ソードアート・オンラインーもしもあの時、サチが死ななかったらー
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SAO
圏内事件
第11話
前書き
今作、予告通り行きます。
アスナ『ねえ、ヨルコさん。貴方、グリムロックって名前に聞き覚えある?』
ヨルコ『⁉︎
あります。昔、私とカインズが所属していたギルドのメンバーでした。』
それを聞いたキリトとサチとアスナは、互いに顔を見合わせた。
キリト『実は、カインズの胸に刺さっていた槍。鑑定した結果、作製者がそのグリムロックさんになっていたんだ。』
ヨルコ『⁉︎』
キリトの言葉にヨルコの顔は青ざめた。
サチ『何か、思い当たる事は無い?』
ヨルコ『はい、あります。』
ヨルコは重い口を開いた。
ヨルコ『昨日、お話し出来なくてすみません。
ある出来事のせいで、私達のギルドは消滅したのです。
ギルドの名は、<黄金林檎>。半年程前、偶然倒したレアモンスターから、敏捷力を20上げる指輪をドロップしたのです。
ギルドで使おうと言う意見と売って儲けを分配しようと言う意見で割れてましたが、最後は多数決で決め、結果は5:3で売却で決まりました。
前線の大きい街で、競売屋に委託する為に、リーダーのグリセルダさんが一泊する予定で出掛けましたが、グリセルダさんは帰って来なかったんです。
後で私達は、グリセルダさんが死んだ事を知りました。どうして死んだのか…未だに解りません。』
キリト『そのレアアイテムを持って、圏外に出るとはあり得ない。睡眠PKとか……だな。』
アスナ『半年程前なら、まだ手口が広がる直前だものね。』
キリト『ただ、偶然とは考えにくいが、グリセルダさんを狙うのなら指輪の事を知っていたプレイヤー。つまり……』
サチ『<黄金林檎>のメンバーの7人。』
キリト『中でも怪しいのは、売却に反対したプレイヤーだろうな。』
アスナ『売却される前に指輪を奪おうとして、グリセルダさんを襲ったってとこね。』
キリト『おそらく。』
サチ『グリムロックさんっていう人は?』
ヨルコ『彼は、グリセルダさんの旦那さんでした。
勿論、このゲーム内でっですが……グリセルダさんはとっても強くて、美人で、頭が良くて、グリムロックさんは、いつもニコニコしている優しい人で喧嘩1つ無い明るい夫婦でした。
おそらく、昨日の事件の犯人がグリムロックさんなら、彼は指輪売却に反対した3人を狙っているのでしょう。売却に反対したのは、私とカインズですから。』
『『『⁉︎』』』
ヨルコの言葉に、3人は驚きを隠せなくなった。
アスナ『もう1人は⁉︎』
ヨルコ『シュミットと言います。彼は、攻略組の<聖竜連合>に所属していると聞いています。』
キリト『シュミット?聞いた事があるぞ。』
アスナ『<聖竜連合>のディフェンダー隊のリーダーよ。』
サチ『あの人がですか?』
キリトとサチとアスナはシュミットの事を知っている。
余談ですが、56層フィールドボスの攻略会議にもシュミットはいた。
ヨルコ『シュミットをご存知ですか?』
キリト『攻略の時、直々会うくらいだけど……』
ヨルコ『シュミットに合わせて頂く事は出来ませんか?彼は、今回の事件の事を知らないかも。もしかしたら、彼もカインズのように……。』
それから合間あって…、
アスナ『シュミットさんに呼んでみましょう。<聖竜連合>に知り合いがいるから、本部に行けば、どうにかなるかも……。』
キリト『まず、ヨルコさんを宿屋に戻そう。ヨルコさん、俺達が戻るまで、絶対宿屋から出ないように。』
ヨルコ『はい。』
キリト『サチ、俺等が戻るまで、ヨルコさんを頼む。』
サチ『うん、任せて。』
っという事になった。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
その後、シュミットを呼び出し、ヨルコはシュミットに説明した。
シュミット『グリムロックの武器で、カインズが殺されたのは本当なのか?』
ヨルコ『うん、本当よ。』
シュミットの問いに、ヨルコは首を縦に振った。
これを知ったシュミットは驚いた。
シュミット『⁉︎
何でカインズが殺されるんだ!
あいつが、あいつが指輪を奪ったのか⁉︎グリセルダを殺したのはあいつだったのか?
グリムロックは、売却に反対した3人を殺す気なのか?』
ヨルコ『グリムロックさんに槍を作って貰った他のメンバーの仕業かもしれないし……。
もしかしたら、グリセルダさん自身なのかもしれないし……。』
シュミット『⁉︎』
ヨルコの言葉を聞いたシュミットは驚きを隠せなくなった。
ヨルコ『だっておかしいでしょ?圏内で人を殺すなんて、幽霊でもない限り不可能だわ。』
シュミット『はっ⁉︎』
『『『⁉︎』』』
ヨルコの更なる言葉に今度はキリト達まで驚きを隠せなくなった。
ヨルコ『私、夕べ寝ないで考えて見たんだけど……。
結局のところ、グリセルダさんを殺したのは、メンバー全員でもあるのよ、あの指輪をドロップした時、グリセルダさんの指示に従えば良かったのよ〜‼︎』
『『『『⁉︎』』』』
ヨルコの言葉にみんなは硬直した。
その後ヨルコはゆっくりとした動作で、部屋の窓に腰掛けた。
ヨルコ『ただ1人…グリムロックさんには私達に仇を取る権利があるのよ。』
その後、暫し部屋は静寂に包まれたが…、
シュミット『冗談じゃない…冗談じゃないぞ……。
お前はそれで良いのかヨルコ‼︎こんな訳の解らん方法で、殺されても良いのか⁉︎』
『『……。』』
シュミットはヨルコに文句を言ったが、キリトとサチに遮られた。
すると…、
≪ザクッ≫
何かが刺さる音がした。ヨルコが体を横に向けると、キリト達の目に、ヨルコの背中に刺さったナイフが映った。
すると、ヨルコは窓から転落し、ヨルコは地面に叩きつけられると、ポリゴン状となって消滅した。
そしてそのあとには、ヨルコの背中に刺さっていたナイフのみが残された。
後書き
アニメ主体ですから、中々区切りがつきませんが、次回もこの調子で行きます。
公開は、遅くとも来週末まで。
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