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3.地球の神無異様!

作者:クシャル
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誘拐だそうですよ?

午後6時、琴音の部屋には可愛らしい空腹音がなる。

白「うゅ〜••••、琴ねぇ帰ってこないよぅ、お腹すいた〜••••••。」

パタリと力なく羽を羽ばたかせる。

白「琴ねぇどうしたのかな••••••、こんな時間になっても帰ってこないなんて••••••。

コンビニ弁当食べるしかないかな••••、お金持ってないから無理か••••••。」

白夜はつまらなさそうにふてくされながらテレビをつける。

するとちょうどニュースが入っていた。

"次のニュースをお知らせします、今日午後5時半頃2人の女学生が行方不明となりました。

警察は何らかの事件に巻き込まれたと見て捜索を続けていますー"

行方不明になった2人の写真が表示される。

白「琴ねぇ••••夢羽お姉ちゃん••••••。」

白夜はテレビを消して身支度をし、窓から外へと出る。

白「本当は使いたくなかったんだけど、緊急事態だから仕方ないよね。」

白夜はどこからか真っ黒なスマホを取り出す、もちろん外見がスマホであって機能は様々、超便利アイテムである。

なんとこのスマホ、別名「プライバシーだだ漏れの黒光りする悪魔(決してゴキブリではない)」という。

その名の通り、名前を検索すれば個人情報、現在地が表示される。

そして絶対に壊れないうえ、異常なほど検索スピードが速い。

それも、電波ではなく魂に繋がるからである。

白夜はそれを使って琴音と夢羽の名前を検索する。

白「ん〜、近いかな?

バスの方が時間短縮になるけどお金持ってないもんね••••••。」

歩いていこう、と決めた白夜は早速行動を開始した。




琴「うわ〜んここどこ〜?」

夢「棒読みね。」

琴「どうしてこうなったか聞いてもよろしいでしょうか?」

夢「うーん、これはあくまで私の予想なんだけど••••••、たぶん琴音は巻き込まれただけ、関係ないと思うわ。」

琴「不幸スキル発動シマシタ。」

琴音はすでにお手上げ状態だ。

夢「何て言うのかなぁ、私のところに毎日変な手紙とかメールとか送られて来るんだよね。

あとは電話とか?

ひどい時は家の前まで来てたなぁ。」

琴「あっ、それって夢羽のストーカーじゃない?」

夢「そうなのかしら、暇人だなって思って無視していたけれど。」

琴(この子精神が強すぎるわぁ••••。(^q^))

天然が入っているのかもしれない。

夢「そのせいで巻き込んでしまっていたらごめんね。」

琴「いいのいいの、私の不思議遭遇率〈高〉は今更始まったことじゃないもん。」

クスクスと2人で笑いあう。

夢「まーそれは置いておいて、この状況ってかなりやばいわよね?」

琴「そうだね、いつ異形なものに襲われるかわかったものじゃない。」

と、2人で話し合っていると突然扉が開く。

「やあやあ、お目覚めかい?

夢羽ちゃー」

夢「差別なんかしたくはないけど、あなたは気持ち悪いから近づかないで。」

琴(おぉう、夢羽が怒った(笑))

「きっ、君の冷たいところも好きだよ。///」

脂肪デップリの男は体をくねらせる、食事中の人には申し訳ないシーンです。

琴「うわっ気持ち悪っ!」

「ふふん、君はおかれている状況がわかってないようだねぇ?」

琴「はいはい、分かってる分かってる。

あっ、圏内に入った。」

夢「電波でも受信した?」

琴「そんな感じ、大丈夫すぐに来るよ。

あと3秒。」

夢(なんか琴音おかしいなぁ。)

扉に亀裂が入り、バラバラに崩れる。

白「わーいはっけーん!」

白夜は子犬のように琴音に擦り寄る。

琴(わんこ!

わんこ白ちゃん!)

琴音はヘヴン状態である。

白「琴ねぇお腹すいた!

みんなで早く帰ろ?」

琴「ガハァッ‼︎」

白夜の満面の笑みで、琴音は吐血する。

白「琴ねぇいつか貧血になるね!

夢羽お姉ちゃん帰ろっ!」

夢「そうね、帰りましょうか。」

白夜は2人の縄を引き千切る。

白「琴ねぇ起きて〜、帰るよ〜お腹すいたよ〜、こ〜と〜ね〜ぇ〜。」

ゆさゆさと琴音の体を揺さぶる。

琴「ハッ‼︎

私は何を••••!」

白「帰ろ、お腹すいたよ。」

琴「うんうんそうだね、帰ろうね。」デレデレ

「かっ、返すもんか!

夢羽はぼくのものなんだ、お前たちみたいな赤の他人に渡せるか!」

白「••••煩い人間だな、欲に忠実な虫?

どうでもいいけど、お前みたいなクズは存在する価値はない。

去れ、次はない。」

琴「白ちゃん••••?」

「それはそっちの方だろ!

お前たちは夢羽を置いて消えろ!」

白「••••••今一度言う、去れ、次現れたときは存在を抹消する。

それとも社会的に抹殺される方がお好みかな?」

劇的に変わった雰囲気、腕を組みニヤリと笑う、明らかに破零とは違う冷酷な殺意。

「やっ••••やれるものならやってみろ‼︎」

白「分かった、殺していいんだな?

別にお前が死んでも誰も気付きやしないよ、だから殺したって『俺』にも、他にもなんの支障はない。」

「ひっひいいい‼︎」

白「逃げるのか?

気に入らない奴は自分勝手な理由で殺してきたのに?

随分とクズみたいな生き方をしているんだな、言っておくが俺に「人殺しは駄目」なんてルール、きかないぞ。

俺は俺のルールで生きてるんだ、俺は俺の判断でお前を殺してもいい人間だと決めた、殺されても文句は言えない。

だから俺はお前を殺す。」

「なんだよ••••自分勝手すぎー」

白夜は男を蹴り飛ばす。

白「お前が言うな、お前が。

めんどくせぇからさっさと殺るぞ、ありがたく思えよ、"転移"。」

男が壁に埋まる、苦しみもがきながら男は壁と一体化して死んでしまった。

白「••••あ〜あ、せっかく破零が殺してあげようと思ったのに、禍酷いなあ。

何かの意図があってやったんだと思うけど。」

やれやれと肩を竦ませてため息を吐いた。

琴「白ちゃん••••?」

白「ごめんね琴ねぇ、夢羽お姉ちゃん、破零には悪人の命の重さが分からないんだ。

怖がらせちゃって、ほんとにごめん。」

琴「白ちゃんおいで。」

ポンポンと自分の膝を叩く、白夜は少し戸惑いながらも大人しく従い琴音の膝にちょこんと座る。

琴「ありがとね、助けに来てくれて。」

琴音は白夜をギュッと抱きしめた。

白「あんなの、助けたなんて言えないよ。

人を殺したのには変わりない。」

琴「じゃあ何で白ちゃんは殺しちゃったの?」

白「だって!

あいつが琴ねぇのこと殺そうとするからいけないんだもん!

琴ねぇのこと殺さなかったら、もうやらないように痛めつけるつもりだった••••。」

琴「あぁ、痛めつけるのには変わりないんだね。」

白「当たり前だよっ!

誘拐なんて悪いことしたもん、それに暴力を振おうとしていたなら同じ痛みを与えるつもりだったんだ!」

頬を膨らませて怒る。

琴「ねぇ白ちゃん、この世界ではさ、殺生は禁じられているけれどそんなルールは結局誰かが破っちゃうんだよね。

殺さないと自分が殺される、その状況で相手を殺してしまったら、それは重罪かな?

殺しはいけないことだけど、殺しをするなら殺される覚悟もなきゃ駄目だよね。

あいつはそれを分かっていなかった、ただそれだけのこと。

それに白ちゃんは命を救ってくれたんだよ、殺しをしたとはいえ私は正しい判断だったと思う。

白ちゃんは意味も理由もなく無差別に殺人をする子じゃない、だから悔やまないで?」

白「うん••••、ありがとね、琴ねぇ!

帰ろう、お腹すいたよっ!」

琴「そうだね、夢羽帰ろう!」

夢「••••••帰りたいのはやまやまなんだけど、鍵無くしちゃったみたい。

今夜泊めてもらえると嬉しいな〜とか、思ってみたり••••••。

今度何か奢るから、ね?」

夢羽は手を合わせておねだりする。

琴「困ることないし良いよ〜。」

こうして、警察が解決する前に誘拐事件は白夜の手によって死者1人を出し解決した。

また、琴音の説明が信じられておらず、遅くまで遊んでいたと勘違いされてこっぴどく叱られたのは別の話。 
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