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ティギーおばさんのお話

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第一章

                       ティギーおばさんのお話
 ピーターラビットはです、ある日お父さんとお母さんに言いました。
「上着がもう」
「ああ、破れてな」
「もう古くなってるわね」
「この上着もう駄目かな」
 自分のその青い上着を見せての言葉です。
「長い間着ているし」
「そうね」
 お母さんがピーターの言葉に応えます。
「その上着もね」
「新しい上着欲しいよ」
 ピーターはお母さんにあらためて言いました。
「もうね、色は同じ色でね」
「青い上着ね」
「そうしたいけれど駄目かな」
「それじゃあティギーおばさんのところに行って来なさい」
 お母さんはピーターにこう言いました。
「今からね」
「あの人のところにだね」
「うん、行って来て」
 こう言うのでした。
「そして服をね」
「仕立ててもらって」
「新しい服にしてもらいなさい」
「それじゃあこの服と同じじゃないの?」
「生地は同じだけれどね」
 それでもというのです。
「服は新しいものになるのよ」
「そうなんだ」
「それかもうその生地でも駄目なら」
 その時はといいますと。
「ティギーさんに新しい服を作ってもらうわ」
「そうしてもらうんだね」
「そうね、私も一緒に行くわ」
 お母さんはここで考えを変えました。
「貴方と一緒にね」
「それじゃあ」
「そう、今からね」
「今からなんだ」
「そうしてね」 
 それでというのです。
「あの人とお話するから」
「それじゃあだね」
 ここでお父さんも言って来ました。
「僕はお留守番だね」
「お願い出来る?」
「任せてくれよ」
 お父さんはお母さんに笑顔で答えました。
「あの娘達を寝かして僕はね」
「どうするの?あなたは」
「まあ紅茶でも飲みながらね」
 そうしながらというのです。
「お留守番の時を楽しんでおくよ」
「そうするのね」
「外には出ないから」
 お父さんはこのことも約束しました。
「安心してね」
「ええ、最近どうもね」
「うん、マクレガーさんがね」
 人間の農家のあの人がです。
「機嫌が悪いから」
「この辺りをお散歩していてね」
「僕達を捕まえようとしてくるから」
「捕まったら大変よ」
 それこそです。
「私達なら肉のパイにされるわ」
「あの人何でも食べるからね」
「そう、兎でも鳥でもね」
「だからね」
「私達も裏道を通って行くから」
 マクレガーさんが知らないその道をというのです。
「用心してね」
「そうしないとね」
「本当に肉のパイになるわ」
 マクレガーさんに捕まってです。
「気をつけておくわ」
「そういうことでね」
 夫婦でこうしたお話をしてでした。 
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