ソードアート・オンラインーもしもあの時、サチが死ななかったらー
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SAO
圏内事件
第9話
前書き
原作の“圏内事件”。こちらの都合で、アニメ主体で行きます。
シリカの一件から1ヶ月後の3月上旬。場所は、最前線より3つ下の56層のフィールド。
そのフィールドの一角にある洞窟で、キリトとサチを含めた攻略組のメンバーが集っていた。
理由はフィールドボスの攻略会議だ。
とはいえ、フィールドボスが強力な為か妙案が出ないでいた。
そんな中…、
アスナ『フィールドボスを、村の中へ誘い込みます。』
『『『『⁉︎』』』』
<血盟騎士団>副団長のアスナがこんな作戦を提案し、この提案に皆は騒然となった。アスナが言っている事は、村人(NPC)を犠牲に使うことだからだ。
キリト『ちょっと待ってくれ、そんな事をしたら、村の人達が……』
アスナ『それが狙いです。村人を囮にモンスターをおびき出して、一挙に殲滅します。』
キリトの話が終わる前に、アスナが改めて説明した。
サチ『幾ら何でも、村の人を囮にするなんて許せません‼︎貴方は、自分が何をしようとしているのか解っているの⁉︎』
アスナ『ええ勿論。元より、NPCは私達とは違う。やられたとしても、またリポップするのだから……。』
サチの言葉に、アスナはこう説明した。
確かに、NPCに関する事はアスナが言った通りの事だ。
キリト『そんな作戦には従えない‼︎』
サチ『そうだよ、人道的に反する行為だよ‼︎』
キリトとサチはアスナの作戦に断固反対したが…、
アスナ『今回の攻略は私、<血盟騎士団>副団長のアスナが指揮を執る事になっています。私の命令には従ってもらいます。』
当の本人はアスナは一切避かなかった。
その後、キリトとサチとアスナの睨み合いは続いた。
ーーーーーーーーーー
会議終了後…、
『よお、キリトにサチ。』
洞窟を出て主街区へ向かう2人を、後ろから誰かが呼び止めた。
キリト『エギル。』
サチ『エギルさん。』
2人を呼び止めたのは、両手斧使いのエギル。
50層で雑貨屋を営む攻略組のメンバーの1人でキリトの親友。サチとエギルはキリトの紹介で面識がある。
エギル『お前等と副団長様は、いっつもああだな。』
サチ『反りが合わないんだって。』
キリト『そうだな。』
エギル『確かにな。』
キリトとサチとアスナは攻略の時となるといつも意見が合わない。
無論今回だけではない、毎回だ。
エギル『特に副団長様は、サチを目の敵にしているそうだからな。』
サチ『何で?』
エギル『デュエルで負けたからに決まっているだろ。』
サチ『そうかな?』
エギルの言葉にサチは疑問を抱いた。
実はサチ。以前攻略会議でもめ、案の定デュエルで決める事になった。
最初、アスナは自分の勝利を確信していたが、アスナを超えるスピードでアスナを倒し、結果サチが勝ってしまった。
一部始終を見ていたキリトを含めた攻略組のメンバーは呆気に取られたとか…、
これにより、アスナは名実共に敗北し、サチに敵意を抱く事となった。
それ以降サチは〈俊足の槍突〉の異名を持つ様になったが、サチはその呼び名を嫌っている。
____________________
それから1ヶ月後の4月中旬、最前線59層のフィールドの安全地帯。
キリトは木の下で仮眠をとっていた。
サチはと言うと、自分の膝をキリトに貸して木の幹にもたれかかって仮眠をとっている。いわゆる膝枕だ。
その時…、
アスナ『ちょっと、何してるの?』
<血盟騎士団>副団長のアスナが2人に声をかけた。
キリト『なんだ、あんたか。』
キリトはぶっきらぼうに言った。
アスナ『攻略組の皆が迷宮区に挑んでいるのに、貴方達は何をしているの?』
サチ『イイじゃない、減るものじゃないんだし。』
アスナ『現実世界での私達の時間が減っていることを知らないの?』
サチ『知らない。』
アスナ『≪ピキッ‼︎≫』
アスナは攻略をサボっている2人に文句を言ったが、サチの言動にブチギレした。
アスナ『ちょっと貴方!その発言、万死に値するわよ⁉︎』
サチ『人道的に反する作戦しか立てられない人に言われたくない。』
アスナ『なんですって〜‼︎』
サチの言葉にアスナの怒りは頂点に達し、アスナは腰に収められた細剣を抜こうとした。
キリト『落ち着けよ、折角のお昼寝日和を邪魔しちゃ悪いって。』
アスナ『そう、天気なんて毎日同じでしょ?』
キリト『ここで寝転がれば解るって。』
その時キリトは怒り立つアスナを押し留め、昼寝に誘った。
アスナは反論したが、そよ風に当たるとスッカリ怒りが治まっていた。
小1時間後…、
キリト『ふあ〜。』
サチ『くう〜、よく寝た。』
キリトとサチは起きたが、その傍らを見ていると…、
キリト『うわっ⁉︎』
サチ『本当に寝ちゃった。』
キリト『だな。』
アスナ『スウスウッ……。』
アスナが爆睡していた。
これを見た2人は引いたような表情をした。
ーーーーーーーーー
それから夕方になるまで、アスナは起きなかった。
夕方、アスナはクシャミして目覚めた。
その際、その姿を2人に見られたアスナは細剣を抜こうとしたが、思い留まった。
アスナ『ご飯1回、ご飯1回奢る。それでチャラ。』
『『……。』』
アスナの発言に、2人は唖然となった。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
主街区に入った3人は、とあるレストランに入った。
『おいあれって、〈閃光のアスナ〉じゃないか?』
『それに、もう一方の女性プレイヤーは、〈青の槍壁〉のサチじゃねえか‼︎』
『って事は、あの黒ずくめは……。』
早速話題となっていた。キリトはその視線が気になったが、サチは気にしていない。
この時サチは、以前フレンドリー登録したシリカにメールを送っていた。
アスナ『まあ、何て言うか…今日はありがとう、ガードしてくれて。』
キリト『あっ、ああっ…気にするなって。』
アスナは、護衛してくれた2人にお礼を言った。
アスナ『主街区は圏内だからイイけど、睡眠中は話が違うし……』
キリト『ああ……。』
サチ『デュエルを悪用した睡眠PK。通常、デュエルは腕試しに行うものだけど……』
キリト『その際、圏内でもダメージを受けるから……』
アスナ『相手の指を勝手に動かして、OKボタンをクリックして、そのまま一方的に攻撃を…って事件があったし。』
3人は、この様な話をした。(PKの件はここで説明しても良かったのだが、あえて言わない事にします。)
アスナ『だからその、ありがとう。』
キリト『いや、どう致しまして。』
サチ『ふふっ……。』
一連の話が終わった直後…、
『きゃ〜〜‼︎』
『『『⁉︎』』』
どこからか、女性の悲鳴が聞こえた。この声に3人は気付き、直ぐに声する方に向かった。
広場に出てみると、時計塔の外からぶら下がっているプレイヤーがいた。
しかもその胸元には、トゲトゲしい片手剣の様な武器が突き刺さっていた。
キリト『早く抜け‼︎』
『……。』
キリトは武器が突き刺ったプレイヤーに怒鳴ったが、逆棘があるせいか抜けない様だ。
アスナ『君達は下で受け止めて‼︎』
キリト『解った‼︎』
サチ『うん‼︎』
アスナはプレイヤーをぶら下げている縄を切るため時計塔に登った。
キリトとサチはプレイヤーを下からキャッチするべくプレイヤーの真下まで走り寄った。
キリト『待ってろ‼︎』
サチ『今助けるから‼︎』
2人はぶら下がっているプレイヤーに言った。
だが、その直後プレイヤーの動きは止まり、ポリゴン状なって消滅した。
後に残ったのは、プレイヤーに突き刺さっていた片手剣の様な武器だけだ。
後書き
次回作、そうですね。早くとも今週末までには公開します。
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