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ドリトル先生と森の狼達

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第二幕その一

                  第二幕  奈良に着いて
 先生とトミーはまずは何処に泊まるかについて考えるのでした、そのことについて考えていた日笠さんからお話を受けた次の日にです。
 その日笠さんが研究室に来てでした、こう先生に言ってくれました。
「昨日の件ですが」
「奈良の生態系の調査ですね」
「お宿でしたらいい場所がありますよ」
「あっ、見付けてくれたんですか」
「はい、調べましたら今は空室が一杯あります」
「そうですか」
「はい、後は予約を取るだけです」
 もうそれだけだというのです。
「そのホテルに」
「ホテルですか」
「十津川の方のホテルです」
「民宿かと思ったのですが」
「八条グループの保養関係の一つで」
「あるのですか」
「そこにどうでしょうか」
「お願いします、実は何処に泊まろうか迷っていました」
 そうだったこともです、先生はお話しました。
「実際のところ」
「それでは先生にとっても」
「渡りに舟です」
 日本の諺を出しての返事でした。
「有り難いことです」
「では予約を入れておきますね」
「皆も一緒なので」
「動物の皆さんですね」
「はい、彼等もです」
 先生にとってかけがえのない家族である彼等もというのです。
「一緒です」
「そうですね、それと」
「王子とトミーも」
 先生にとって掛け替えのない友人である二人もなのでした。
「一緒にと」
「わかりました、いいお部屋もありますので」
「そうですか」
「温泉もあります」
「あっ、温泉もですか」
「十津川村は温泉もありまして」
 それでというのです。
「そちらのホテルでもです」
「温泉があるのですか」
「はい、そうです」
 日笠さんは先生ににこりと笑ってお話するのでした。
「それもあります」
「それはいいですね、実は僕は」
「温泉お好きですよね」
「日本に来てから大好きになりました」
 先生が日本で知った楽しみの一つです。
「そちらも」
「ではそちらも」
「はい、楽しませてもらいます」
 是非にとです、先生は日笠さんに答えました。
「そのホテルで」
「それでは」
「いや、いいですね」
 先生は日笠さんとのお話が一段落したところで、でした。そのお顔をにこにことさせてそのうえでこうも言いました。
「森で動物を調べられてしかも温泉も楽しめる」
「最高だというのですね」
「これ以上いいことはありません」
「他にもいいことがありますよ」
 日笠さんはその先生にさらにお話しました。
「そのホテルはお料理も美味しいのです」
「そうなのですか」
「山の幸に海の幸も揃っていまして」
「ああ、海は」
 山は十津川だからわかります、ですが山の中なので普通は海の幸と言われてもいぶかしむところでした。
 ですが先生はです、山に囲まれている十津川でも海の幸が食べられる理由についてすぐにわかって言ったのでした。
「和歌山からですね」
「あちらから取り寄せたものです」
「それがありますね」
「はい、ですから」
 それでというのです。 
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