーーーーー
そしてアスナは…、
アスナ『そんな…嘘……嘘でしょ〜〜〜⁉︎』
絶叫した。
自分の好きな人(キリト)をサチに取られたのだ。無理もない。
余談だが、アスナの場合はメールではなく、<血盟騎士団>本部に出頭したキリトとサチ本人から直接説明された。それを聞いてアスナは絶叫したのだ。
この時サチは“勝った”と言わんばかりの笑みを浮かべていたとか……
後書き
今回はここまで。次回作は、早ければ週末に公開の予定で行きます。
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