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ソードアート・オンラインーもしもあの時、サチが死ななかったらー

作者:Bloo-D
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SAO
心の温度
  第16話

 
前書き
55層に向かう辺りまで書きます。 

 
リズベッド『何で、〈青の槍壁〉と〈黒の剣士〉がこんな所に⁉︎』
リズベッドは、突然の事に驚いた。相手は、昨日アスナが言ってたアスナが好きな人。しかも、〈青の槍壁〉ことサチもいる。驚かざるにはいられないだろう。

サチ『いや、その〜〜。』
キリト『オーダーメイドを頼むのなら、この店がイイって、知り合いから紹介されたんだ。』
リズベッド『ああ〜、そうですか。』
キリトの説明に、リズベッドは納得した。

キリト『それより、片手用直剣をオーダーメイドで頼みたいんだけど。』
リズベッド『はい、とはいえ……最近、金属の相場が高くなっておりまして…最低でも10万コルくらいになりますが……』
サチ『お金は気にしなくていいよ。』
キリト『ああ、とにかく、最高の剣を作ってもらいたいんだ。』
内容は、片手剣のオーダー。しかも最高の剣を作って欲しいとの事だ。
リズベッド『とは言われましても、具体的な目標値を出して頂かない事には……』
キリト『そうか…それじゃあ』
リズベッドからの問いに、キリトは背中に背負っている剣を差し出した。
キリト『この剣と同等の性能と言う事でイイかな?』
リズベッド『はい。』
リズベッドは、差し出された剣を丁寧に受け取ったが…、
≪ガタンッ‼︎≫
リズベッド『(重っ‼︎)』
重さの余りに、剣を落としそうになった。幾ら鍛冶屋兼両手棍使いのリズベッドとはいえ、この剣を扱う事は流石に出来そうにない。リズベッドは、恐る恐る剣を鞘から抜いた。
すると、鈍く輝く黒い刀身が姿を現した。これを見たリズベッドは見くびったが、慣れた手つきでメニュー欄を表示させる。
リズベッド『<エリュシデータ>……モンスタードロップの中では、魔剣クラスの化け物ね。』

モンスタードロップとは、モンスターを倒した事で入手できるアイテムで、“圏内事件”における指輪もその1つ。

これを見たリズベッドの対抗意識は大きく燃え上がった。リズベッドは、<エリュシデータ>をキリトに返すと、壁に掛けてあった剣を差し出した。
リズベッド『ウチの店で、最高傑作の剣よ。』
キリトはその剣を受け取ると、その場で素振りした。
キリト『少し軽いな。』
リズベッド『使った金属がスピード系の代物だったからね。』
サチ『キリトは攻撃重視の重い剣が好みだからね。』
リズベッド『成る程、だからあんな重い剣を持っている訳だ。』
サチの言葉に、リズベッドは納得した。
一方のキリトは…、
キリト『うーん、これは差し詰め、サチのサブウェポンだな。』
キリトは剣をサチに手渡した。サチはその剣を受け取ると、キリトと同じ様に素振りした。
サチ『キリトの言う通り、これは私用くらいだね。』
そう言ってサチは、剣をリズベッドに返した。

サチ『でもどうする?キリトのイイ剣が見つからないよ。』
キリト『そうだな…金属を持って来たら、作ってくれたりしてくれるか。』
リズベッド『えっ、それは…別にいいですけど……』
サチ『でもキリト、何処に採りに行くの?』
キリト『55層にだよ。』
サチ『55層?まさか、あのクエストの事?』
キリト『ああ、そうだ。』
キリトとサチが言っているのは、半月ほど前に開始されたクエストだ。
しかし、成功したプレイヤーは1人もいないとの事。

サチ『待って、そのクエストって、マスタースミスをパーティーに加えなきゃいけないんじゃなかった?』
キリト『確かな、でも、マスタースミスなんてそんな……』
リズベッド『ねえねえ、そのクエスト。私も付いて行っていい?』
キリトが言いかけた時、リズベッドが名乗り出た。
キリト『別にいいが、足手まといは御免だぞ。』
リズベッド『あら、私こう見てもマスタースミスなんだけど。』
サチ『キリト、連れて行こうよ。万が一のためだよ。』
キリト『そうだな、じゃあお願いするよ。』
リズベッド『これはどうも。』
という訳で、キリトとサチはリズベッドとパーティーを組む事となった。リズベッドは、早目に店を閉めて、転移門に一直線に向かう。

ーーーーーーーーーー

と思いきや…、
リズベッド『……。』
リズベッドはムスッとした表情となっていた。
何故かというと、キリトが転移門近くの出店に走り込んで行ったからだ。
サチ『はは……。』
サチはそんなリズベッドを見て、引きつった顔で笑った。
この時2人は、転移門の傍にあるベンチに腰掛けていた。

一方、転移門の辺りでは…、
『おい、あそこのベンチに座っているのって、〈青の槍壁〉じゃないか?』
『間違いねえ、〈青の槍壁〉ことサチだ。』
『お前話し掛けたらどうだ?』
『馬鹿野郎、んな事したら引っ叩かれる程度じゃ済まされんぞ‼︎』
サチに気付いて騒ぎ始めていた。

リズベッド『あの〜、サチさん?』
サチ『普通にサチでイイよ。どうかしたの?』
リズベッド『あんた、何であんな奴とパーティーを組んでいるの?』
サチ『キリトの事?』
リズベッド『そう。』
リズベッドは、今まで気になっていた事をサチに聞いた。
サチ『私とキリトは以前、私達がいたギルドを壊滅させたの。』
リズベッド『⁉︎』
サチの言葉を聞いたリズベッドは驚いた。
サチが言っているのは、本作の第3話における出来事の事だ。
リズベッド『それって、冗談?』
リズベッドは恐る恐るサチに聞いた。
サチ『ううん、本当。私とキリトは、ベータテスターである事をずっと隠していたの。けど、それが原因で、ギルドは消滅したの。だから私達は、必ずこのSAOをクリアしようと約束したの。キリトが私を守り、私がキリトを守るって。』
リズベッド『そうなんだ。』
サチは否定したが、サチがキリトの傍らにいる理由を聞いたリズベッドは納得した。

キリト『お待たせ。』
その直後、キリトは3人分のタコスを抱えて戻って来た。
キリト『はい。』
キリトは、2人に買ったばかりのタコスを渡した。
サチ『ありがとう。』
リズベッド『まぁ、ありがたく頂くわ。』
2人はタコスを受け取ると、その場で食べた。キリトも同様だ。3人がタコスを食べ終えると、すぐさま転移門に入った。

キリト『転移、^グランザム^‼︎』
3人は55層に転移した。 
 

 
後書き
次回作は、早くとも今週までに公開します。 
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