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転生とらぶる

作者:青竹
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マブラヴ
  1013話

 アンバール基地の解放作戦を行ってから半月程。
 その日、俺達はいつも通りに皆揃って夕食を食べていた。
 今日の夕食は焼きそば。それもソース味の奴だ。
 本来うちでよく食べる中華料理にはソース焼きそばというのは存在しない。
 五目餡かけ焼きそば、あるいは堅焼きそばというものや、オイスターソースで味付けしたものはあるが、ソース味の焼きそばというのは、実は日本発祥だったりする。
 だから中華料理の料理人にしてはある意味で邪道に近い料理なんだが、それはそれ。うちの中華料理の基本は四葉の超包子だ。そうなれば当然日本風の中華料理も普通に存在している。
 一時期ギアス世界の料理人が文句を言ったとか言わないとかあったけど、四葉の料理を食べて黙り込まされてしまったとか何とか。
 ともあれ、そういう理由で今日の俺の家の夕食は焼きそばだった。
 勿論焼きそばだけでは寂しいので、色々な中華料理がテーブルの上にも並べられているのだが。
 そんな夕食を食べている時、レモンの様子がいつもと違う事に気が付く。
 どこかウキウキしているような……それこそ、まるで花見前のエヴァのような様子……というのはちょっと言い過ぎか。
 楽しみなのを我慢出来ないとでもいうような、そんな様子。
 ここにいるのが俺の家族達以外であれば気が付かなかったかもしれないが、この家にいる全員は深い絆で繋がっている。だからこそ、俺以外にも皆が気が付いていた。

「ちょっとレモン。どうしたのよ。今日は何だか様子が変よ?」

 やがて我慢が出来なくなったのか、マグロ饅を手に取ったシェリルが告げる。
 ……ちなみにこのマグロ饅。実は四葉がマクロス世界の中華料理店の娘娘で作り方を習ったらしい。色々な意味で危ない……そして魅惑的な外見をしているマグロ饅だ。
 そんなシェリルの言葉に、レモンは待ってましたと言いたげに笑みを浮かべて口を開く。

「そう? 本当なら食事が終わった後に報告しようと思ってたんだけど、丁度いいか。……アクセル、グレイ・シックスを時の指輪に使う為の研究。ある程度目処がついたわ」

 ……何?
 突然レモンの口から出てきたその言葉に、一瞬固まる。
 確かにグレイ・シックスの件に関しては、前々から研究させていた。だが、研究の進み具合はまだまだこれからだと聞いていたのだ。
 それが、いきなり研究が進んだと言われても、正直な話納得出来なかった。

「苦戦中だって話を聞いてたけどな。何だって急に?」
「夕呼と話している時にちょっとね」

 ああ、なるほど。レモンの言葉に、思わずそう納得する。
 確かにレモンは夕呼とよく話し合っているし、それはつまり夕呼はマリューとかのようなシャドウミラーの技術班と同様にレモンの話についていけるという事を意味している。
 恐らくだが、このマブラヴ世界でも最高の頭脳の持ち主。それが香月夕呼なのだ。
 それを考えれば、確かに発想の転換やら何やらでレモンに対してアドバイスをしてもおかしくはない。
 更に言えば、そもそもG元素というのはマブラヴ世界固有の物質であり、その研究歴となればレモンより長い……いや、魔法球を使っている以上は必ずしもそうではないのか? ともあれ、G元素に関して一家言を持っていてもおかしくはないか。

「で、目処がついたって、具体的にはどんな風に?」

 焼売に辛子醤油を付けて食べながら尋ねる美砂に、レモンは頷いて口を開く。
 艶然とした微笑。もしもここにいるのが、女慣れをしていない男であれば、フラフラと誘われるようにレモンへと近づいてもおかしくはない。
 だが、幸いここにいるのはレモンのそんな強烈なまでに女を感じさせる雰囲気にも慣れている。……それこそ毎夜の如くそんな表情を見て、味わっているのだから、当然だが。
 そんな笑みを浮かべたレモンは、口を開く。

「そうね。まず結論から言えば、明日にでも時の指輪とホワイトスターの融合は可能よ」

 その言葉に、俺だけではなく他の者も小さく目を見開く。
 ただ1人表情が変わっていないのは、レモンと同じ技術班にいた為に既に話の内容を知っていたマリューのみだろう。

「……本当か?」

 思わずそう尋ね返す。
 レモンが出鱈目を言うとは思えないが、それでも今の言葉が真実であれば、間違いなくシャドウミラーにとっては激変の時となる。
 だが、レモンは俺の言葉に頷き……ではなく、首を横に振る。

「最後まできちんと聞いて頂戴。残念だけど、アクセルが思っているようなところまではまだ到達していないわ」
「どいういう意味だ?」
「取りあえず以前から話していた通り、受信機をネックレス、ピアス、指輪みたいにアクセサリにしたり、あるいは身体に埋め込むといった方法を取れば寿命を延ばす事は可能よ。ただ、時の指輪の効果を完全に発揮するのは、グレイ・シックスの量が足りないのよ」
「……あれだけあってもか?」

 グレイ・シックスは、グレイ・イレブンと違ってマブラヴ世界でもまだ使用方法は確立されていない。だからこそ、魔法に対する親和性という性質に目を付けた俺達がハイヴ攻略やら何やらの報酬として貰う時には、このグレイ・シックスを多く貰っている。
 ……まぁ、グレイ・イレブンは色々と向こうでも使用用途があるので出来るだけこっちに渡したくないってのはあるんだろうが。

「ええ。時の指輪の効果でもある、時の流れの外にその身をおくというもの。その効果は……そうね、まだ実際に試した訳じゃないから正確なところは分からないけど、恐らく受信機を身につけている人物が本来持つ時の流れの3倍ってところかしら。具体的に言えば、寿命80年の人なら寿命240年になる感じね。勿論それは赤ん坊の時からこのホワイトスターにいたとしての仮定だから、途中からホワイトスターに来ればそれだけ寿命は短くなるわ」

 また、言葉に困る効果だな。
 確かに何もないよりはマシだが、それでも時の指輪の効果を完全に発揮出来ないというのは困る。

「受信機を持つ者を少なくすればどうなる?」
「変わらないわ」

 あっさりと答えるレモンは、説明を続ける。

「受信機を持つ者が何人いようとも、効果は変わらないのよ。純粋に、グレイ・シックスの量が足りないからそういう風になっている訳で」
「つまり、グレイ・シックスの量が多ければ受信機を持つのが何人でも時の指輪の効果を万全に発揮すると?」
「そうなるわ」

 あっさりと頷くレモン。
 つまり、問題は……

「純粋にグレイ・シックスの量が足りない事だけか」

 コーネリアが俺の代わりにレモンへとそう告げる。
 正解、とでも言うように小さく笑みを浮かべるレモンだったが、それに対する他のメンバーからの返事は溜息のみだった。
 今までも相当な量のグレイ・シックスを溜め込んできたのだ。だというのに、それでも尚足りないと言われれば、確かに先は非常に長いと言えるだろう。

「いっそ、月や火星辺りのハイヴを狙ったらどうだ? G元素が相当数あるのは間違いないだろうし」
「私もスレイに賛成かな。マブラヴ世界の人達に付き合っていれば、G元素を手に入れるのは随分と先になりそうだし」
「確かにね。今は占拠したハイヴの基地化を進めているのと、その防衛で精一杯なのは事実だし」

 円と美砂がそれぞれそう告げる。
 確かに本当にどうしようもなくなったらそれでもありなんだが……

「レモン、グレイ・シックスは定期的に量が必要なのか? ブラックホールエンジンの触媒として使ったグレイ・イレブンも触媒という形だが、将来的には交換する必要があるように」

 もしそうだとすれば、時の指輪の効果を発揮し続けるには常にグレイ・シックスが必要になる。そういう意味では、マブラヴ世界の重要性……より正確には、G元素を手に入れ続ける為のハイヴは非常に重要となる。
 そんな思いで尋ねた俺の言葉だったが、幸いレモンは首を横に振る。

「いえ、その辺に関しては問題ないわ。確かに今あるグレイ・シックスの量だけでは足りないけど、こっちでホワイトスターに時の指輪を融合させるという方法に関しては上手い具合に調整出来るの。量に関しても、消費するという事はないわ。それこそ、ブラックホールエンジンの触媒として使っているグレイ・イレブンに比べてもね。具体的には、グレイ・シックスを消費する事によって時の指輪とホワイトスターの融合を進めて行くという感じだから、一度使えば消えてしまうけどそれ以上に必要にはならないわね」
「えーっと、ちょっと待って頂戴。つまり、グレイ・シックスを消費する事によってホワイトスターと時の指輪を融合させる行程を進める事が出来る。その結果グレイ・シックスはなくなるけど、それ以降は永続的に時の指輪の効果は発揮している。……そういう認識でいいの?」

 レモンの説明が分かりにくかったのだろう。シェリルが尋ね直すと、それに頷きが返される。

「ま、そういう事ね。付け加えるとすれば、今の時点で足りないグレイ・シックスを追加するのはある程度時間の猶予を見る事が出来るってところかしら」
「……なるほど。つまり、グレイ・シックスがある程度溜まるまで待つとか、そういう必要はないって事か?」
「ええ」

 よく出来ました、とでも言いたげな笑みを浮かべるレモン。
 なるほど。さすがに技術班と言うべきか、その辺の技術力はさすがだな。
 ……まぁ、間違いないなく今回の件には葉加瀬が関わっていると考えていいんだろうが。
 やっぱり科学と魔法の融合という面に関しては、数年の蓄積がある分技術班よりも上なんだろうな。
 もっとも、そのデータとかに関しても技術班にフィードバックされる事を考えれば、いずれ技術班そのものが今の葉加瀬と同様の技術力――魔力と科学の融合について――を自分のものに出来るだろう。
 何だかんだ言っても、葉加瀬の功績は大きい。
 それこそ、まだシャドウミラーに入ってから殆ど時間が経っていないというのに。
 そういう意味では、超包子を繁盛させている四葉も似たようなものか。
 あやか達も活躍はしているのを考えると、やっぱりネギま世界の人材は優秀だ。
 いや、この場合はネギま世界じゃなくて3-Aとするべきか?
 これは本気で大学進学組が卒業する頃には就職先の一環として考えた方がいいかもしれない。個人的にはスパイ狩り的な意味で長瀬辺りが欲しかったが、既に長瀬は実家に就職して麻帆良に派遣されるという形になっているしな。
 ……実家に就職? あるいは後を継いだと表現すべきか?
 まぁ、どっちにしろシャドウミラーに雇う事が出来ないというのは間違いない。

「で、アクセル。今の話をした上での質問よ。ホワイトスターに時の指輪を融合させるというのを進めてもいいのかしら?」
「……その前に幾つか聞きたい事がある。まず1つ。念の為だが、今回グレイ・シックスが足りないとしても、後日入手したグレイ・シックスを追加するような形でも時の指輪の効果は万全に発揮出来ると考えてもいいんだな?」
「ええ、そっちに関しては全く問題はないわ。計算でも、エヴァに意見を貰っても大丈夫だという話になってる」

 取りあえずそっちは問題ないか。なら……

「次だ。ホワイトスターと時の指輪の融合。それを頼んだ俺が聞くのもなんだが、今回使う技術を応用すれば他のマジックアイテムの融合とかにも使えると考えてもいいのか?」

 その質問に戻ってきたのは、難しい表情。
 YESでもなく、NOでもないといった表情か。

「マリュー?」

 レモンのその表情に疑問を感じ、同じく技術班のマリューへと声を掛ける。
 問い掛けられたマリューは微妙な表情をしつつも口を開く。

「出来るか出来ないかで言われれば、出来る可能性はある……といったところよ。そもそも今回開発された技術は、あくまでも時の指輪とホワイトスターを融合させるというもの。つまりはその2つに特化していると言ってもいいのよ。ただ、マジックアイテムとそれ以外のものを融合させるという技術を確立したのは事実だから、これを基にして研究を進めていけば……ただし、当然その時には再び大量のグレイ・シックスが必要になるでしょうね」
「なるほどな」

 マリューの言葉に、一先ず納得する。
 取りあえず今回の技術が時の指輪に特化されているのだとしたら、何らかの理由でそれを盗み見て応用しようとする者がいたとしても、手も足も出ないだろう。
 何しろ、この技術はシャドウミラーという組織を支えている技術班が、魔法球を使って相当な時間を掛けて作り上げたものだ。
 しかもそれが時の指輪に特化しているとなれば、もし技術を盗み出したとしても実用化するまでに相当の時間が掛かる。
 そして時間が掛かる以上、それを察知してこっちで手を打つというのも不可能ではない訳で……

「分かった。……そうだな。時の指輪との融合に際して、ホワイトスターに人がいたりしても問題はないのか?」
「ええ、そっちは問題ないわ」

 こちらにはあっさりと頷くレモン。
 なら……

「じゃあ、1週間後だ。一応数日前からその辺をホワイトスターや交流のある世界に関して連絡を徹底してくれ。後で聞いてなかったとか言われても困るしな」

 こうして、1週間後……ホワイトスターと時の指輪の融合は行われる事が決定した。 
 

 
後書き
アクセル・アルマー
LV:42
PP:350
格闘:301
射撃:321
技量:311
防御:311
回避:341
命中:361
SP:1402
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
   努力 消費SP8
   集中 消費SP16
   直撃 消費SP30
   覚醒 消費SP32
   愛  消費SP48

スキル:EXPアップ
    SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
    念動力 LV.10
    アタッカー
    ガンファイト LV.9
    インファイト LV.9
    気力限界突破
    魔法(炎)
    魔法(影)
    魔法(召喚)
    闇の魔法
    混沌精霊
    ???
    ???

撃墜数:1179 
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